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第21話

「……」

「何かわかったのか?」

「……あぁ。何カ所か光が極端に強いところがあった」

「それって精霊さんがいなくなったのはその場所に集まっているって事ですか?」

 フィルが呪歌を歌うのを止めるとジオがフィルに声をかけるとフィルは頷き、呪歌に反応した精霊達にも違いがあると言うとティアナはフィルの言葉から1つの答えを導き出したようで遠慮がちに言うと、

「それも考えられる事だ。それに仮にそうだとしても……」

「何? 私やティアナを追い出して置いて何も対処法を考えてないの?」

「……これが自然的に起きた精霊達の意思か。誰かの手で作為的に起こされた事かで次の対処も変わってくるって事だ。何も考えていないバカが余計な事を言うな」

 フィルがティアナの質問に答えようとした時、フィリアが割って入り、フィルはため息を吐き、

「作為的だと厄介だろうな……フィル、地質調査をしていて襲われたグループって何件あった?」

「何件とか細かい事は忘れたが……10割だったはずだ。俺達も前回は襲われてるだろ。まぁ、王都の外だからそれが偶然かはわからないが」

「今はそんな状況じゃないでしょ!? あんた達は何でそんなに落ち着いてるのよ!?」

 ジオはため息を吐きながら自分達以外で地質調査をした学生達が戦闘になった件数を聞くとフィルは直ぐに返事をするがフィリアは自分達を狼に良く似た獣が囲んでいる事に気づき、2人のゆっくりとした会話にツッコミを入れて自分の身長と変わらない大剣を構える。

「ただの野生動物だろ。気にするな」

「あ、あの。気にするなと言っても流石にこの状況じゃ」

 しかし、フィルは周囲から聞こえる獣の唸り声などどうでも良さげであり、そんなフィルとは対照的に先日まではただの村娘であったティアナにはかなりの恐怖を与えているようであり、声を震わせながらフィルにどうにかして欲しいと言うと、

「下手に動くな。野生動物への対処なら終わらせてある」

「お、終わらせてあると言ってもこの状況は怖いです」

「お。フィル、役得」

「えっ!? フィ、フィルさん、すいません!?」

 フィルはティアナの様子など気にする事なく精霊の気配が強いところまで歩こうとするがティアナは聞こえてくる唸り声に不安になっているようでフィルの服をつかみ、ジオは2人の様子にニヤニヤと笑うとティアナはそこで自分がフィルの服をつかんでいる事に気づき、慌てて手を放し、

「ジオ、くだらない事を言っているなら、手伝え。ここを掘るぞ。力仕事はお前の仕事だろ?」

「わかってるよ。それでも1人はキツイから支援魔法の1つでもくれよ」

「悪いな。呪歌を使うのに結構な魔力を使ったから、しばらくは打ち止めだ」

「マジか」

「……あんた達、緊張感ないわね」

フィルはティアナの行動に何も言う事なく次の行動に移ると言い、地面に魔法で×印をマーキングして行き、フィルとジオはその場所を掘りだそうとするとフィリアはフィルとジオの言う通りいつまで経っても獣が襲いかかってこないため自分1人だけ警戒している事がバカらしくなってきたようで大きく肩を落とす。


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