第18話
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「あ、あの。フィルさん、ジオさん」
「……なんだ?」
「地質調査って、私の村の近くじゃないんですか?」
馬車を走らせて半日ほど経った時、ティアナはフィルとジオと初めて会ったのは2人が自分の村の近くで調査をしていたため、今回も自分の村の周辺だと思っていたのだが馬車は途中からティアナの村とは別の方向に向かいだし、ティアナは2人に場所の確認をすると、
「……誰もそうだとは言ってないだろ」
「そ、そうですね」
「ちょ、ちょっと、先に言いなさいよ!!」
フィルは書類でデータを再確認しており、書類から視線をそらす事なく返事をし、フィリアは何で説明をしなかったんだと声を張り上げるが、
「……確認もしないで勝手に付いてくるとか言いだしたのは誰だ? 文句があるなら、止まってやるから、1人で帰れ」
「ぐぐぐ」
フィルは自分とジオには非がないと言い切り、フィリアはフィルの言うように確認もしなかったため、ここで文句を言うとフィルの性格から本気で馬車から下ろされると理解出来るためこれ以上の文句は言えないようで拳を握り締めて唸り声を上げている。
「あ、あの。フィルさん、それなら、今回はどこに行くんですか?」
「……グラン大平原」
「となるともう少しで着くわね」
ティアナはフィルに目的の場所を確認するとフィルは王国の領土である平原の名前を出すとフィリアは目的地はすぐそこだと言い、
「そうなんですか?」
「あぁ……この周辺では1番、被害が酷くてな。単純には言えないが被害が大きいと言う事はこの現象の原因がここにある可能性が高い。後は原因はなくても拡大しやすい何かがあるかだ」
「この平原は薬草類も多く有って、被害も大きいんだよ。薬草類がダメになると国益にも関係してくるからね」
ティアナは場所がわかっていないようで首を傾げるとフィルは調べる価値がある場所だと言うとジオは苦笑いを浮かべる。
「国益ですか?」
「……あぁ。ウチの国も特産品は人材だからな。王立の学園で学んだ人間が国に戻り、その国を助ける。方法は様々だけどな。その中でも医療従事者は多い。精霊魔法、神聖魔法を覚えて治癒魔法での医療を行う人間。薬草類や外科的技能を学んだ人間。後者の人間は薬草類がなくなると治療はできん」
「時期で取れるものも違うからね。この時期で取れるものがなくなるとストックがあるとしてもきついからな」
「そ、そうですね」
ティアナは国益と言われ、そんなものよりは先に優先して貰いたいものがありそうだがフィルとジオは国からの依頼のため仕方ないと言うとティアナは頷きはするが納得はいかなさそうであり、
「取れない薬草類が増えるとその薬草を売り買いするレートが上がる。そうなると必然的に医療を行っている人間も治療費を上げざる得ない。食料品も同じだが地質調査を行いデータを取り、それを正すために実験等もしないといけなくなる。それにより、悪化する可能性も考えられるのに村の近辺でできるわけがないだろ。被害拡大もあるかも知れないものの有効な手を探すのに犠牲も出る可能性があるなら、村の農産物よりは魔法で補えるものを実験台に使う。それだけだ」
「……」
フィルはティアナの言い分などは知らないと言い切るが彼にも彼なりに考えている事もあり、ティアナはフィルが考えなしにしている事ではない事が理解できたがやはり感情が付いてこないようで口を閉ざしてしまう。