第16話
「何? フィル、私にケンカを売ってるわけ?」
「ケンカを売る? 勘違いするな。ケンカを売ってきてるのはお前だろ。関係ない人間が人の依頼に首を突っ込んできて、俺の貴重な考察時間を潰しているんだからな。邪魔をするなら出て行け」
フィリアはフィルの言葉が自分への挑発だと思ったようでフィルを睨みつけるがフィルは彼女の相手をする時間はないようでフィリアに研究室を出て行くように言うと再び、書類に目を通し始め、
「フィア、今回はフィルの言う事が正しいぞ。精霊魔法は講義を受けているはずだ。キチンと復習をしていないからこんな事になるんだ」
「だ、だけど、こいつの言い方にも問題があるでしょ。この依頼はティアナの故郷の村にも関係ある事なの。ティアナにはそれを聞く権利があるわ!!」
「……そんな物はないし、余計な事は考えるなよ。少なくとも精霊魔法の基礎も理解できないようなバカが思いつきで付いてきたりしても邪魔でしかないからな。フィア、間違っても後を付けてくるような事はするなよ。場を荒されると調べ事もできなくなるからな」
ジオは苦笑いを浮かべながらフィリアに言うがフィリアはフィルの態度に腹を立てているようで今回の依頼に関してはティアナには真実を知る権利があると言うとフィルは表情を変える事なくフィリアの言葉を斬り捨て、フィリアに余計な事をするなと言うと、
「余計な事? 余計な事ってどう言う事よ? さっきも言ったけどティアナの故郷にも関係ある事なのよ!! それを余計な事って言うのはどう言う事よ!!」
「フィ、フィアさん、落ち着いて下さい」
「……お前らが勝手な事をして止めを刺すつもりか? 魔物との戦闘になるかも知れない、その時は調査対象を守りながら戦闘をする事になる。状況を理解できない脳みそまで筋肉のバカ力女と戦闘の基礎も学んでいない人間を連れて行けると思うか? ただ、バカみたいに目の前の敵だけ倒してれば良いと言う単純な依頼じゃないんだ」
フィリアは感情に任せてフィルを怒鳴りつけるとフィルに殴りかかるような勢いで彼との距離を縮めて行くがティアナがフィリアの腰に抱きつき彼女を止めようとするなか、フィルは淡々とした口調でフィリアやティアナは邪魔だと言い切り、
「これ以上は言うだけ無駄だ。出て行け。俺はお前らの相手をしているほど、ヒマじゃない」
「あ、あんた、何様よ!!」
「……フィア、いい加減にしろ。この依頼はフィルと俺の依頼だ。少なくとも依頼を完遂させるためには邪魔はするな」
フィルはティアナとフィリアにもう1度、研究室から出て行くように言い、フィリアはフィルの傲慢な態度に感情に任せてフィルの胸倉をつかむと彼の顔面を殴り飛ばそうとするがジオがフィリアの腕をつかみ、フィルの邪魔をする事は許さないと言う。
「ジ、ジオ、あんたまで言うの?」
「言葉の通りだ。出発までの時間でやるべき事、必要な事を探す時間がいるんだ。フィア、ティアナさんも出る。あいつの邪魔をすると後々に影響が出てくるからね」
フィリアは先ほどまで味方をしてくれていたはずのジオが自分を止めた事に驚きの表情を隠せないようだがジオはフィルなら今ある情報から有効な手段を見つける事が出来ると信じているようで苦笑いを浮かべるとフィリアを引きずって研究室を出て行き、
「あ、あの。フィルさん、邪魔をしてすいませんでした。あ、あの」
「……やれる事はやるから、講義にでも出てろ。俺は忙しいんだ」
「は、はい。お願いします」
ティアナはフィルに頭を下げながらもやはり気になるようであり、なかなか研究室を出て行く事はなく、フィルはそんな彼女の様子にため息混じりだがしっかりと依頼は終わらせてやると言うとティアナはフィルに深々と頭を下げて研究室を出て行く。