第14話
「……断る」
「お願いします。フィルさん!!」
「……お前は自分のやるべき事をやってろ」
「フィル、話してあげなさいよ」
フィルはティアナに話す必要はないと言い書類に目を戻そうとするとフィリアがティアナの味方をするが、
「……データを見ても何も理解できないバカ相手に話したって理解できないだろ」
「「……」」
フィルは説明するだけ無駄だと言い切ると2人は流石に何も言えない状況のため、2人は気まずそうに顔を合わせると、
「ティアナさんもフィアも少し声を抑える。廊下まで響いていたぞ」
「……ジオ」
「す、すいません」
ジオが苦笑いを浮かべながら研究室に入ってきて廊下までティアナとフィリアの声が響いていたと言うとティアナの慌ててジオに頭を下げる。
「それで、何の騒ぎだったんだ?」
「ジオからもこの分からず屋に言ってあげてよ。この間の地質調査の結果。出てるのにティアナに教えないって言うのよ」
「あぁ。それか、フィル、教えてやれば良いだろ。俺とお前はしばらく、ここを開ける事になるわけだし」
「……下手な事を言って付いてくると言い出したら、足手まといが増えるわけだからな」
ジオが3人が何を騒いでいるのかと聞くとフィリアはジオを味方に引き入れようとし、ジオはフィリアの言葉に苦笑いを浮かべたまま、フィルに教えてやれば良いと言うとフィルは何かあるのかこれ以上の厄介事はゴメンだと言いたげにため息を吐くと、
「足手まとい? ……ジオ、フィル、あんた達、どこかに行ってくるの?」
「フィル、言ってないのかよ」
「……何で、俺がわざわざ、そんな説明をしないといけない。だいたい、ティアナがここにいる事を勝手に決めたのはお前らだろ。俺には関係のない事だ」
「……まったく」
フィリアはフィルとジオの話から2人が何かするつもりだと思ったようで聞き返すとジオはフィルに2人に話をしていないのかと聞くがフィルはティアナとフィリアに話をする筋合いはないと言い切り、ジオは大きく肩を落とす。
「細かい事は俺もよくわからないんだけど、この間の地質調査でフィルが持ち帰った土を分析した結果。得におかしなものは出てこなかったんだ」
「ちょっと待ってよ。それなら、何で、植物や農作物が枯れるのよ? そんな風に違う結果が出るのよ。おかしいでしょ」
「……それを調べ直しに行くんだろ。あの現象が一時的なもので収束しているかも知れない。もしくは悪化しているかも知れない。それの確認。それと土以外に植物を枯れさせる原因はないか? 虫類が何かをしている可能性だってあるだろ」
「フィルさん、何をするつもりなんですか?」
「それにデータには出てない違いがあるんだ。それから推測できるものがある。今度はそれを調べるために行ってくるんだよ」
ジオはフィルの調べた物からはあまり違いはなかったと言うとフィリアは結局は何もわかってないのだと思ったようであり、文句があるようでフィルに言うがフィルはジオが余計な事を言うなと言いたげに立ち上がると2つの土が入った透明なガラスケースを取り出し、ティアナはフィルが何をしようとしているのがわからないようで首を傾げると、
「たぶん、これが1番の原因だ……」
「何? 何で、この土、光っているの?」
「この土に何かあるんですか?」
フィルは魔法を使用しているのか小さな声でつぶやくとガラスケースに入っている土の片方だけが鈍い光をあげて輝きだし、ティアナとフィリアは光り出した土に何かあると思ったようで真剣な表情をしてフィルに聞き返す。