龍彗の過去
初めての戦闘を終えた龍彗
100戦100勝の無茶な条件に打ち勝つことができるのか
それとも敗北の味をしり一生戦い続けるのか
復天54年8月2日（約16年と4ヶ月前）
桜田 富美恵
桜田 龍将の子として
桜田 龍彗が生まれる。
俺が産まれて父さんの仕事が増え、家にはあまり帰ってこなかった。
俺が物心つく頃には、大きな仕事が決まっていたらしく家には帰ってこなかった。だから俺は父さんの顔は覚えていない。母さんが言うには「俺はこの子のためにできることならなんでもしてやる」っていうのが産まれたとたんから口癖になっていたらしい。
学校に行き、友達と遊び、家に帰って母さんに、その日あったことを話す。そしてご飯を食べて寝る。
毎日同じ生活、変わらない日常だが幸せがあふれていた。
俺が15になって、数日が経過したある日、家に封筒が送られてきた。
差出人の名は茂治という男
今思うと死竜が言っていた投資家という奴だろう。
封筒には、カードとお悔やみ状が入っていた。
父さんが死んだ…事故死らしい。
母さんは父さんの死を受け入れられずに部屋に閉じこもった。
俺は封筒に入っていたカードを持ってＡＴＭに行きお悔やみ状に書いてあった4桁の愛称番号をうち、14万ほど金をおろし。
母さんの好きな、シュークリーム、ショートケーキ、モンブラン、かりこち君などを買い家に戻った。
『母さん…俺、母さんの好きな物いっぱい買ってきたよ…』
声がしない寝ているのだろうか…
『母さん？寝てるの？起きてよ』
反応がない…俺には最悪なことしか浮かばなかった…自殺…俺は手に持っていた荷物を放しすぐに母さんがいる部屋の扉をこじ開けた。
『母さん』
大声をあげて近寄ると母さんがぐったりしていた。机には大量の薬…
俺はすぐに電話を取り救急車を呼んだ…
数十分ぐらいたち救急車が到着すると、これは酷いとすぐに担架に乗せ救急車へと運ぶ。
俺は救急車に乗り、病院へと向かった。
病院につくとすぐに緊急手術が行われた。
……………手術が始まり何時間たっただろうか…俺はいつのまにか眠りに落ちていた。
＜病院の人＞「おい、キミ、起きて。」
『ん…ふぁ～飯出来たのぉ？』
＜病院の人＞「何を寝ぼけているんだ」
『そうだ。母さんは？』
＜病院の人＞「手術は成功したんだけど意識がね…薬の作用と旦那さんの死で多大なショックを受け、深い眠りについてしまっている。」
『で、起きるの？』
＜病院の人＞「いつかは目を覚ますだろうが、いつになるのかは私たちにも…」
『いえ。生きているだけで…ありがとうございます。』
俺は深々と頭を下げ家に戻り眠った。
母さんが入院しているからといって学校がないわけじゃない。
学校は今まで通りに通い。友達と話す。今までと変わらない。ただ病院で母さんに報告し家に帰り、飯を食べて寝る。
その生活が一年も続こうとしていた時、母さんが突然死んだ。
死体は病院側で処理をしてくれたらしい。
俺は…
家族を失いひとりになった。
友達はいるが…
話していても楽しくもなんともない、ただいつも通り学校へ行き友達と話し、飯を食べて寝る。
そんなある日だ。
友達が人殺しになった。
先生を殺し友達は笑っていた…
俺はその姿が心底楽しそうに見えた。
そして真良3年1月1日がやって来る……
