97・サメル村からカル達がやってきた
「マサル、今日はカル達の薬師試験だな」
「ああ」
「受かるかな」
「受かるぞ」
サメル村で薬作りをしている、カル マイ、そしてジュンとネネが薬師試験の為に王都に来ている。
余裕を見て出てきたので、着いたのは三日前だ。
護衛としてガーネ達四人も来ている。
八人もの大所帯なので、大型馬車をトーム交通に頼み、王都に家を一軒借りておいた。
そして八人の世話をジルに頼んだ。
「ジルちゃん、久しぶり」
「久しぶりです、ガーネさん。そしてフェリンさんとシャクヤさんとノラバさん。皆さんお元気そうですね」
「ええ、とっても元気よ、うふふふふ」
「ノラバ、はしゃがないの」
「だってシャクヤ、カル達の試験が終わるまで、私達は王都で遊んでいて良いんでしょ。ねえジルちゃんまた王都を一緒に周りましょ」
「あの、カルさん達の世話と頼まれたので、今回はご一緒出来きないです」
「そっか、まあ今回は馬のハナコは連れてこなかったから、私達だけで回るか」
前回ガーネ達は馬のハナコを連れて来た。
ハナコの糞の世話係としてジルを雇ったのがガーネ達との出会いだった。
ガーネ達四人は王都に繰り出していく。
残された四人は。
「私たちはとても遊びに行けないね」
「えっ、カルちゃん、あれだけ村で勉強したんだから大丈夫よ。ねえジルちゃん王都を案内してくれる」
「えっ、マイさん、大丈夫なんですか」
「もちろん、ジュンとネネも大丈夫でしょ」
「当然」
「もちろん」
「じゃあ決定、カルちゃん、行くわよ」
こうしてカル達四人もジルの案内で王都に繰り出していった。
「マサル、カル達は三日前に来たんだよな」
「ああ」
「あたい達が学校に行っている間、最後の勉強をしていると思ったよな」
「ああ」
「遊びに行っていたみたいだぞ」
「ああ」
「受かるのか」
「・・・多分大丈夫だ」
パカパカパカ パカパカパカ
此処まで来たら俺が心配してもしょうがない。
ギャと薬師学校に向かうのだった。
「カルさん、ここが会場です」
「ありがと、ジルは此処で待っている」
「いえ、いったん店に帰ります、試験が終わった頃に迎えに来ます」
「じゃあ行くわよ、頑張りましょ」
「「「はい」」」
一応一番古いカルがリーダーなのだが、こういう時は年上のマイさんが仕切っていく。
マイさんを先頭に試験会場に入り、受付に受験票を見せる。
受付手続きが終われば試験会場に入ることが出来た。
「マイさん、席が離れていますよ」
「カンニング防止の為ね」
「私の席はっと、あっ、有った有った」
「私も見っけ」
ジュンとネネは自分の受験番号の席に座る。
「私は此処ね、カルはあっちみたい」
「はい」
四人は自分の席に着く。
これからはお互い話をすることが出来なくなる。
受験番号が張られえた席は十ほどあった。
カル達が来る前にすでに三人が座っており、カルの後に残りの三人が入ってくる。
『全員受かるといいな』
カルは席が埋まるとそんなことを考えていた。
時間になると試験の説明が有り、答案用紙が配られる。
今日は筆記試験だけだ。
そして明日筆記試験に合格した者が実技試験を受ける。
「はじめ」
筆記試験が始まる。
カリ カリ カリ カリ カリ カリ
カル達四人は順調に解答用紙に答えを書き込んでいく。
『うん、常識問題ね、さすがにマサルさんが作るような捻くれた問題は無いみたい』
カルだ。
『これなら何とかなりそう。でも引っ掻け問題がいくつかあるね』
マイさんだ。
『楽勝 楽勝、でも引っ掛からないからね』
『フフフ、私には見える』
ジュンとネネだ。何が見えるのだろう。
試験は薬作りから薬草の知識まで広い範囲の及ぶので三回に分けられ試験が行われた。
「ふー、疲れました」
「そうね」
「「終わった」」
試験が終わり、結果を待つ四人。
結果発表が終わった頃に。
「お疲れ様、どうでした」
ジルが迎えに来た。
「ジルちゃん、みんな合格」
マイさんが答える。
そして次の日の実技試験。
会場には六人しかいない。
「四人落ちたんですね」
カルは不思議そうだが。
「私たちはマサルさんに教わったからね」
「そうそう」
「そう言う事」
と、言うことらしい。
そして実技が始まる。
これは四人にとっていつもやっていることだった。
なので当たり前に合格。
カル達以外の二人は落ちていた。
「ねえ、試験に使った薬草って、萎びてましたよね」
「カルのもなのね、あれで薬にしろってかなり難しいのよね」
「そうそう」
「あれじゃあ、普通は受からないね」
落ちた二人は実力不足ではなく、材料のせいかもしれない。
「でも、それでも薬にしないとね」
「ええ、マイさんとの通りです」
「そうそう」
「そう言う事」
俺としては受かれば何でもよかった。
そして次の日、カル達は薬師の資格を貰いサメル村に帰って行った。
「ガーネ、今回も異次元鞄借りてきて良かったね」
「ああ、まさか八人分の荷物がこんなに成るとは思わなかったな」
ガーネ達の買い物の荷物以外にもカル達の買い物が山のように有ったからだ。
そう、カル達四人はサメル村でお金を使うことがない。
王都で思いっきり買い物を楽しんだのだった。




