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96・薬師学校の新学期です

「マサル、今日は入学式だな」

「ああ」

夏休みも終わり九月一日が入学式だ。


五人しかいない二年生の始業式は明日だった。


新しく教師が四人入ったので俺の授業は無いはずだ。

四人の新人教師は八月の二十日から学校に来て準備をしている。

俺が呼ばれなかったのは授業から外されたからだろう。


「マサル、サメル村にいたから連絡が取れなかったのではないか」

「そんなこと無いだろ、姉貴が連絡するはずだ」


「・・・すると思うか」

「・・・しないだろうな」

まあその辺はわからない。


とにかく俺とギャは学校に向かう。


パカパカパカ パカパカパカ


「マサル、ロバは遅いな」

サメル村に行くとき俺とギャは馬に二人乗りした。

あれは軽く走らせたから早いので、今のロバは歩いているから遅いだけだ。


「ギャよ、ロバも走れば早いぞ」

「本気の馬よりか」

「それは負ける」

しょうがない、ふた回りはロバの方が小さいからな。


ロバを第四区に有るバルノタイザン商会に預け、歩いて学校の門をくぐる。


「マサル、人が多いぞ」

「そうだろう、今日は入学式だぞ、生徒の父兄も来ているからな」


「それで馬車が多いのだな」

「そうだ、貴族は馬車で来る」


「平民の親はいないぞ」

「そうだろうな、環状塀の門を通れないからな」

平民でも金持ちの親は来ているはずだ。 


「生徒は大丈夫なのか」

「学生証が通行許可証になるらしい」

第八区や第七区の平民が第四区に入ることはめったに無い。

これだけでも平民にとってステータスになる。


学校に着き用務員室に入ると、職員室に来るよう張り紙がしてある。


「マサル、嫌な予感がするぞ」

「ああ」

嫌な予感は当たり、職員室に行くと職員会議に参加させられる。

そこで新しい教師を紹介された。



新しく教師になったのは、メリッサ バーバラ フラワ、そしてヤヨさんだ。

「用務員のマサルです」

「ギャだ」

俺の自己紹介が終わると、入学式が行われる隣の建物に移動する。


「マサル、隣にちょうどいい建物が有ったんだな」

「そうだな、教室では父兄まで入りきれないからな」


そして始まった入学式で、俺は教師として紹介された。

『聞いてないぞ』と思ったが、八月に有った準備に来なかった俺が悪いらしい。


入学式が終わり父兄と生徒は帰っていく。

そして俺は再び職員室に呼ばれていた。


「マサル、八月の準備に来なかったことは此処では攻めないが、儂の評価が下がったことは言っておく、給料が下がることは覚悟しろよ」

校長に言われるが。


「もともと学校から給料はもらっていないのですが、俺はカエデ製薬から寄付として来ているので」

「そうだぞ、マサルとギャは学校から給料はもらっていない」


「・・・そうだったな。まあそれはいい、それで入学式で紹介したとおり、これからは教師として学校にくるんだ」

「いいですけど、用務員の仕事はどうするんですか」

「それもやるんだ」

「・・・・・・」

やるしかないんだな。


まあ確かに職員室に俺の机は無い、毎朝行われる職員会議は後ろに有る椅子に座って参加するんだな。

こうして無事に新年度の入学式の日は終わった。


そして翌日。

今日は二年制の始業式が教室で行われる。


「おはよう」

「おはようございます」


「二年生の諸君、進級おめでとう」

二年生の始業式は教室で行われた。

校長は挨拶が終わると校長室に帰っていく。


教室に残ったのは生徒と俺、そして二年生を担当するメリッサさんだ。


「では、まず二年生とし何を教わるか、簡単に説明する」

「「「「「「はい」」」」」」


「えっ、何で六人いるんだ」

生徒は五人のはずだ。

そして俺の隣に居ると思ったメリッサさんがいない。


「メリッサさん、そっていに座らないでこっちに来てください」

メリッサさんが生徒の机に座っていた。


「えっと、ほら、私、教師やったことないでしょ。しばらくはこっちに座りたいの」

「・・・・・・」

認める訳にはいかないが、無理も言えない。

しょうがないのでメリッサさんはそのままして、生徒に二年生としてのカリキュラムを説明する。


「先生、新し教科書を貰ったんですが、マサル先生特製のわかりやすい教科書は無いのですか」

「うん、ウルキダ君良い質問だ。さすがにそれは無い」


「でも先生、夏休み中に教科書が届いて予習するようにって言われたのですが、読んでみてもよくわからなかったです」

「そうか、まあその為に授業をするから、大丈夫だと思う」

おお、あの生徒たちが夏休み中に予習をするなんて、大きく進歩しているじゃないか。


こうして薬師学校の新学期が始まった。


パカパカパカ パカパカパカ パカパカパカ

学校の帰りは三頭のロバが並んで歩く。


「ヤヨさんもロバ通勤なんですな」

「ええ、朝は一緒に通勤するのは無理ですけど、帰りは途中まで一緒ですね」


「第八区迄帰るのでしょ、大変ですね」

「ロバを貸してもらいましから、そうでも無いです」

さすがに第八区から第四区迄直通する乗合馬車はない。

ロバを使うのが一番だな。


「それよりマサルさん、今日授業を始めたら、バーバラとフラワの二人が生徒と一緒に座っていたんですよ」

「そっちもですか、二年生の教室でもバーバラさんが生徒と一緒に座っていました」


「大丈夫でしょうか」

「たぶん無理です」


そして数か月後に、バーバラとフラワは教師を辞め、代わりに俺の講習を受けてが教師試験に落ちた薬師の二人が教師になるのだった。

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