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82・潜入教師 いや用務員です

二年ぶり、俺は王都へ帰ってきた。

まあ仕事で何回か帰っていたが。


「おい、通行許可書は有るんのか」

「はい」

俺は門番に貴族の証明書を見せる。

シルバー爵の貴族に通行許可書はいらない。


「・・・通っていいぞ」

俺の見た目って、そんなに貴族らしくないのか。


ギャは首に巻いたスカーフをずらし首輪を見せる。


「奴隷か」

奴隷は人では無い、俺の所有物扱いになる。


ギャと一緒に門をくぐり王都に入った。

そのまま第七、第六と門をくぐりやっと我が屋敷に到着した。


「マサル、第八を入ったのは十五時だよな」

「ああ」


「日が沈みそうだな」

「まだ三月だ、日の暮れるのが早いからだ」

「そうか、王都が広いからだろ」

第八環状門から第六区に入るのに二時間かかったが、取りあえず夕食には間に合った。


「マサル、お帰りなさい」

「ああ、姉貴が呼んだからな」


「マサル、呼ばれたのなら、『飛び出て』『じゃじゃじゃじゃーん』では無いのか」

「ギャ、なんだそれ」

奴隷商にいた頃、ギャは何を覚えてきたんだ。


「マサルを呼んだ詳しい話は夕食の後にするわ」

「はい」

「マサル、マサルはカエデお姉さまには何も言えないのだな」

そうです。


今日は金曜日でも土曜日でも無いので、夕食の場にタカシ兄さんとサトシ兄さんはいない。

貴族の食事は基本的に黙ってするのだが、並んでいる料理が一般庶民と変わらないので、多少のおしゃべりは許されている。


「マサル、サメル村はどうだ」

「順調と言っても良いかと思います」

「うむ」

親父との会話はこれだけだった。


「ギャちゃん、美味しい」

「オー、サクラお母様の料理はとっても美味しいぞ」

ギャは、それだけ答え、ひたすら食べまくった。


食事も終わり、本題である姉貴の話が始まった。


「マサル、ダンブロア家から要求が有りました」

「ダンブロア家と言うと薬師の学校だろ。あれだけ薬草を治めてもっと要求してくるのか」


「ええ、現金の要求が来ました」

「貧乏貴族に金の要求か。無理だと思わないのかな」


「お金を無理強いしない所を見るとわかっているようですね。お金は難しいと答えると、なら人を派遣しろって言って来たの」

「派遣って」


「ええ、教師もできる用務員を送って欲しいそうです」

「教師じゃなくて、教師もできる用務員か、なんだそれ」


「カエデ製薬へは教師を頼みたくないのでしょ。用務員が教師の代わりに教えるのですが、あくまで今の教師が教えたことにするみたいですね」

「じゃあ俺は教師をすれば良いんだな」


「いいえ、用務員がいないので、その仕事もすべてやって欲しいそうです」

「無理・・・だとおもう」


「ギャちゃんを連れていきなさい」

「・・・なるほど。で、何で受けたんだ」


「もう少し薬師学校のこと知りたいのと、どうもいま通っている学生がまともな授業を受けていないからですね」

「そうだぞマサル。以前覗き見した授業は薬草をねちゃねちゃこねていただけだぞ」

「そうだったな。あれで薬師になれたら逆にすごいくらいだったな」


薬師学校は四月から後期に入っている。

ちょっとずれたが、まあ新しい用務員が入るには悪くない時期だ。


準備が終わり次第、俺は薬師学校に通う事になった。

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