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64・ガーネさん達です

ガーネ達四人が社員になると、いろいろお互いのことを知ることになる。


俺が魔力検査の日、風邪と怪我を直す為、魔力操作力を使い果たし、検査機のガラス玉をほとんど光らせなかったことや、八歳から冒険者をして、薬草をギルドだけでなく姉貴に売っていたことなどだ。


「マサルさんのせいだったんですね」

「何がだ」


「ある時から王都での薬草の買取価格が下がったんです。いえ、下がったと言うより鮮度の良い物しか買い取ってくれなくなったんです」

「もしかしてガーネさんは、俺が大量に薬草を取ってきたから価格が下がったと言いたいのか」

「そうです」

うん、反論できないな。


それと、上の兄貴のお古の教科書を読んで覚えたこと。

下の兄貴に剣を教わったこと。

姉貴から薬草採取と薬作りを教わったこと。

お袋から料理を教わっていたことを伝えた。


「なっ、マサルはすごいだろ」

なぜかギャが胸を張っていた。


「・・・確かにすごいですね」

ノラバが感心してくれた。


そして俺もガーネ達のことが少しわかってきた。


ガーネは平民の普通の家の生まれだと言う。

近くに住んでいる、元冒険者のお爺さんから読み書き計算と剣をおそわり、七歳で小遣い稼ぎの為冒険者になったそうだ。

子供のころは、ベビーシッターや屋敷の掃除、公園の草取りや薬草採取をやり、少し大きくなってからは兎狩りもやっていた。


元冒険者のお爺さんは二十歳まで冒険者をやっていたが、腕を見込まれ、商社の警備員として雇われ、歳を取ってからは、週に二日、その商社の倉庫の夜勤警備をしていたそうだ。

ガーネが子供のころの年寄りだ、今も生きているかガーネは知らないと言っている。


ガーネは冒険者をいつまでもやっていけない、出来るだけ早くきちんとしたところへ勤めるよう、元冒険者から聞かされていた。


フェリンはこの村の生まれだ。

属性:光なのを教会に見つけられ縛られない為に、家族でサメル村を出ていた。

村を出てすぐにガーネ達と知り合い、薬草採取の特技を買われパーティーに入ったそうだ。


シャクヤは家が無限新陰流の道場だった。

無限新陰流は暗殺の為の流派だ。

シャクヤは幼いころから兄とともに修行していたが、自分の技が暗殺の為のものと知り、家を出て冒険者になっている。


ノラバは何も話さない。

だが。


「ノラバさんはマサルに似た雰囲気が有るぞ」

「そうか」

ギャにもわかるか、多分ノラバは破綻した貴族の娘だな。

今は冒険者だが、かすかに貴族の感じを出している。


歳を聞くのは失礼だったが、ガーネが二十五歳、フェリンが十八歳、シャクヤとノラバが二十歳だ。


姉貴も二十五歳、ロマンヌさんもそのくらいだ。

もし、姉貴、ロマンヌさん、ガーネさんの三人に囲まれたらと思ったら、膝が震えてきた。


ガーネさん達が社員になったので、気兼ねなく仕事を頼めるようになった。

当然割増しで給料も払うのだが、薬草採取だけでなく、カエデ製薬のザエルさんやレダンさんの手伝いや、ムンさんの助手として子供たちに勉強を教えることもやってもらう。


「まさる、ロバの管理までは頼みすぎだぞ」

「いやー、ムサイさんが大変だ大変だって言っていたからな」


「だが、ムサイさんはバルノタイザン商会の社員だ、ガーネさん達はカエデ製薬の社員だぞ、会社が違う」

「わかった、やめさせる」

このあたりギャは細かいな。


ズンダダ森もガーネさん達で行ってもらうが、森小屋から遠くに行かないよう強く言ってある。

遠くに行かなくても王都にいる姉貴からの依頼は十分に応じている。


ひと月もすると仕事の流れもわかったくる。

俺も暇ではないが時間に余裕が出来てきた。


なので、ギャと駄弁っている。

「マサル、もうすぐ八月だぞ、暑い」

「そうだな、それじゃあアイスクリームでも作るか」

「オー」


そう、あれから試行錯誤のすえ、冷凍庫が我が家にも有るのだ。

王都から発熱魔具の石板が送られてくると、爺とダンさんに頼み、冷蔵庫用の熱交換魔具と冷凍庫用の熱交換魔具に魔方式を書き換えて王都に送り返したいる。


「マサルさん、あの魔具も社員契約の秘密になるのですか」

「うーん、含んでくれ、それに村の秘密でもあるからな、絶対他に行って言うなよ」

ガーネ達に熱交換魔具が見つかった時にきつく言っておいた。


熱交換魔具とは、コンロ魔具やストーブ魔具の発熱魔具の魔方式を属性:闇の力で、発熱を石板の反対側からの吸熱でするよう魔方式を書き換えたものだ。

魔力を注ぐと、片面が熱く反対面が冷たくなる。


これで冷蔵庫や冷凍庫が作れるが、村では箱まで作らず、熱交換魔具に書き換えたら王都に送り返していた。


「マサル、冷蔵庫や冷凍庫で大儲けだな」

「ギャ、売っていないから大儲けは出来ていないぞ、こんなの売ったら騒ぎになってバルノタイザン家は終わってしまう。それくらい大変な発明だったんだ」


「じゃ、王都に送った熱交換魔具はどうなっている」

「冷蔵庫や冷凍庫にして食堂や薬屋、それとバルノタイザン家の親しい貴族の調理場に収めているな」

まあ売っているが、お店に並べて売っているわけではないからセーフだ。


あと、摂氏一度の冷蔵庫で肉の熟成も成功している。

適温と肉に風を送くることに気付くまで大量の肉を腐らせたのは内緒の話だ。


さすがにこの肉を大衆食堂サクラで売るわけにはいかないので、貴族向け高級レストランに卸している。


アイスクリームの作り方は以前から知られていたが、氷を使うので、寒い冬なら作れて暑い夏に食べられなかったのだ。


「うーん、冷たくて美味しい」

ガーネ達にも好評だった。


そして、アイスクリームと熟成肉が王都で大きな問題になっていた。

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