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57・ガーネ達の仕事が始まりました

「「「「おはようございます」」」」

丘の上の屋敷に泊まることになった冒険者パーティーの四人が朝食の為食堂にやってきた。


「おはよう、朝食の用意は出来てますよ」

朝食を準備したのはムンさんだ。


「「「「いただきます」」」」

そしてガーネ達四人の朝食が始まった。


「ガーネ、此処の食事もおいしいね」

「ああフェリン、マサルさんの料理も上手かったが、ここも上手いな」

「そうだね」

「うん」

シャクヤやノラバも満足している。


「ねえ、シャクヤたちはゆっくり眠れたの」

「ああ、フェリン達はどうだった」


「私とガーナはぐっすり、気が付いたら、もう起きる時間だったわ」

「私達も、ほら、貴族の屋敷ってことで、部屋に入った時は豪華さに驚いたけど、ベッドが安宿みたいでなんか安心て、かえってよく寝られたね」

御姫様が寝るふかふかのベッドは慣れないとうまく寝れない、と思う。


「ええ、ベッドなどの家具は私たちが来た頃から揃えましたから。マサル様が一年前に此処に来た時は使用人小屋にベッドが二つだけで、他の家具は全くありませんでしたから」

ベッドが庶民的な理由をムンさんが説明する。


食事をしながらガーネが今日の予定を発表する。


「えー、マサルさんとギャちゃんがズンダダ森に行ったので、今日からは私達四人で薬草採取を行います。まずは、村の南東にある森から始めるよ」

「えっと、採取する薬草はこの表にあるやつだよね」

俺から採取する薬草の一覧表を渡してある。


「そうだな。それと採取した薬草を入れるのに、この小袋を渡された」

「なにそれ、手のひらサイズじゃない」

ガーネの見せた小袋をシャクヤは不思議そうに眺める。


「小さいが、魔力を流しながら薬草を入れるとかなりの量が入るそうだ」

「・・・ねえ、それって」


「ああ、そうだが、深く追求するなと言われている」

「そう言えば、ギャちゃんと王都から来る馬車にロバ革の鞄が有っただけで、荷物が無かったでしょ。でも、あの馬車には食堂や此処で使う食材が積んであったらしいけど。あの鞄もなのかな」


「ノラバ、今回の依頼は私たちにとっては、とてもありがたい依頼だろ。続けたいのなら詮索はやめておけ」

「そうね」

ガーネ達は深く追求しない。そして秘密は守ってくれる。

姉貴が依頼しただけのことはある。


「ねえ、あなた達、ロバには乗れる」

食事が終わり、食器を片付けに来たムンさんがガーネに聞く。


「馬は乗れますが、ロバは乗ったことが無いですね」

「そう、マサル様がロバを用意しているのですが、乗ってみます」


「乗る、乗る、乗りまーす」

「ノラバ、はしゃがないの」


「だってシャクヤ、歩いていたら森まで大変だよ。ロバって馬が小さいだけなんだから乗れるって」

「そうだな、とりあえず試してみるか」

ムンさんに案内され四人はロバのところへ来る。


「ちゃんと鞍が付いているんだな」

「そうね、ガーネ。これなら問題なく乗れそうね」

フェリンは、ロバにまたがり手綱を握る。

八歳までサメル村にいたフェリンにとってロバはお友達だ。


「大丈夫そうよ」

フェリンはロバを歩かせてみる。


それを見て他の三人もロバに乗ると。


「おお、快適快適」

ノラバは楽しそうだ。


ロバに乗り四人は薬草採取の為に森を目指した。


「ねえ、ガーネ。一年前にカエデさんの仕事受けて良かったね」

「ああ、フェリンと知り合ってパーティーを組んだが、女性四人ではたいした依頼を受けられなかったからな」


「そうそう、ギルドの依頼掲示板に上級薬草の見分けが出来る人ってあったんだよね」

「シャクヤは、『意味わかんなーい』って言ってたわよね」


「ノラバだってそうじゃない、でもフェルンだけ『これ行ってみましょ』って言ったんだよね」

「ええ、薬草によっては、私の能力でないと見つけられないものが有りますから」


「そうそう、だってカエデさんんところに行ったら、『雑草の束から薬草を選んで』って言われたけど、みんなおなじみ見えたものね。ねえフェルン、あれってどうやって見つけるの」

「うーんそうね。手のひらに乗せて温かく感じるのが薬草ね」

そうフェルンが説明してもシャクヤもノラバも首をかしげるだけだった。


「だが、フェルンがカエデさんの試験に合格して、依頼が割の良い仕事で助かったんだよな」

「ええ、だって薬草のある場所の地図を見せてもらえたんだもの。そこにはいつ行けば取れるかまで書いてあるし。採取の仕方も細かく教えてもらえて、丁寧に採取すれば、高く買い取ってくれるしで至れり尽くせりだったわね」


「それで今回の仕事も受けたんだよね」

「ああ、シャクヤとノラバが賛成してくれてよかった」


「私は」

「フェリンは反対するとは思っていなかったな」


「それって、私がサメル村の生まれだから」

「ああ、そろそろ村に行ってみたそうだったからな。だが村について一週間たつがフェリンに声をかける人がいないが、フェリンはどう思う」


「声はかけて来ないけど、軽く会釈くらいはしているよ。様子を見ているみたい。ほら私たち家族が村を出た理由はみんな知っているから、いきなり親しくしたらおかしいでしょ」

「それはフェルンの能力を隠すために村人全員が協力しているってことか」


「そう、だからガーネ達と一緒に自然に仲良くなっていけばいいの」

「なるほど」

などとロバに乗りながら話していれば森についてしまう。


ロバの手綱を手ごろな木に縛ると薬草採取を始める。


「まず、この薬草はあの岩の陰にあると書いてある」

「ありました」

シャクヤは丁寧に薬草を根ごと掘り出した。


「こちらの薬草は、向こうの谷を降りたところだ」

「ありました」

今度はノラバが新芽だけをつまむ。


「王都の周辺でカエデさんの依頼でも地図を使ったが、出来すぎだな」

「ええこれなら楽勝ですね」

こうして夕方まで四人は薬草採取を続けた。


その頃カエデは。

『あの四人、薬草採取始めたかな。王都でも地図と薬草の特徴を書いた本のおかげですって言ってたけど、あの四人って自分の薬草採取の力に気付いていないのかな。誰でもできる仕事じゃないのにね』

と、薬を作りながら思うのだった。

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