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52・今日は薬草採取です

「マサル、今日は何をするんだ」

「今日は、薬草採取だ。昨日姉貴に取って来るよう言われた」


「そうなのか、その姉貴は薬草採取に行かないのか」

「ああ、姉貴とお袋は村長とロマンヌさんと村を回るそうだ」


「マサルと昨日回ったのではないか」

「昨日は、ズンダダ森を眺めるのが目的だった」


「それだけか」

「まあ、他の人に聞かれたくない家族会議を馬車の中でやっていたな」


「そうか、馬車の中なら盗み聞き出来ないからな。それで何を話した」

「まあギャなら話してもいいか。まずカエデ製薬の社員が増えたことだな。姉貴から独立した薬師五人が社員になった。それぞれ店を持っていたので、カエデ製薬の店舗にしたそうだ。他にも経理などの事務処理の社員を数名入れたそうだ」


「貧乏貴族のやっている会社に応募が来たのか」

「当たり前だ、シルバー爵の経営する会社だぞ。社長が俺で姉貴も役員になっている。平民どころかカッパークラスの貴族からも応募が有ったんだ」


「そうか、貴族なら口が堅いから秘密の多いカエデ製薬にぴったりだな」

「まあ、貴族も平民も採用した、あくまで実力で選んだんだな」


「ただ問題が出てきた」

「なんだ」


「俺以外薬草採取が出来るものがいない」

「それは困るな、会社の存続にかかわるぞ」


「薬草採取はサメル村とズンダダ森でするからな。ボイルさん達の作業を知ることになる。よほど信用の出来る者でないと困るんだ」

「採用者が有るまでマサルがやるんだな」


「そうもいかん、取りあえず薬草畑と村の周辺での薬草採取は村人に頼むとして、ズンダダ森担当を見つけないことには俺が動けない」

「そうか、確か薬草採取には属性:光が良かったのだな」


「光なら理想だが、薬草の特徴を覚えれば誰でもできるな」

属性:光の俺とギャは触れれば薬草かどうか判別できる。

これで少なくても間違った採取はしないで済む。


「こまったな、所でサメル村には属性:光の人はいないのか」

「そうか、村長に聞いてみるか」


「村長とロマンヌさんはカエデさんと村をめぐっているぞ」

「そうだったな。後で聞きに行くとするか。それよりギャ、薬草採取に出発するぞ」

「オー」


ニトルさんと合流すると俺とギャは森に入っていく。

ギャと一緒に一日でズンダダ森に行くのはむりなので、村の周辺で採取する。


「オー、どんどん取れるぞ」

「あたりまで、何処に薬草が有るか調べてある。ギャも一緒にいたから知っているだろ」


「そうだった、あの地図が有れば誰でも採取できそうだな」

「そうかな、ニトルさん、この地図を見て採取できますか」

護衛についてきているニトルさんに聞いてみると。


「私には無理そうですね、薬草と雑草の区別が出来ません」

「そうだろうな、薬草の知識が無いと、品種もわからなければ、根を採取するのか葉っぱなのかすらわからないからな」


「困ったな」

「ああ、困った」

これ以上考えても答えは出ない。

俺とギャは夕方までとにかく薬草を採取し続けた。


採取した薬草を持って村長の家に行くと、既に村周りを終えたお袋と姉貴が戻っていた。


「姉貴、薬草取って来たぞ」

「ご苦労様、じゃあこの袋に入れておいて」

俺があげた異次元小袋を渡される。

小袋とはいえ今日採取した薬草くらいなら軽々と収納した。


「なあ姉貴、採取しながら考えてんだが、俺の代わりに薬草採取する人をどうしたらいいんだ」

「ええ、その話は村長とロマンヌさんとも馬車の中で話に上がりました」


「それでそっちでは、何かいい案が浮かんだんですか」

「村長の話では一人当てが有るそうです。この村出身の女性で今は冒険者をやっているそうです」


「確かに冒険者は薬草採取も依頼でやりますからね、それに冒険者ならズンダダ森で活動することもできる」

「そして彼女たちは四人でパーティーを組んでいるらしいのです」

「彼女たちと言うと全員女性ですか」


「そうらしいです」

「ならばその中に属性:光の人がいると尚よいですね」


「可能性はあります。属性:光は教会に所属させられます、それが嫌で冒険者になって逃げまわっている人たちがいるらしいですからね」

「マサル、あたいも逃げ回るぞ。それより立ち話は冷えてくる。中に入るぞ」

そうだった、村長の家の前で話していたんだ。


「おいギャ、自分が光みたいなことを言っては駄目だぞ」

「オー、そうだった。みんな、あたいは属性:光じゃないからな」

うん、完全にバレたな。


そこにいた、お袋と姉貴は俺とギャを交互に見つめる。

そうだろう、属性:光が二人もいるなんて珍しいからな。

だが、此処でバレたことが良かったようだ。


「マサル、近いうちに聖女がこの村にきます。ギャちゃんは明日私たちと一緒に王都に連れて行きますからね」


お袋が飛んでもないことを言い出した。

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