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39・ズンダダの森からの帰り道

翌朝、昨日と同じように夜明け前に起きる。

今日は残り物を温めるだけなので、朝食の準備には時間がかからない。

なので、小屋の回りを散歩する。

夜明け前のこの時間は空気が澄んでいて気持ちがいい。


散歩から帰ってくと、村人達は寝ているだろうからそっと小屋に入ると。


「ボイル様、どうでしたか」

「ああ、可能性が高いな」

「それでは、あの計画を進めますか」

「ああ」


ボイルさんと従者が小屋の隅で話している。

小屋に入ってきた俺に気付かなかったようだ。


聞かなかったことにして俺は調理場に入り竈に火をつけ残り物を温め始めた。


「おーいギャ、朝飯の準備だぞ、起きろー」

寝ているギャに届くよう大きめの声をだした。


「オー、マサルおはよう、あたいはまだ眠い、じゃあお休み」

「二度寝するなギャ、起きて手づだえ」


「オー、わかった」

眠そうにふらふらとギャが調理場に入ってくる。


スープが温まるころには村人たちも起きてきた。

ギャと二人でテーブルにパンとスープを並べ終えると、朝食が始まった。


「朝食が終わり次第、村に帰る準備を始めるぞ、準備が出来たらすぐに出発だ」

村人達のリーダーのニトルだ。


サメル村からズンダダ森に来るときは、村から峠まで四百メートルを登り、森まで千メートル以上下ってきた。

帰りは捕獲した猪を担いで、千メートルを登らなければならない。

出来るだけ早く出ても、サメル村に着くのは夜が更けてからだろうな。


「マサル、ちょっと試したいことが有る」

「なんだ」


「足にバフかけしてみる」

「出来るのか」


「おー、うーん うーん うーん」

どうやら目を守るために魔力を集めたように、足に魔力を集めている。


「ギャ、足だけでなく、もっと全身に魔力が染み込む感じで流し込め」

ちょっとだけアドバイスする。


「うーん、マサル。ちょっとだけ体が軽くなった気がする」

「そうか、まあ気休め程度だな、疲れたらおんぶするからすぐに言えよ」

「おー」


小屋を出発すると、すぐに上り坂なのだが、ギャは大人の歩きについてきている。

『意外とまともにバフがかかっているな』そう思う。

魔力とはエネルギーでもあり、燃えたり光ったりするが、人の生体エネルギーの後押しもする。

それによって、力や速さ、体力をサポートするみたいだ。


俺とギャは、行列の中ほどを歩いていと。


「マサル君、朝の会話聞いていたのか」

「聞こえましたけど、何のことかわかりませんでした」

此処は正直に言った方が良いだろう。


「時期にマサル君の耳にも入るだろうから、話しておこう」

「別にいいですけど」


「そう言うな、協力して欲しいんだ。それで話とは、ズンダダの森には魔獣牛が住んでいそうなんだ」

「そうですね、牛がいればズンダダ森ならかなりの確率で魔獣牛なはずですね」


「ああ、まだ理由はわからないが、ズンダダ森の魔獣率が高そうだ。それも増え続けるだけの率をクリアしているな」

「ですね、それでどうするのです」


「調査と狩りの為のベースとなる小屋をいくつか作りたいんだ」

「なるほど」


「その為の拠点をサメル村に作る必要がある」

「はいはい」


「サメル村にある、バルノタイザン家の使用人小屋を借りたい」

「はいはい・・・・・・てっ、親父に行ってください」


「そうだったな、だが、この計画が上手くいけば多くの魔獣が手に入る」

「ボイルさん、行き過ぎた環境破壊は駄目ですよ」


「ああ、もちろんだ。別に森を開発するつもりはない、必要最低限の魔獣を狩りたいだけだ」

「本当ですか、もしルンドリガンド家にバレたら無茶苦茶森を荒らしそうなんですけど」


「ああ、絶対バレないようにする」

「まあ牛なら、サメル村での何頭か飼ってますから、上手くごまかしてくださいよ」


「牛がいるのか、気づかなかった」

「食事にミルクが使われていたじゃないですか、気づいてください」

確かにロバと一緒に飼っているが、ロバと牛の区別くらいつくだろう。


「マサル、そろそろ疲れた、おんぶしろ」

ギャがお俺の服を掴んで言ってくる。


「ああいいぞ、一時間か、持った方だろう」

バフかけを長時間続けるのは慣れと技術がいる。

初めてかけて一時間はたいしたものだ、目を守るためにやってきたことが良かったんだろう。


俺はギャをおんぶして村人たちについて行く。


行きに昼飯を食べた所より、かなり手前で昼になった。


「よし、此処で昼飯にするぞ」

リーダーのニトルの合図で昼食になった。

このペースだと村に着くのは日が沈んで二時間後だな。

照明魔具が有るので夜道も安心だ。


昼からも歩きながらボイルさんが話しかけてくる。

ズンダダ森の興奮が収まらないのだろう。


ボイルさんの家で建てる小屋は、まず今日の昼めしを食べたあたりに一つ、森の入り口にあるサメル村の小屋の隣にも作り、そこから半日で行ける所に三か所くらいに小屋を建てたいそうだ。


俺はついでに王都からサメル村までの道も良くした方が良いよと言っておいたが、多少改善の余地はあるがいい道だと言われる。

そうかバルノタイザン家で整備した道はそれくらい立派だったんだな。


それからひたすら歩いたおかげで、予定通り日が暮れてから二時間後に村に着くことが出来た。

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