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30・年が明けました

「あけましておめでとうございます」

一月一日の朝、ギャと会うと新年の挨拶をする。


「マサル、あけましておめでとうございますとはどういう意味だ」

「そのままの意味だぞ、今日は一月一日、新しい年にを迎えた日だ、新しい年が明けてたらおめでたいだろ」


「そうか、お日様が出て一日が始まるのは昨日とは変わらないぞ」

「それはそうだが、ほら今日は新年を祝うために村人はみんな休みだろ」


「そうか、なら食堂に集まる暇人は毎日休んでいる、毎日が新年だな」

「そうじゃない、まあいい、ギャはおめでたくないんだな。それじゃあ俺一人で新年のごちそうを食べるからな」

俺は、異次元鞄からこの日の為に作った料理をテーブルに並べていく。


「・・・・・・マサル、おめでとう」

ギャは並んだ料理を見ると、そう挨拶した。


「飯につられたか」

「そ、そんなことない。早く食べよう」

俺とギャは新年用に用意した料理を食べ始める。


まあ特に新年用の料理はこの国には無いのだが、色取りの良いものを並べてみた。


「もぐもぐ もぐもぐ マサルいつものよりうまいぞ、これからはこれにしろ」

「無理ゆうな、その牛肉はめったに手に入らない高級品だぞ。それ以外の食材も集めるのが大変なんだ、ましてやこの村では絶対手に入らない」


「わかった。マサルが月一で買い出しに行くのだ」

「そんな時間あるか、薬師に料理人、子供に勉強を教え、兎狩りも有るんだぞ」


「そんなことは無い、薬はバイトの人達でも作れるようになった。料理も最近マサルはほとんど手伝っていない。兎も猪狩りのついでに取って来てくれる。後は子供の勉強だけだ」

「・・・まあそうかな」

確かに、俺が子供の勉強を見るために、ロマンヌさんが兎狩りを村の狩人に頼んだ。

おかげで、魔獣兎のつがいが二組で来た。

兎は年に六回は出産するし、一回に四匹から八匹生んでくれる。

血が濃くならないよう、兄弟同士はつがいにならないよう気にしていくが、半年も有れば魔獣の兎がどれくらいの割合で生まれるかわかるはずだ。


そう言えば最近兎の肉ばかりだったな。

魔獣兎でない兎は食べている。

ギャガ牛肉を食べいのは兎の肉に飽きたからかも。


そんなことを考えながら料理を食べていると。


トン トン トン


家の扉がノックされた。


「マサル様、ムサイです」

丘の上にある使用人小屋に住むバルノタイザン商会のムサイだ。

俺がバルノタイザン商会の社長の息子なので、様付で呼ばれてしまう。

さん付けにしろと言ってあるが、直してくれないでいる。


「どうぞ、鍵は開いてますよ」

村人の顔と名前はすべて覚えた頃から、朝起きると玄関扉のカギは開けている。


「いい匂いですね、出来れば分けて欲しいのですが」

「良いですけど、まさか食糧の備蓄、何もしていないのですか」


「ええ、食堂サクラに行けば昼と夕方の食事は食べられますから」

「もしかして、ムサイさん異次元鞄を持っていないのですか」


「持っていないですね。ブロンズクラスの貴族では持てないですよ」

「会社に買ってもらわないのですか」


「一応申請したんだが、何でも王都でも異次元鞄の供給が少なくてバルノタイザン商会でも新規で買うのが難しいそうです」

「そうなのですか」


「なあマサル。兎の革で異次元鞄は作れないのか」

「うーんどうかな、牛や馬に革に比べて弱いから難しいんじゃないかな。だが試す価値は有るかもしれないな、魔獣兎が繁殖したら作ってみるか」


「マサル様、隣で狩っている兎は魔獣なのですね。てっきり食堂の肉用かと思っていました。それに異次元鞄の魔方式を付与できる人がいるのですね」

「『・・・禁則事項です』なんだが、村長の家に爺が出来るし、ダンさんも爺から教わっている」


「それは国への報告が必要なことです、隠していたら怒られますよ」

「だから『禁則事項』なんだよ。だいたいサメル村には、バルノタイザン商会のロバの受け取りと、魔獣の素材を取りに来る業者しか来ないじゃないか、爺とダンが異次元鞄の魔法付与が出来るのを知っているのは、村長とロマンヌさんと俺だけだ、まずバレることは無い。


「私が知ってしまいました」

「・・・・・・ばらした殺す。わけは無いが、黙っていてくれ。それこそ魔獣兎の革でも異次元鞄が作れれば、バルノタイザン商会のもうけになる」


「そうですね、もぐもぐ」

俺との話より料理を食べることにムサイは集中してきた。


「マサル、この調子だとムサイは食堂の始まるまで毎日来るのか」

「そのようだな、食堂は四日からだから三日の辛抱だな」


「もぐもぐ、マサル様、助かりました」

「ムサイさん、食べながらしゃべるのはやめてくれ、ギャだけでたくさんだ」


「もぐもぐ、そうだぞ、食べならが喋っていいのはギャだけだ。もぐもぐ」

「二人もいい加減にしろ。もぐもぐ」


「もぐもぐ、マサルも食べながらしゃべっている、もぐもぐ」


「「「もぐもぐ もぐもぐ」」

三人は食べることに集中することのした。


そして食堂始まる四日の朝。


「「「「「「「おはようございます。今年もよろしくお願いします」」」」」」


薬屋に努める、カル マイと新人のジュンとネネ。食堂に努める、ケント サイラ メイと新人のミネが並んで挨拶をする。


「ああ、よろしく頼む」

言葉は偉そうだが謙虚に挨拶を返す。

何といっても俺より年下なのはカルとサイラの二人だけだ。

二人はギャに友達がいないので、友達に慣れそう人をロマンヌさんに頼んだからだ。


料理人のケントとおばさんバイトのメリさんは料理の下ごしらえを始める。

残りのカル マイ ジュンとネネは薬屋の掃除を、サイラとミネ、そしてギャは食堂の掃除を始めた。


さて、俺は何をしようかな。

取りあえず、薬屋の中にある作業室に入り、作り置きの薬を作ることにした。

誤字報告ありがとうございます。訂正しました。

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