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14・雨の日です

「マサル、雨だよ」

朝起きると雨が降っている。それもかなり強そうだ。


「そうだな、休日だし一日寝るか」

今日は日曜日、村人みんなが休む日だ。


「わかった、掃除の子供も来ない寝よう」

俺とギャが二度寝しようとすると。


トン トン トン


小屋の戸がノックされる。


「どちら様ですか」


「はい、爺です」


ロマンヌと一緒に旅をしていた爺だった。


「どうぞお入りください」

爺に使用人小屋に入ってもらう。

雨の中を来たのだが、コートを脱ぐとあまり濡れていない。


「これですか、魔獣の毛皮のコートです」

魔獣の取れる村だけのことはある、王都では貴族の着るものだ。


「それで、この大雨の中、何のために来られたのですか」

「ええ、この雨ならお嬢様も来ないと思いまして、マサル様に確認とお話したいことがあります」


「様を付けなくてもいいんだけどね、マサルと呼んでくれ」

「いえ、この村の管理貴族である、バルノタイザン家のご子息様を呼び捨てになどできません」


「マサルバレてるよ」

「そうみたいだねギャ」


「マサル様とお会いしたのは、もう十年以上前です。大きくなられましたな」

「そうですか、申し訳ないのですが、あなたのこと覚えていないのですけど」


「そうでしょう、一度しかお会いしておりませんから」

「それで、要件とは」


「ええ、お嬢様は魔獣の素材がすり替えらのに、バルノタイザン家が何もしてくれないと怒っていますが、マサル様はそのためにいらっしゃたのではないかと思いまして」

「うーん、そこまで詳しく説明されていないけどね。とにかく行って来いと。でも親父も上の兄も動いているんじゃないかな。特に上の兄は官僚だからね」


「上の兄というとタカシ様ですね。確か大蔵省にお勤めと聞いております。そうですか、魔獣の素材は国の管理下に置かれております。素材を扱えるのはこの国で二つの貴族と、国の直接管理に置かれるサメル村だけ。タカシ様なら何かわかるかもしれませんね」

「それに親父はサメル村の魔獣の素材にはタッチしていないことになっているだろ。だからバルノタイザン家としては動けないからね。俺が村に行けば巻き込まれると考えたんだろうな」


「巻き込まれましたね」

「えっ、爺も人が悪いな、あの宿で俺を見つけて声をかけたんだろ」


「バレましたか」

「だって、腰が痛いわりに元気そうだったからね」


「そうでしたか、それでマサル様、今まで村にいて気づいたことはありましたか」

「そうだな、村に裏切り者はいない、かな」


「はい、それはお嬢様も調べて有ります」

「そうすると爺はだれが犯人だと思う」


「わかりません、魔獣の素材を奪うことは国に対する反逆です。そのようなもの思い当たりません」

「俺もだよ」


「ねえマサル、話が見えない説明してよ」

「わかった、爺、こいつは俺の奴隷で話しても誰もしゃべれないからな安心してくれ」


爺にギャに話しても大丈夫なことを説明し、ギャに魔獣の素材のことを話し始めた。


まずは魔獣についてだ。


魔獣とは体に魔力を取り込んで生きている。

魔力を取り込んだからと言って、特にほかの獣より強いわけではないが、素材が魔力を通すので魔具にすることができる。


ギャの履いている靴や、爺が雨の中着てきたコートだ。

書き込む魔法式によって機能は変わるが、靴やコートは防具や暖房具にすることができる。

魔具にしなくても、軽くて柔らかく丈夫で蒸れないので、高級品に使われる。魔具にすれば剣はおろか獣の牙でも爪でも防ぐことができ、暖かくもなる。


「ねえマサル、この靴暖かくないよ」

「魔力を流すんだ。ギャなら魔力操作で魔力を入れらるだろ」


「わかった、やってみる。おっ、暖かくなった」

「暖かくならない程度に魔力を入れていれば、革が強化されて防具になる、なっ便利だろ」


見た目がただの獣と同じ魔獣は見分けるのはとても難しい。

それこそ、魚泥棒の野良猫が魔獣だったりする。


魔獣はただの獣に混じって生まれるが、その割合は極めて少ない、その上判別できる人間が少ないので、ただの獣として処理されることも多く、希少な存在だ。


「マサル様は魔獣の区別がつくのでしょうか」

「いや、実際に生きた魔獣は見たことは無い。魔方式を付与されていればわかるんだがな」


「さようでございますか。この村人は見慣れたせいか、割と正確に判断しております」

「すごいな」


「ええ、判断が出来る者は属性:水の物に多く現れていますが、まあ何となくそうかな程度の判断ですな」

「属性:水か、あれは植物や動物を育てるのに向いているんだったな。ロバを育てているサロメ村には属性:水は戦力になる」


「マサル様は水でございますか」

「いや、魔力判定機の光が弱すぎて判別できないので無になっている」


生きている魔獣の判別は無理だ、素材だと何となくわかるのは、小さい時から触れてきたか、属性が光のせいかもしれない。


「マサル、魔獣の素材が貴重なのだろ、高額で取引できるなら貧乏貴族なのはおかしくないか」

「そうだったな、そのことも話しておくか」


ギャにはバルノタイザン家がシルバークラスに落ちた訳を話すことにした。

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