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107・教頭が来ました

パカパカパカ パカパカパカ

朝、俺とギャはロバに乗っている。


「今日から学校だな」

「ああ後期が始まる」


「昨日の夜帰ってきたばかりだな」

「ああ、眠い」


「おかしいぞ、今回は荷馬車の旅だ、マサルは寝ていたぞ」

「そうだったな」

荷馬車で寝るのとベッドで寝るのは違うぞ。

何処でもいつでも寝れるギャはすごい。


王国に二十の支店を作るうち期間休み中に七店の契約が終わった。

後十三店だ。


だが、サメル村の薬草採取量では二十の店に十分な薬草を渡せるのだろうか。

異次元小袋が有るから、何時でも新鮮な薬草が使える。

取れるときに取っておいて在庫にしておいても問題ない。

それでも足りないはずだ。


薬師学校に着くと、いつも通り一度用務員室によって職員室にいく。

朝の職員会議に出席するためだ。


「おはようございます」

うん、今日も一番乗りだ、部屋に他の教師はいない。


「おはようございます」

「おはよう、ヤヨさん」

次に来るのは、たいていヤヨさんだ。


次にカスミさんとキョウカさんが来て、最後がメリッサさんだ。


そして最後に校長が入ってくる。

いつも校長は挨拶だけしてすぐに校長室に戻るのだが。


「今日から、教頭としてくるガゼル:ヴィクトリアだ」

「よろしく」

予定通り後期から教頭が来てくれた。


校長の顔がすぐれないのは、ダンブロア家の派閥に入っていない貴族だからだろう。

反ダンブロアのガゼルさんが教頭になれたと言うことは、ヴィクトリア家の力が強いか、薬を管轄する厚労省に顔がきくかだな。


校長はガゼルさんを紹介すると校長室に戻ってしまった。


「なあ、いつもああなのか」

「はい、挨拶だけで校長室に戻りますね」


「そうか、そうすると誰がまとめているのかね」

「えっと、ヤヨさんです」

誰も返事をしないので俺が答える。

実際は俺とヤヨさんで話を進めているが、俺は用務員だからまとめ役はヤヨさんにしておいた。


「私がヤヨです。よろしくお願いします」

「そうか、では会議を進めてくれ」

そう言って、ガゼルさんは新しい机に座る。

教頭の机だな。


職員会議が終われと俺とメリッサさんは二年へ、ヤヨさん達は一年の教室に向かった。

教頭はどうするかと思ったら。

俺の後を付いてきた。


「おはよう」

「「「「「おはようございます」」」」」

挨拶の後、生徒に教頭を紹介する。

紹介の終わった教頭は教室の後ろの席に座った。

このまま授業を続けろと言うことだな。


「今日から後期が始まる。後期は前にも言ったが薬師としての経営を教えるが、薬作りでわからないことの質問にも応じる。とにかく残り半年で、一人前の薬師になってもらうからな」

「「「「「はい」」」」」


「それと、薬師資格の試験も学校でおこなう。これは国で行く試験に準じているが、今のお前たちの学力で十分合格点を取れるから安心しろ」

「「「「「はい」」」」」


「とは言ったが、きちんと復習しておけよ」

「「「「「はい」」」」」


「先生」

「何だ、ウルキダ」


「薬師の国家試験には実技も有ると聞いていますが、学校の試験にも有るのですか」

「いや、授業での薬作りが出来ていれば免除になる。これもおまえたちは既に出来ているな」


「はい」

ウルキダを始め、五人の生徒は薬師に必要な最低限の薬は作れる。

後は、病人や怪我人に合わせた調合を覚えるのだが、これは経験で覚えるしかない。


「では、薬師の経営の教科書を配る」

これは姉貴に作ってもらった。

なにせ、この学校、まともな教科書が無かった。


今日は後期初日でもあり、後期のカリキュラムの説明で終わる。

「では、今日の授業は此処まで」

「「「「「ありがとうございました」」」」」


そして放課後の職員会議。


「今日一日、授業を見させてもらった」

開始早々教頭が話始める。

俺の授業だけでなく一年の授業も見ている。


「今日はまだ本格的な授業では無かったが、生徒が良く集中していた。君たちが生徒に信頼されているからだな」

おお、褒められた。


「細かなことは、これからおいおい詰めていく」

だろうな、初日ですべてわかるはずがない。


「教頭、質問良いですか」

「なんだ」


「薬師の経営の授業なんですが、教頭にお願いすることは出来ませんか」

「そうだな、悪いが儂は薬師ではあるが、厚労省の官僚なんだ。経営を教えるのは無理バルノタイザン家のカエデ嬢が来ることになっている」

来るかもしれないとは思っていたが、姉貴来るんだ。


それと、厚労省の役人ではなく高位な立場の官僚。

まあ貴族なら、普通の役人ではなく官僚になる。

どえらい人が来たものだ。


「それでマサル君、君はカエデ嬢の弟だったな」

「・・・はい。あの一応内緒なんですけど」


「これからは内緒にしなくていいからな。バルノタイザン家の三男としてきちんと名乗ってくれ」

「はい」

うーん、姉貴の他にも官僚のタカシ兄さんも動いているのかな。

タカシ兄さん、知り合いが厚労省にもいるって言っていたからな。



「それからマサル君、明日からは用務員室ではなく職員室を使うように」

「はい」

何でだろうな。


「情勢ばかりの部屋は居辛いからな」

うん、気持ちはわかる。


こうして俺は用務員から教師に格上げとなった。

どっちにしても給料を学校から貰えないことは一緒だけどね。

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