66話
バイト先に、父親がやって来た
そして、
「今度こそ、本当に離婚しようと思う。」
どうやら今回は覚悟を決めたらしい。
冬華は俺が居ないと無表情のままになっているらしい。
ただこの離婚の話をした時にまた自殺すると言い出したようだが、今度は他の人と連携して話を進めることにした。きっと父親もこの数ヶ月で冬華に自殺する度胸が無いことも分かっているのだろう。
その後本当に離婚は進んだ。
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その後父親は真剣に俺に謝った。
もはや自分にとって許すとか許せない等の考えは出来ず、ただこれからは父親に自分の都合の良いように動いて欲しいと願った。
流石にあの思い出の家から離れるのは少し辛さはあったが、あの家族と一緒よりはマシなのでマンションに引っ越すことになった。
ベッドは真っ先に引っ越し業者に頼み持って来て貰った。
これから父親はまたほぼ家に帰って来なくなるらしい。
父親はベッドを見ながら言った。
「俺は、ずっと間違い続けた。せめてもの償いとしてこの家には最低限しか帰らないようにする。」
俺の一人暮らし(家)が始まった。
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ご近所様に挨拶に周る。
インターホンを鳴らす。
「はーい!」
「今日からご近所に引っ越して来た・・・ 」
「なんで、アンタがここに居るのよ!」
「隣に来たから引っ越しの挨拶に」
後輩の女子の早野 弓菜
「最悪なんだけどぉ」
俺のセリフだ。
前に月宮(春香)に言われて、学校の体育館に行くと豆富がやって来て告白をされた。俺は振ったのだが、その後、彼女ではなく俺が告白して、振られた腹いせに暴れたという噂がすぐに広まった。理由はこの月宮姉妹が協力したせいだ。姉の方は真実を知らなかったようだが、妹の方が全力で嘘をばら撒いた。
そして学校で問題になったが早野自身が許すと言ったようで解決した。
この時に俺がしっかり月宮に怒っていれば雪が傷つけられなくてすんだから、知らないと考えると胸が痛む。
「転校したのに、また会うなんて・・・やっぱりストーカーなんだ。」
苗字が豆富に変わっている。
「ストーカーね・・・月宮・・・春香なら一度捕まってる。俺のことストーカーと言い張るのは気をつけた方がいいよ。」
「何その言い方?先輩のくせに生意気なんですけど。」
「じゃあ、これ要らないね。」
「・・・要るわよ」
そう言ってパシッと取った。
辛い生活になりそうだ。
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寮暮らしな俺は嫌われている。
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