38話
俺が中学生になったころ、春香は俺を嫌いになっていた。
俺は春香のことを大切に思っていたが、それが余計だったのかもしれない。
「クソ兄!」
クソ兄と一時期呼ばれていた。高校になった時はお兄ちゃん呼びに戻ったが、結局関係はほぼ同じ。
「どうしたの?春香」
「プリン勝手に食べたでしょ」
「食べてないけど」
食べてない、2年ほど
「嘘つき!」
「ホントだって、春香だって、俺がプリン食べないの知ってるでしょ」
好きだけど、春香が好きだからいつも俺は食べてない。
「嘘だ、嘘!」
凄い、決めつけだ。
「他の人が間違えて食べたんじゃないの?」
「お姉ちゃんやお母さんがするわけない」
お父さんは最近家に居ないからない。
「、、、そうだね」
正直冬華は食べそう。
「とりあえず一度確認取ろう」
「嫌だ、今食べたい!買ってきて!」
妹はプリンを食べたく仕方ないようだ。
「わかった。とりあえず買ってくるね」
「はやく行ってきて!!」
俺は買いに行った。
ーーーーー
俺はその日プリンを2つ買ってこっそり帰宅した。
もしこの後プリンをあげても、春香が、誰が勝手に食べたの!って怒ると大変だから、もし万が一の時に、冷蔵庫にこっそりもう一つ隠しておくことにした。
「お兄ちゃんって馬鹿だよね」
「ほんとよね」
「ちょっとからかい過ぎるはよくないよ」
どうやら、家族みんなは帰ってきてるようだ。
「プリンなんて、初めから無かったのにね」
「春香ったら、プリン食べたいからってゆうに買いに行かせたのね」
「ゆうくん、可哀想だよ」
「すぐにこうやって、信じるから学校でも友達居ないんだよ」
「春香!、、、それ言えてる」
「ゆうくん、友達出来るといいね」
正直、こんなことだろうとは思っていた。
【母さんは、こんな体になってることを、ゆうに隠してたけど、、、お父さんを、、、家族を信じて大切にしてあげてね。】
ただやっぱり家族を信じて大切にしたい。
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