33話
今店長と、ゆっくり話をしている。
「ゆう、体育祭どうだった?」
「基本的、体育祭実行委員で休んでいました。」
「また、玉入れという名の無だったんだな。」
「本ばかり読んでました。」
「そっか、まぁゆうが楽しそうならいいか」
「はい!」
「文化祭とか他に協力しないといけないのは、神経や精神減らしながら文句や理不尽に耐えて頑張っているからな」
俺は何度かその時期は休ませて貰った。
クラスで強制俺だけ居残りとかあったから。
店長は去年の俺の苦労を覚えてくれていた。
「文化祭とかと違って体育祭は一人くらいサボってもとくに変わらないからな、頑張れる時に頑張ってるから、俺はお前が偉いと思うぞ。」
「ありがとうございます。」
全く、体育祭は頑張っていなかったし、競技にもほぼ参加もしてないかったが、非常にいい思い出になった。
ーーーーーーーーーーーーー
春香の体育祭。
「やっぱり、お兄ちゃんは今年は来てくれなかったな」
毎回、応援に来ていた。
私にとって、体育祭だけは、お姉ちゃんにも負けないアドバンテージだった。
自分の体育祭、つまりお姉ちゃんとの体育祭はクラス行動を避け、自分の世界に入りきってしまうが、私の場合は違う。
全力で応援をしてくれた。
でも、いつも最前列にいるお兄ちゃんの姿がない。
むしろ場所を取り遅れたのか、後ろの方でお姉ちゃんとお母さんは応援している。
お兄ちゃんに応援されない体育祭なんかすごくどうでもよかった。
お兄ちゃんもこんな気持ちだったのかな?
中学校の頃はお父さん以外誰もお兄ちゃんを応援しようとしなかった。
お母さんも私達を見るので必死だった。
高校になると、誰一人として応援されなかったのだろう。
こんなにも、応援されないって辛いんだ。
お兄ちゃんを思い出す度、顔の痛みを思い出す。
でも、この痛みは自業自得だ。きっとお兄ちゃんはもっと痛いんだ。
私が、責任持って癒さないと。
「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!」