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24話

 昔、私はクラスに友達が居なかった。読書ばっかりで、誰かと話そうとすると緊張してしまう。

 

 私は教科書を忘れてしまった。

 よりによって、音読をする日だった。しかも、忘れたら怒ってくる先生だ。


 普通の人なら誰かに貸してと言えば解決する問題、だが自分には解決出来ない大問題だった。


 結局授業開始まで、誰にも借りることが出来なかった。気分が落ちていると、机に教科書が置いてあった。紙が挟まっている。


 これ使って、大丈夫俺は何回も教科書盗まれてるから。


 私は隣のゆうくんを見ると、ドヤ顔している彼がいた。

 

 そして、音読が終わると、次のページにもう一つ手紙が入ってた。


 読書の好きな人リスト


 クラスメイトの名前が書いてある。そして、本を普段どれくらい読んでいるかや、読んでいる本の種類が書いてあった。「狙い目!本について語りたい女子」と大きく書いてもあった。

 私はその手紙を受け取り、最後に

 

 ありがとう


 と書いた紙を挟んで、


 ゆうくんに教科書を返した。



 それから、私はたまに教科書を忘れてはゆうくんに借りていた。

 席替えをするまでは。



 私にも友達が出来て、段々と友達ネットワークは広がり、冬華ちゃんとも仲良くなれた。だけど、ゆうくんへのイタズラ、、、虐めの話が出て来た。最初はゆうくんが脱いだ服のポケットにゴミを入れる、あまりにもしょうもないイタズラが流行っていて、私も空気的にやらざるをえなかった。


 それから、他にもイタズラは続き、同時に私もクラスでカーストが上がっていて、冬華とは良く話す友達になっていた。


 ストラップを無くしたゆうの動画を見た時、私はゆうがいる前で、大爆笑をしていた。


 そして、ゆうに話しかけた。


「ねぇ、ゆうくん、冬に動画見せて貰ったんだけど、このキャラクター好きなんだね、可愛いじゃん」

 

 私はストラップのことを調べてあったので、その画像を見せる。


「わかるの?あの良さ!」

 

  思えば、これが初めてのゆうとの会話だった。


「えっ、とごめんやっぱり、少しわかんないかな」

 私は思いも寄らない、ゆうの言葉にビックリした。


 「ごめんね、ゆうくん」

思わず小さい声で、本音が出た。



本当にストラップが大切で好きなんだ。

 私の本のように。



 冬華達の所に戻ると、

「冬華、あいつキモかった。」


 私はとっくにクラスメイトに毒されていた。


ーーーーーーーーー


「冬華、どういうことなの?今更ゆうに謝ろうなんて。」


「私は今までゆうに酷いことをしてしまったことに気づいたの。だから謝らないといけないお姉ちゃんとして。」


 そんなの、今更じゃん。


 私はクラスメイトと一緒に謝った。


 「わかった」


冬華の返事にゆうは答えていた。


 

家に帰ると、私はゆうとこれから、仲良く出来ることが楽しみで仕方なかった。ゆうに貰った手紙達は今でも大切にとってある。


 

 本当は、ずっとゆうと仲良くしていたかった。

 ゆうのおかげなんだ。友達が出来たのも、学校が楽しいのはゆうのおかげなんだ。

 

 もしも、出来たら、、、ゆうくんは最近よく図書館に行ってると聞く。一緒に色んな本を読んで語って、もっといい関係に。




 そんなことには一切ならなかった。

 

 むしろ悪化している。

(後になって気がつくが、それはそうだと思った。あんな冬華にただ流されるような謝罪で許せる訳がない。)


 私はついに思い切ってゆうくんに話しかけたが、無視されてしまった。その時気付いた、私は好きな人に酷いことをし過ぎた。

 

 

 

 



 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 以前の話の、冬の話聞いて、恩を仇で返したのねと感じたのはこの子か? [一言] 今朝、早く目覚めたので、貯めてた7話から24話まで一気読み携帯でして、今、記入はPCですが、全体の感想は後…
[気になる点] もうなんというかもう学校全体がヤバすぎる… 主人公が置かれてた現状もそうだけど教師は何してるんだ! よく主人公は自○せずに生きてるなぁって思うレベルで酷すぎる。 …これ主人公って報われ…
[一言] 前に出てきた『主人公に言い返されて消えた男』もだけど、この女も『私間違えちゃった』だけで消えるのかな(´・ω・`)? この新キャラがどう動くのかかな┐(-。-;)┌
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