22話
俺はバイトが終わって、ゆっくりいつも通り公園に向かった。
偶然じゃないよな。
「春香、どうしてここに?」
「お兄ちゃんが学校終わってからずっと付けてた。バイトが終わるまで待ってた。」
姉妹だな。
「で、何しにここに?」
「家に帰って、来て欲しくて」
どっか行け、家から出ていけ、数々の妹の家から出ろ発言を思い出す。
「前も言ったけど、帰らないといけない時は帰る。」
実際高山の時は帰ったし
「お兄ちゃん、私はもっとお兄ちゃん」
やめろその、被害者の顔するのは、
「とりあえず、金返せ。」
「これ、」
春香の手には5万ある
「これ、どこから?」
妹は中学生だし、盗む頻度からある程度金の使用頻度を把握している。当然この金額あるわけない。
「貯めていた分と、私の私物をお母さんに頼んで売って貰った」
「なるほどね、でもこれ全く足りてないんだけど」
50万、バイト代のほとんどだ。
「これから先も、返し続けるので許して下さい。」
「春香、俺はもう許す気は無い。俺自身が心の底からもう家族で居たくないって思ってる。」
「お兄ちゃん」
とても悲しそうに、その呼び方をする。
「お兄ちゃん、か。俺が兄でいて欲しくないって散々言ったろ。もう兄呼びもしなくていいよ。」
「お兄ちゃん呼び以外でお兄ちゃんって呼ばない。決めたの!」
「そっか、」
俺は嫌だけどな。
「春香、そろそろ帰れよ。」
春香は、もじもじしている。忙しいなら帰れよ。
何か覚悟を決めた顔をした。
「お兄ちゃん、私ね。本当はね」
春香はゆうの顔に迫ったが、とても力の入った一撃が春香に入った。
「いたいよ。」
俺はキスをする勢いで、近づく春香を防ぐためとはいえ、今までの春香への悲しみ、怒りが思わず入ってしまっていた。
「ごめん、」
「、、、」
春香は顔を抑えて泣きながら、帰る方角に走った。
そんな春香を見て、
昔に、嘘コクされた側なのに、
【あんた、女の子に対してキモすぎる。】
理不尽に叩かれたことを思い出す。
それ以外の時も平気で叩かれたけど、
叩くのはやり過ぎたな、謝ろう。
手を見て、自分の感情が抑えられないことを実感した。
そして、スッキリしている自分を感じた。
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