幕間3
死にたい
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい一緒に死にたい死にたい死にたい死にたいなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで奪うのなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい
なんで死ねないの
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「おぅふ…。」
手に取った本――正直、本と呼べたものではない本擬なのだけれど、『つぐみんに怒られるなのよ!』と、ニカが家を飛び出していった後、彼女が読んでたその本擬きを片そうと机の棚に隙間を作っていた時だった。
ふと気になって、そこに並べられていた、本擬きにすらなれなかった私の輝かしい日々の記録の中の一つをひょいと摘まんだのは、好奇心…というよりも、懐古という方がしっくりくるかもしれない。
今手に取ったやつは、そんな私の日記たちの中でも下の下、お蔵入り中のお蔵入り。
開いたのは、それこそ半世紀ぶりなんじゃないかってレベルの代物だった。
とにかく、『魔がさした』と形容されるような何とも表現しづらい感情が私の脳髄を駆け巡り、挙句の果てにと、そのページをパラパラと捲らせたんだと思う。
読む、という速度ではなく、内容がぎりぎり分かるような、そんな速度でパラパラと。
つまりは、本屋さんで参考書を選ぶ時に軽く中身を吟味するような、そんな速度で紙を親指ではじいていたら、とあるページが目に留まったのだった。
まあ、当たり前か。
小説と呼ぶのは烏滸がましい、夏休みの絵日記のような文章が書かれたページたちの中に、ここだけ同じ文字がぎっしりと書かれてるんだから、それも手書きで。
そんなの、否が応でも目に留まるに決まってる。
そして、そのページで手が止まるのも、そのページを見て声にならない声が喉の奥から漏れ出るのも――致し方ない、と…思う。
「…。あー、まだこんなところに残ってたのね。全部処分したつもりだったけど…。」
まあ、何十枚何百枚と似たようなの書いてたから仕方ない…のかな。
いやでも、確か全部まとめて高一の春に処分したはずなんだけど…。
思わず天井を見上げてしまう、なんだか眩暈までしてきた。
一気にやる気と元気を根こそぎ奪われた私は、本と―――そしてそれが置いてあったロッキングチェアを元に戻す作業をすっかり諦め、さっきのニカと同じように椅子に揺られながら、吐き出し窓から入る西日を全身いっぱいに受けることにする。
そんな私の手には、ニカに読ませてない方の、黒歴史がみっちりと詰まった方の本がいつの間にか居座っていて、ロッキングチェアにすっかりとダレてしまった私は、それを再びそっと覗くぐらいしか選択肢がないのだった。
ほら、もしかしたら、私の見間違いかもしれないし――。
「…。…はぁ。」
―――な訳ないか。
何度それを覗いても、中学時代の私の激情が、「Dear Diary(黒)」と私の字で表表紙にでかでかと書かれたルーズリーフたちの中の一枚に、呪詛の如く書きなぐられていた。
…。
えっと、ひとつ!
せめて一つだけ言わせてほしい。
何度ページを開きなおそうと、そこに書かれた文章は変わってないし、過去は決して変えられないんだけど、でも!
その黒歴史に言い訳を挟むくらいは許されると思うのよ。
そう、だからまず!
まず、この恥ずかしい文字列についてだけど――。
もう少し若ければ、見ただけで地面にごろごろとのたうち回ってそうな文字列についてなんだけど、これは、えーっと、仕方ないのよ。
だってほら、そもそも当時は文字通り中学生真っ只中だったし?
それにあんなことがあったんだから精神的に不安定だったのよ。
そうよ、全部ニカのせい。
今だって、全体重を預けてるロッキングチェアからまだ立ち上がれないのは、この黒歴史の恥ずかしさに耐えられないからってだけじゃなくて、当時の私の感情――あのタールが床から天井まで塗りたくられた真っ黒い部屋で、私もそのねばつく何かを全身に塗りたくりながら必死にそこに閉じこもっていた、あの感情が――、あのトラウマがフラッシュバックしたというのが、半分以上なのだから。
そして、もう一つ。
あのね、本当にヤバい精神状態の時って、語彙が死ぬのよ。
自分が死ねない代わりに、語彙が死ぬの。
恨みつらみを書き綴ったような、まだ文章として読めるような言葉を書き連ねたやつは、私に言わせればまだまだ全然よ。
『なんだか私、悲劇のヒロインみたい』とかなんとか、自分の境遇を儚んで悦に浸ってるだけなのよ。
そんな自己陶酔に浸る余裕すらなくなるとね、…こう、なるのよ。
周りに当たるわけにもいかず、いい子であり続けたかった私は、あの昏い感情をおくびにも出すわけにいかず――。
溜めに溜まったストレスは、こうやってルーズリーフにありのままで書き殴るしかなかったってわけ。
当時の私が、ギリギリ中学生をやれてたのは――今こうして生きてるのは、きっとこれのおかげなのよ。
『死にたい』って気持ちを紙に書き殴って発散できたおかげ。
…まあ、年が明けて、中学生も後少しって頃には、いい子なんてやめてたから、これは夏ごろの一番しんどかった時のね。
いい子にしてても、いい事なんてないって気づくのはもう少し後、『人生は公平ではない。そのことに慣れよう』って、ビルゲイツのあの有名な言葉に出会ったとき。
いい子をやめたのもその時よ。
そのおかげか、すこしだけ楽になったわ。
――とは言っても、ほんの少し息が吸えるようになったって、ただそれだけだったけど。
おほん。
とにかく――、とにかくよ。
これは、私が私であるために必要不可欠な儀式であったわけであって、たとえ黒歴史と言われようと――恥ずかしいと言われようと、胸を張るべき私の歴史なのよ。
…。
……。
…ニカに、見られなくて良かったわ。
そもそもこっちは見せるつもりのない方なんだけど、ニカに見せるにあたって、どうでもいい日常を間引いたものなんだけど。
――でもおかしいのよね。
これだけは、この黒歴史だけは確かに全部処分した気が――。
「あー…、そういえば一枚だけ取っておいた記憶がないでもないでも、ないでも、ないわ…。」
今となってはおぼろげな記憶――いや、そんな生ぬるいものではなく、霞をつかむような記憶のサルベージにより、なんとか当時の私の行動をトレースしてみる。
一体なんのつもりで、この一枚を私はとっておいたのだろうか。
記念のつもりだったのか、戒めのつもりだったのか――。
はぁ…おそらく後者なんだろうとは思うけど、どちらにせよ憂鬱にはかわりない。
こんなのが残ってた時点で恥ずかしいし、こんなのを書いてたのはやっぱり恥ずかしい。
そして何より――今でも心が痛い。
もうずっと前のことなのに、思い出すとやっぱり心の臓から全身へと冷えが広がって、身が固くなる。
記憶はいつか思い出に変わると言うけれど、こんなに鮮明に覚え続けている記憶は、おそらくいつまでも思い出に変わることなんて無い。
あの小学3年生の時からずっと、嫌な記憶ってのは纏わりついて、私を離さないのよ。
――ほんと、ニカに見られなくて良かった、何かの間違いで見せる方に入らなくてよかった。
こんな私を知られたくなんてないし、見られたくないもの。
あの子の前では、最後までカッコいい私でいたいわ。
「――さて、と。じゃあ、片づけましょう。」
パンッ!――と本を閉じ、同時に自分に活を入れて、本を元の棚に戻そうと立ち上がる。
黒歴史集の中のキングオブ黒歴史のページは…悩んだけどそのままにして棚にそっと戻す。
これも私、今の私があるのも、きっとこの私のおかげのはずだから―――。
じゃあ、こっちも片づけちゃいましょう。
ニカに引っ張り出されたロッキングチェアも、うんしょと持ち上げ、隣の部屋の定位置へ。
ふぅ、これで元通りね。
私の気持ちは――まあ、元通りじゃないけど、元通りになんて出来ないけど、仕方ないのよ。
心はそう簡単に割り切れないんだもの。
現に、この本の中では元気に振る舞ってる私だけど、あの昏い感情を書いてないってだけで、ずっと今までこの辛さを――悲しみを、傍らに感じながら生きてきたんだから。
つまり今日は、この懐かしい黒歴史一枚を見つけたせいで、いつもより鮮明にあのトラウマがよみがえって――フラッシュバックして、私の時間をいつもより長く奪ったってだけ。
そうよ、いつもの事なのよ。
むしろ、あんな状態だった私を、今まで元気に生活できるようにしてくれた親友たちに感謝って事。
それでも時折、鬱の帳が私を厚く覆うけれど、その事実だけは決して変わらないのよ。
よし、じゃあ出かける準備を――は、ちょっと時間的に早いわね、まだ三時半だし。
マキちゃんと飲みに行く約束は六時…。
うーん、マキちゃんが迎えに来てくれるまで手持無沙汰ね。
限られた時間は、有効に使いたいんだけど――、あ!
じゃあ、今のうちに少しずつ仕上げてしまおう。
ほんとは、最後まで完成させるつもりなんてなかったんだけど――。
誰にも見せないまま、墓までもっていくつもりだったんだけど――。
ニカが思いのほか喜んで読んでくれたから、だから最後まで書き切ろう。
どうやっても書けなかったあの日を書いて、ちゃんと終わらせよう。
心が痛くても、体が冷え固まっても、それでも、これを完成させることが、私の最後の仕事な気がするから。
目を瞑り、大きく一度深呼吸を挟んでから、私は先ほど仕舞った本を再び手に取り、ロッキングチェアの上で本の内容の確認をし始めるのだった。
―続
お疲れ様でした。
少し投稿が遅れて申し訳ない。
つぐみちゃん同様、私も生きてるし、生活もある。
…という事で、今後も少し遅れたとしても、ご勘弁くださると助かります。
次回は…マキちゃんとの出会い編かな、たぶんですが。
では最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。
次回もお待ちしています。
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