第二十四話 魔法少女回想します
私はつぐみ。星河つぐみ。
パートナーと呼べるマスコットは未だに見つかってないけど、一応魔法少女よ。
というか別に、マスコットは魔法少女の絶対条件じゃなくない?
だから、いなくても問題はないんだけど、どうせだったら可愛い子が現れて欲しかったわ。
そう、モコナみたいな。
…。
え?
モコナはそんな立ち位置じゃないだろうって?
…もう、細かいわね。
そんなの私もわかってるわよ。
でも好きなんだからしょうがないでしょ?
夢見るくらい良いじゃない、現実には何もいないんだから、ねぇ?
――あ。
どうでもいいことだけど、ふと思いついたから一応補足しておきましょうか。
何のことかっていうと…えーと。
私が魔法少女に詳しい理由よ。
それは――、ね。
…。
って、そんなもったいぶることでもないか。
ただ単に、お母さんの影響ってだけよ。
お母さんが、かなりのサブカル好きなのよ。
だから、お母さんが集めた漫画やラノベを小さい頃から読んで育ったってわけ。
特に小学三年から中学二年の間は、ずっと読んでた気がするわ。
他にすることもなかったし――。
他のことする気も起きなかったし――。
…あー、おほん。
えーと要するに、詳しいのは魔法少女だけじゃないってことね。
お母さんの性分は今も変わってないから、私も変わらずそのご相伴に預からせてもらってるわ。
それにしても、――今思うと、たけど。
私とお母さんが一番辛かったあの時期に、逃げこめる場所――というか現実逃避できる物、があったのは幸運だったかもしれないわね。
私にも、お母さんにも。
――って、あぁ、ごめんごめん。
またしんみりとした話題しちゃったわね。
話を戻しましょう。
えっと、マスコットの話だったわよね、うん。
マスコットは依然として現れてはくれないんだけど、実はこの私の部屋に一体居るのよ。
ん?
どういうことかって?
それは――って、あ!
もうこんな時間じゃない!
ノノちゃんを駅まで迎えに行かなきゃ!
今日、お泊り会なのよ、私ん家で。
初めてのお泊り会。
うまくおもてなし出来ればいいんだけど――。
あーとにかく、迎えに行ってきます!
「すぅ~…ん、ふぃ~。うーん!つぐみちゃんの香りを、ののは体中に感じるの。ののは今多幸感に包まれてるの。満足なの。満足の至りなの。」
やめてやめて、ノノちゃんやめて!
部屋に入るなり、なんで深呼吸するの!!
ご手寧に両手を上にまで伸ばしちゃって、もうっ!
始まってもないラジオ体操を、かってに終焉に導かないで!!
「安心するの。とってもいい匂いだと、ののは感想を伝えるの。つぐみちゃんの香りなの。」
そういう問題じゃないのよ!
恥ずかしいでしょ?
「あっ!!」
え?今度は何?
カバン…に、何か入れてきたの?
ごそごそと漁ってるけど…、なんか嫌な予感がするわ。
「写真撮るの!みーなとゆいっちに自慢するの!!」
やーめーてー!
恥ずかしいからやめてー!
携帯使用禁止!
「あー、私の携帯ー。つぐみちゃんの部屋にはもう来れないかもしれないから、ののは記念を残したいのー!」
ノノちゃんなら、いつでも歓迎だから。
なんなら一緒に住んでもいいから!写真撮るのはダメーっ!
というか、みんなに送るのダメーーーっ!
はぁ、はぁ。
麻芽駅でノノちゃんを拾って、帰ってくるなり何してるのかしら。
すごく疲れたじゃない。
私の友達って、なんでこんなフリーダムな子だらけなのよ。
…まあでも、ニカとかナユに比べれば、ノノちゃんはまだ可愛いもんか。
あの二人は多分、人見知りという言葉がインストールされてないわ。
出会った瞬間からああだったもの。
その点、ノノちゃんはここまでくるのに約一年かかってるからね。
…あの例の告白事件から、さらに仲が深まっちゃった気はしないでもないけど。
きっと気のせいだと思う…そう思っておこう。
「そうは言っても、つぐみちゃん家結構遠いの。だから、なかなか来れないと、ののは言っておくの。現にあの二人はまだ来たことないの、ののが一番乗りなの。」
またまた両手上げて、バンザイのポーズ。
…。
出会った頃の印象は、もっとおとなしい子だと思ってたわ。
というか、現に教室ではおとなしい子だけど…。
ほんとノノちゃんとは仲良くなったわね、嬉しい限りだわ。
――で、うん。
遠いとこまで、わざわざありがとね、ノノちゃん。
水良江市東駅から、電車で20分かかるし。
学校からだと家まで40分だし。
「そうなの。遠かったの。だから、記念を残しておきたいと、ののは懇願するの。」
ちなみにノノちゃん家は学校から徒歩3分。
『朝ギリギリまで寝られるように勉強頑張ったと、ののは自分を褒めるの!!』
だってさ。
…うらやましいことこの上ないわ。
私だって、8時過ぎまで寝てたい――オホン。
でもまあ、それで水良江高校に入れたんだから、ほんとにすごいと思う。
私なんて、文字通り脳死状態で入ったんだから。
脳死状態で勉強して、脳死状態で受験して、脳死状態で入学したのよ。
…この表現で通じるかは微妙だけど、本当なんだから仕方ない。
それほど中三の後半は、心が死んでた。
…。
おっと、ノノちゃんと話してるんだった。
虚空を見つめてる場合じゃないわね。
えーっと、じゃあ…高校卒業したらルームシェアしましょう。
それで手を打って。
「…うーん。ルームシェアはいいけど…添い寝までだと、ののは先に断っておくの。それ以上はだめなの。」
それ以上って何!?
そもそも添い寝すらも考えてなかったわよ!?
「まあ、ののがいない時に全裸でのののお布団にこっそり入るくらいなら、許してあげるの。ののの残り香を心行くまで堪能するといい、とののは思うの。」
やろうともしてないことが許可された!
ノノちゃんは普段からそういうラノベ読んでるからか、妄想が逞しいのよ。
たまについていけない時が、あったりなかったり。
ちなみに、他に読むのは転生ものだったはず。
悪役令嬢ものはののの琴線に触れないの、って言ってたわ。
それには私も同意ね。
それが好きなのは、ユイちゃんよ。
って、そうじゃなくて。
部屋の入口で何やってるの私たちっ!
ほらっ、ノノちゃん、せっかくだからてきとーに寛いでよ。
「わーい、つぐみちゃんのベッドなのー!」
ぽふんって、ベッドに飛び込んだ音まで可愛いわねノノちゃんは。
――って、あ!ベッド!
…。
いや、もう諦めましょう。
好きなだけクンカクンカすればいいわ。
ノノちゃんなら…まあいいわ。
というか、ノノちゃんが今まさに全裸になりそうな勢いじゃないのよ、もう。
そういう趣味はないっていって、前に言ってなかったっけ?
「――ふぅ、ののは心行くまで堪能したの。」
かなり長い時間、味わってたわね。
それこそ、段落を一つ変えないといけないくらいに。
そんなにいい香りなの?私。
「まんぞく、まんぞくなの。よいっしょっ。」
ぽてんって、ベッドから降りるノノちゃんから、またかわいらしい音が聞こえたわ。
今日も、小動物系ノノちゃん。
――で?今日二人は?
「言うまでもないの。しっぽりなの。」
しっぽりって…。
いや、まあなんとなくわかるけども。
正直分かりたくない。
というかそもそも、ノノちゃんがする二人の話はどこまで本当か分からないのよ。
まあ実際、私もあの二人は怪しいと思ってるんだけどさ。
「――あ。なんか、かわいいのがあるの。」
ん?可愛いの?
いいかげん、腰を落ち着けて欲しいんだけど…。
途中で足を止めちゃったわ、ノノちゃん。
何か見つけたのかしら――って、ああ、なるほど。
それか。
「と思ったら、よく見ると微妙な可愛さだったと、ののは少し落ち込んでおくの。つぐみちゃん、これ、なんなの?」
ん?それ?
親友からのプレゼントよ。
「親友?小さい頃の?」
小さい頃っていうか、中学のときね。
大事な親友がくれたのよ。
「え!?つぐみちゃん、私のほかに親友いたの?とののは驚いてるの!」
いるわよ!
というか、ミナエちゃんもユイちゃんも大事なお友達よ。
まあ親友って言えるほどなのは、ノノちゃんとナユくらいかもだけど。
あ、別に、ミナエちゃんとユイちゃんとの仲が微妙なわけじゃないのよ?
あの二人の空気に、ノノちゃん同様、私もなんか入っていけなくて――。
二人と仲はいいけど、親友と呼ぶには、なんか憚られるというか、なんというか…。
えーっとつまり、あの…うん、察して。
「出たの、噂のナユ。私まだ会ったことないの。」
会せたら会わせたで、ノノちゃん人見知りするじゃない。
「むぅ。たしかにそうだけど、一度会っておきたいの、とののは思うの。つぐみちゃんの親友に興味あるの。」
まあ…おいおい、ね。
先に言っておくけど、ノノちゃんとはそんなに合いそうにないわよ?
「大丈夫なの、だからよろしくなの。――で、話し戻すけど、このぶちゃいくな犬のぬいぐるみは何なの?と、ののは改めて聞くの。本体は雑だけど、なぜか首輪はしっかりしてるの。なんのキャラクターなの?」
オリジナル、らしいわ。
彼女曰くイメージとしては、魔法少女のマスコット的な物?にしたかったみたい。
「魔法少女…。」
そう呟きながら、ぶちゃいくなその頬をぐにぐにぐにぐに。
なにか思う所でもあるのかしら?
でもまあ、なんだか懐かしいわね。
これをもらった時のことは、今でもしっかり覚えてるわ。
えっとね、こんな感じだったのよ――。
――――――――――――――――――
ガラガラガラ、って、もうっ!
なるべく音をたてないようにそーっと引いたのに、どうして音鳴るかな。
無機質というステレオタイプな表現が、本当にピッタリね、この白い扉!
ほんと憎たらしい。
まるで私を拒絶してるようじゃない。
『紺野ニカ』って、プレートに書かれてなかったら絶対開けないわよ。
手をかけるまでに、すごく勇気がいったんだから。
…はぁ。
まあとにかく、ニカに会わないとね。
――とその前に、なんで私が病院にいるかというと、話は今朝のホームルームに遡るわ。
ニカとの初めてのクリスマスを、どう過ごそうかウキウキしながら考えてた時に――。
『紺野さんは一昨日から入院されたので、今日はお休みです。』
と先生が連絡事項の終わりに、付け加えるようにそう告げたのよ。
その知らせにクラスがざわついたのは、ほんの少しだけで、一限が始まるころにはいつも通りに戻ってたと思う。
でも、私だけはそういうわけにはいかなくて――。
こんなに授業を長く感じたのは初めてで――。
学校終わると同時に、いてもたってもいられなかった私は、すぐさま病院に走ってた。
『待ってるなのよ』と、私の心配メールに、病院名と部屋番号と一緒に添えられた言葉。
その言葉が少しだけ私に安堵感を与えてくれたけど…。
頬にあたる十二月の冷たい空気に、その安堵感がごりごりと削り取られていく気がして、それがただただ、とてつもなく恐ろしかった。
体が震えていたのは、冬の厳しい寒さにだったのか、その恐ろしさにだったのか――。
いや、きっと両方ね。
とにかく、体を震わせながら、どうにか病院にたどり着いたの。
そしていざ病室の前に来てみると――、さっきの白い扉が行く手を塞いでたってわけ。
開けようと思っても、なかなか手が出ない――いや、出せなくてね。
だって、この扉は実に五年ぶりで――。
その『五年前』にあけた白い扉は、その後五年間にも及ぶ、暗い未来へと続いていたから。
もちろんその扉と、今そーっと開けた扉は決して同じものではないけど――。
それは、頭では十分に理解しているんだけど――。
でも、あの五年前のことが思い起こされるだけで、この扉は十分すぎるほどに私には重い。
だから――。
だから私は、恐ろしい何かに見つからないように、扉をそーっと開けることしたの。
もちろんそんなの居るわけないし、その恐ろしい何かが一体何なのか、自分でも分かってなかったけどね。
つまり、私が何を言いたいかって言うと――。
お願い!お願いだから!もう私から奪わないで!という、神への懇願。
ニカは…、大丈夫…だよね?
私の前からいなくなったりしないよね。
――と、拳をギューっと握りしめながら、ニカのベッドへと近づいたの。
「つぐみーん。」
あ、――よかった。
ニカのいつもの元気な声に、いつもの笑顔だ。
ふふ、恐る恐る、と足をそっと運んでた私がバカみたいじゃない。
ほら、手までふって元気そう。
もうニカ!心配したんだから!
何があったの!?
「だたの検査入院なのよ。知ってる通り、わたし体よわいなのよ。だから、ちょくちょく病院にお泊りしてるなのよ。あ、ほら、そんなとこで立ってないで、隣座るなのよ!」
ぽふぽふぽふ、とベッドの脇を叩くニカ。
よかった、ほんとに元気そう。
はいはい、わかりました、わかりました。
すぐに行くからちょっと待って。
「うんうん、つぐみんが隣にいると落ち着くなのよ。」
そう?ならいいけど。
「んっ!」
ん?…何?
「んん!」
ん?
どうしたの、手ぐぱぐぱして。
握ればいいの?
じゃあ、はい、左手でいいかしら。
「ふふーん。」
あ、ご満悦そう。
正解だったみたいね。
よかったわ。
で、えーと…。
ねえ、検査入院ってことは、すぐに学校来れるのよね?
「うん、いけるなのよ。明後日くらいにはたぶんいけるなのよ。だから安心するなのよ、つぐみん。」
ほんと?
…よかった――あ!
「なんなのよ、つぐみん!大きい声出さないでなのよ、ここ病院なのよ。」
ああ、ごめん。
あのね、お見舞いの品用意するの忘れてたなって。
「あああああああ!」
うるさいわよ、ニカ!ここ病院なのよ!?
――あはは。
いつものこのやり取りが、こんなに安心するものだなんてね。
ここに来る前の心配が、杞憂で本当に良かった。
「私の夕張メロンが…。しょぼーんなのよ。」
いやちょっと、たとえ忘れてなくても夕張メロンは買ってこないからね。
そもそも、お小遣いじゃ変えないし、贅沢にもほどがある。
私中学生だし、お菓子くらいしか買えないわよ。
「まあ、いいなのよ。来てくれただけで嬉しいなのよつぐみん。だから、お見舞いの品をお見舞いし忘れたつぐみんに、わたしからのプレゼントをお見舞いするなのよ――はいっ!」
でっかい!
横に置いてあったその袋って、私へのプレゼントだったのね。
一体、なんなのかしら。
右手だけで持てるんだから、軽いものなのは確かかな?
気になるけど、まずはともかく――。
あ、ありがとう。
「ふふふー、びっくりしてるなのよ。」
そりゃあね、でもそれ以上に嬉しいわ。
ありがとね、ニカ。
えーと…開けていい?
「いいなのよ。」
じゃあ、遠慮なく。
えーっと、袋…はリボンで閉じられてるタイプね。
だから、これを解けばいいのかしら。
それではさっそく…。
…。
……。
ちょっと、ニカ?
「なんなのよ?早く開けるなのよ。」
なんなのよ?じゃなくて。
…手、離してほしいんだけど。
開けにくいじゃない、このままだと。
「だめなのよ。」
なんで!?
「そのプレゼント作るの大変だったなのよ。だからつぐみんも袋開けるくらいは苦労してほしいなのよ。縛りプレイなのよ。」
えー…なにその、超理論。
まあ大して難しくない縛りプレイだから、乗ってあげてもいいけど。
とにかく開けましょう。
リボンの端を右手で摘まんで、っと――。
…。
あの、ニカ。
「なんなのよ?早く開けるなのよ。」
なんなのよ?じゃなくて、よ。
その、たまにニギニギしてくるのも縛りプレイの一環なの?
「そうなのよ。早く開けるなのよ。」
はぁ。
まあ、せっかくだからニカの温かさをじっくりと感じながら、ゆっくり開けましょうか。
「――じゃーん!なのよ!」
えーと、ぬいぐる…み?
抱っこするのにちょうどいい、私の銅と同じくらいの大きさの、ぬいぐるみ。
でも、ちょっと不格好な気が――ん?
そういえば、さっき作ったって、言って――。
え?
これ、ニカが作ったの?
「えへんなのよ。そうなのよ。苦労したなのよ。」
わざわざ手作りで、なんて…。
すごく嬉しいけど、でもどうして?
どうしていきなり、プレゼントしてくれたのかしら。
この…えーっと、なんだろう、このぬいぐるみ………犬?
首輪をつけてるし、犬なのかな?
かわいいとは言えないけど、ぶちゃ可愛いくらいなら言えそうな…そんな顔の。
あ、首輪は既製品だわ。
「魔法少女つぐみんのマスコットなのよ。わたしたち魔法少女なのに、お助けキャラの一匹も現れないなのよ。だったら自分で生み出すしかないなのよ。しっかりわたしの念を込めて作ったから、大事にするなのよ。」
マスコット。
なるほど、そういえば昔そんな話した気がするわ。
まさかその時から?
「ううん、先週からなのよ。」
ああ…そう。
ちょっと感動しちゃったのを返してほしい。
でも、それを差し置いても、十分すぎるほど嬉しいけど。
とりあえず手を、もう少し大事に握り返しておきましょうか。
言葉にするには、恥ずかしいもん。
「昔、えーっとつぐみんと出会った頃の話なのよ。その時にわたし、魔法は『体の弱いわたしに、神様が贈り物』って言ったなのよ。でもちょっと違ったなのよ。今思えばその贈り物は、わたしが思ってた以上に大きかったなのよ。」
ふうん?
確かにそんな話した覚えはあるけど…。
あいもかわらず、要領を得ないわね、いつものことだけど。
そもそもニカは話が上手なタイプじゃないから、仕方ないっちゃ仕方ないか。
その原因の半分は、無理して語尾につけてる『なのよ』のせいじゃないかと、個人的に思ってるわ。
まあそれはいいのよ、諦めてるから。
それよりこっちね、魔法の話。
もし贈り物として魔法が与えられたんだとしたら、すごく大きな贈り物だとは思うわね。
かなり些細で限定的な魔法だから、最初は微妙だと思っちゃったけど――。
よくよく考えると、やっぱりすごいことよね、魔法使えるって。
「そう考えると、つぐみんにプレゼントしたくなったなのよ。」
――うん?
話がつながらない。
思ってたより大きな贈り物だったのは、私も同意だけど――。
それがなんで、私へのプレゼントに?
ねぇ、ニカ。
それってどういう――。
「ちなみに、その子の名前は“ボルボ”なのよ。可愛いがってあげるなのよ。」
え!?ちょっと嫌よ!
もっとかわいい名前がいいわよ!
「かっこよくて強そうな名前がいいなのよ!強そうは正義なのよ!!!!」
それを言うなら可愛いは正義でしょ―!?
――――――――――――――――――
「ちなみに、この子の名前は何なの?とののは聞きたいの。」
――へ?ああ、ポルテよ。
ああ、いけないいけない。
少し意識飛んでたわね。
おかげで懐かしいこと思い出しちゃったわ。
「ふぅん、なの。ぶちゃかわいいと、改めてののは思うの。」
ニカの命名があまりにもあれで、あの後かなり名前で揉めたのよね。
結局、私のお助けキャラになるんだから、私の好きにするといいってことになったのよ。
でもそのやり取りのせいで、面会時間終わっちゃったわ。
ニカのお母さんも戻ってきたしね。
だから私はそこで帰ることになったの。
今思うと、聞きたいこと聞けてなかったのね、私。
結局、なんでいきなりプレゼントなんかくれたのかしら。
「――あ。なんか、紙きれをののは発見したの。首輪の裏についてたの!」
へ?
何それ、私知らないんだけど。
「開いてみるの。」
そんなの、貰った時には無かったはずよね?
じっくりと探したわけじゃないから、絶対…ではないけど。
首輪も…、外したことあるし。
なのに、その存在は今初めて知ったわ。
何が書いてあるの?
ニカからの、私へのメッセージ…とか?
え?うそ!?
そんな嬉しいことある!?
「えーっと…。『魔法少女つぐみんのテー…マ』?」
…。
……。
………。
はあああああ!!!!?????
なんでそんなもんがそこにあるの?
それって、このぬいぐるみ貰ってから一か月くらい後の話じゃない!!!
いつ?
いつからあるの?
あ、年の初め、2月くらいにニカ一度うちに来てた!
あの時か!!!ニカーーーっ!!!
あ、あの、ノノちゃん。
あの…、それ、書いたの私じゃないから、ね?
「ぷふふ。わかってる、わかってるの。わかってる、とののは一応言っておくの。」
――っ!!
わ、わかってない人の言い方じゃないの!!
もうっ!!
「――あはははははなの。つぐみんおもしろいの。」
私は面白くないわよ。
なんで2年越しにイタズラされないといけないのよ。
説明したら、ノノちゃん分かってくれたからよかったけど!
そもそも、存在すらも忘れてたわよ、テーマソング。
あーもう、なんで私じゃないことで、私が恥ずかしい思いしないといけないのかしら。
はぁ…。
とりあえず、おやつ食べましょう。
ホントは紅茶の一杯でも入れてあげる予定だったけど、今日はただの麦茶よ。
ふんだ。
「それにしても、つぐみちゃんにこんな面白い友達がいたなんて、ののは驚きなの。」
まあね。
そんなことばかりする子だけど、私には過ぎたくらいの素敵な親友よ。
でもまさか、あの時――えっと、テーマソングの歌詞見せられた時に、ニカが言ってた『つぐみんにも、いつか分かる日がくるの』の、「いつか」が本当に来るとは思わなかったけどね。
…。
って、ごめん、考えこんじゃだめよね。
お茶請けの煎餅かじりましょう。
バリバリ食べたら、気が晴れるってもんよ、いろんな意味で。
「ふーん。ちょっとののは焼けちゃうの。あ、そういえば、ずっと聞きたかったことがあるの、とののは質問を振りたいの。」
ん?なに?
いまちょっと、たまったストレスをこれでもかとお煎餅にぶつけてるから、優しい質問にしてね。
「去年のクリスマスから、もしかしたらって思ってたんだけど――。」
去年のクリスマス?
何かしたっけ?
クリパ…は、したわね、楽しかったわ。
それがとうかしたの?
…。
……。
…えーっと、ノノちゃん。
そんな溜める必要ある?
クイズ番組のMC狙ってるの?
正解したら百万円…とかもらえる?
の、ノノちゃん?
えーと…とりあえず、目の前で手をフリフリしてみる?
おーい、――あ、気づいた。
「――つぐみちゃん、あのねなの。」
う、うん。
何かしら――。
「つぐみちゃんって、魔法使えるの?」
――え?
―続―
お疲れ様でした。
魔法、今回使いませんでしたね。
というかそもそも魔法の使い道がそろそろネタ切―、ウオッホンっ!!
なかなかに思いつかなくてですね…。
あーあ。魔法使わなければ、いくらでも書けるのになぁ。
まあ。
そんなこんなで、今回はなかなかに書くの苦労しました。
構成的にちょっと厳しい気もするので、なにか不都合があれば忌憚なき意見をお願い致します。
では最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。
次回もお待ちしています。
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