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でぃあ魔法少女【完結】  作者: 煮木 倫太郎
27/63

魔法少女からの手紙・2


 わたしはニカ。紺野ニカ。

 いつも元気いっぱいの魔法少女、なのよ!


 つぐみんだったら、ここで魔法少女ネタを一つ挟んでるだろうけど…。

 わたしはそんなの全く詳しくないから、どうでもいいなのよ!

 だからまた今回も思いついたことを、そのまま書いていくだけなのよ。

 ああ、ちなみになのよ。

 つぐみんも知ってる通り、本はよく読んでたなのよ?

 でも、書くことと読むことは別、なのよ。

 書くのは難しいなのよ。

 だからまた読みにくいかもだけど、大目に見るなのよ!

 それでも、出来る限り読みやすく書くなのよ。

 …というか。

 「なのよ」って書くことも面倒になってきたなのよ。

 だから省略するなのよ。

 え?

 わたしのアイデンティティ?

 もうっ、つぐみんはいちいち細かいなのよ!

 むつかしいこと言わないで欲しいなのよ!

 とにかく、面倒だから「なのよ」はおやすみなのよ!

 「なのよ」だけで三文字も毎回多く書かないといけないなのよ!

 カロリーの無駄なのよ!

 だから、そういう事でお願い!


 おほん。

 じゃあ、今回の話は…えーと。

 わたしが初めて魔法を使った時の話をするね。

 あれは中学1年の2月ごろ…だったかな。

 ああ、もちろんこの麻芽町に来る前の話ね。

 ある日、暇を持て余したわたしは、当時住んでた町をふらふらと散歩することにしたの。

 まあ、町っていってもド田舎の何にもないところだけど…。

 そんな事はどうでもいいの。

 で、えーと。

 なんで散歩することにしたかってのは、たしか…。

 春に転校することが決まってたから、ここの景色を目に焼き付けておこう!

 …とかそんな感じだったはず。

 まぁとにかく。

 そんな気持ちで散歩をし始めて、30分くらい経った頃。

 カロリーがいい具合に消費されて、空に浮かぶ雲が綿菓子のように美味しそうに見えてきた…。

 ちょうどそんな頃合いに、とっても大変な状況のおじいさんに出会ったの。

 もう、とってもとっても大変だったのよ。

 とってもとっても、とってもとっても、とってもとっても大変だったのよ。

 おほん。

 まあ、出会ったというより発見したというのが正しいのだけど…。

 うーんと…、えっとね。

 お腹を空かせたわたしが鼻歌を口ずさみながら一人山際を歩いると、なんか遠くから声が聞こえたのよ。

 最初は気のせいかと思ったんだけど、歩を進めるにつれて声がしっかり聞こえてくるの。

 だから、好奇心旺盛なわたしはその声に向かってみることにしたのよ。

 で、ようやくその声の元へたどり着いたら、なんと!

 おじいさんがおっきな木の、下敷きになってるじゃない!

 下敷き、と言っても左足だけ挟まって抜けないって感じだったけど、状況は最悪でしょ?

 おそらく、気の根元にチェーンソーがあったから、切り倒した時の事故だと思うんだけど…。

 せめておじいさんの近くに落ちてればよかったのにね、チェーンソー。

 そしたら自力で脱出――って、『もし』の話はしても仕方ないか。

 えーと、とにかく。

 それを見たわたしは急いで駆け寄り、おじいさんの救出を試みたの。

 まずは、おじいさんの上でふんぞり返ってる木、おそらく杉だと思うそれに手を回して、上にうーんっ!

 もちろん、全然っダメ!

 というかわたしの力で動いてたら、おじいさんは助け求めてないもんね。

 だから今度は、おじいさんの足を引っ張りながら、うーんっ!

 でも、やっぱりダメ。

 ああ、このままだとおじいさんの足が…、足が先の方から壊死しておじいさんもそのまま…。

 ブンブン。

 ダメダメ、諦めたらダメ。

 わたしは耳から脳みそが飛び散るほどに頭を振って、もう一度おじいさんの足を引っ張ったの。

 うーんっ!

 あー!もう!!


 杉!!少しくらい上に動いてくれたっていいじゃない――っ!!


 そう叫んだ瞬間っ!

 なんと、おじいさんの足がスポッと抜けたの。

 …えーとつまり。

 それがわたしの初めて魔法を使った瞬間。

 ああ、ちなみにだけど。

 そのあと、すぐさまおじいさんの家に行って救急車を呼んだわ。

 救急車を待ってる間、なんどもそのおじいさんに礼を言われて――。


 うん?

 どうしたなのよ?

 今いい所なのよ!

 この後わたしが『人として当たり前の事をしただけです』と言い残し、颯爽と去っていくくだりが――。

 もうっ、なんで邪魔するなのよ、つぐみん!

 ん?聞いてた話と違う?

 なっ!なんで手紙に突っ込んでくるなのよ!

 魔法!?

 魔法なのよ!?

 つぐみん、新しい魔法覚えたなのよ!?

 過去のわたしに干渉できる魔法なのよ!?

 チート!チートなのよ!

 つぐみんのいぢわる、なのよ!

 手紙でくらい、カッコいいわたしでいさせて欲しいなのよ!

 むぅ…。

 …。

 はぁ、わかったなのよ。

 …そうなのよ。

 ご存知の通りわたしの初めては、家のこたつでゴロゴロしてた時ですぅ、なのよ。

 テレビのリモコンにギリギリ指が届かなかったなのよ!

 もお~。

 どうしてそんなくだらない事覚えてるなのよ。

 ほんと、つぐみんはわたしの事大好きなのよ。

 大好き過ぎ、なのよ。

 とにかく!

 わたしが何を言いたかったかと言うと、ね。

 こういう使い方もできるから、どんどんこの力で人を助けて欲しいなのよ、ってことなのよ。

 まあ、つぐみんの事だから言うまでもないかもだけど、なのよ。

 もしかしたら、もう助けてるかもしれないかもだけど、なのよ。

 でも、そうしてくれていたら嬉しいなのよ。

 

 最後に。

 今日からつぐみんは高校二年生でしょ?

 友達ちゃんとできたなのよ?

 昔みたいに深窓の令嬢とか陰で呼ばれてない?

 わたしはとても心配なのよ。

 ちゃんと報告待ってるから、たくさん思い出つくっておいて欲しいなのよ。

 

                        ―つぐみんの一番の親友、ニカより、なのよ―



 ――――――――――――――


 

『なんでいつも私が使ってる導入知ってるのよ!!』


 この手紙を読んでの第一声は、確かこんな感じだったはず。

 懐かしい。

 話が胡散臭すぎる、とか。

 そんなスゴい魔法覚えてないわよ、とか。

 読んでて、色々とつっこみどころが多かった手紙ではあるけれど、ね。

 それでも読み終えて、いの一番に叫んだのは確かこのセリフだったはずよ。

 もちろん、久々のニカからの知らせに感動の気持ちもあったわ。

 だから手紙が届くであろう、その高二の始業式の日を待ち望んでたはずなんだけど――。

 いざ蓋を開けてみると、内容がコレ。

 そういった感慨なんて、全部吹き飛んじゃったわ。

 …。

 まあ、ニカらしいっちゃ、ニカらしい。

 今見ても頬がニヤけちゃうような、そんな手紙。

 ふふっ。

 この手紙は――うん、この辺に挟んでおきましょう。

 ここら辺がちょうどいいと思うわ。

 今日もあの子は遊びに来るって言ってたからね。

 それなりに整理しておかないと――。

 よし、じゃあ後は、お菓子の用意でもしましょうか。

 たしかホットケーキミックスがあったはず…。

 あ、あったわ。

 うん、これでまたスコーンでも焼いて待ってましょう。

 喜んでくれるかしら――。

 くれるといいわね。


 



お疲れ様でした。

今回はいつもと趣向が違うお話です。

おかげでいつもより、少し短めのお話になりました。

まあ、短めのお話だからと言って、私が楽なのかと言われれば、決してそんなことはないんですが。

それはさておき。

完結までは、まだもう少しかかりそうですので、それまでゆっくりとお待ちください。

あ、ちなみに。

これを書いたのはお正月番外編を書く一か月以上前になります。

では最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。

次回もお待ちしています。


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すると次回は少し早く上がるかもしれません。

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