表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

第1話 母を庇って死にました

どうかこの物語を温かい目で見守ってください。

「お母さーん!早くしないと入学式遅刻しちゃうよぉ〜!」


母と呼ばれた女性が高校生くらいの少女に急かされて玄関から出てきた。


「遅くなってごめんね、夢羽。それじゃあ、行きましょうか。」

「全く、相変わらずマイペースなんだから…。まぁ、いいや!それよりも入学式!急ご!」


夢羽と呼ばれた少女は入学式が待ちきれないようで、母親を連れて横断歩道に差し掛かった時、どこからか悲鳴が聞こえてきた。


「?ねぇ、お母さん。なんか悲鳴聞こえなかった?」

「いいえ?聞こえなかったわよ?」


2人はそんな会話をしながら赤信号が青信号になるまで和気あいあいと話し込んでいた。

そのせいか、後ろから迫ってくる包丁を持った男が近づいてくるのに気づいていなかった。


「ねぇねぇ、お母さん。今日帰ったら…!?お母さん危ない!!」


夢羽はいち早く男に気付くと、母親を突き飛ばして男に包丁で刺されてしまった。


「…っ」

「夢羽!待っててね、今からお母さんが救急車を呼ぶからね。しっかり意識を保つのよっ!」


夢羽の母は急いで夢羽の元に戻ると刺された箇所を止血しながら携帯で救急車を呼んでいた。

しかし刺された箇所はちょうど横腹。出血量も半端ではない。


「おかあ、さん…。もう、だい、じょうぶだよ。痛みが、感じないの。」

「夢羽!そんなこと言わないの。痛くないはずないでしょう?大丈夫。お母さんが何とかするから。しっかり意識を持って!」


母親は泣きながらも必死に夢羽に呼びかけていた。


「ご、めんね…。もう、眠い…や。」


そう夢羽は言うと目を閉じて、二度と目を開けることはなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ