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短いです。
「え?なにも聞いてない?」
帰宅後、夕食をお腹いっぱい食べた私はお父様の執務室で婚約解消の話は全く出ていないことを聞かされた。
「何寝ぼけたことを言っている。日取りも決まっているし各国の要人にもとっくに招待状が送られている。」
「…」
どういうこと?準備は万全て言ってたのに。
招待状に書かれた名前がしなっとセリシア様になってるとか?
でもお父様が何も聞いていないなんて…。
「でも…殿下から婚約は解消になると聞いたの。これから知らせが来ると思う。ということで、私は和な辺境に嫁に行きたいわ。私を貰ってくれる穏やかな方ならどんな方でも大丈夫。よろしくねお父様。」
そうお願いして私は自室へ戻った。
*****
「ねぇ、リリィ。今度の舞踏会行くわよね?」
学園の中庭でランチボックスからサンドイッチを取り出し、大きな口に頬張りながらマリアンヌが言った。
「舞踏会ねぇ…私は行かないと思うわ。隣国へ留学してるお兄様もまだ帰ってきていないし。」
「え?なんでカイル様が出てくるの?」
「エスコートしてくれる人がお兄様しか思い付かないのよ。あ!そうだ東部の辺境伯家の次男てまだ独身だったわよね?」
「え?次は辺境伯?なんの話なのよ。確かにサビレルト辺境伯の次男は独身だけど…。え、ていうかなんでエスコートがカイル様?アーサー殿下でしょ?」
「まぁ、色々あるのよ。」
私は紅茶を片手に曖昧な笑みで返事を返した。
たしかサビレルト辺境伯の領地では広大な牧場を経営していたばす。
理想的なスローライフが送れそう。
とりあえず、サビレルト辺境伯の次男は候補者リストに載せておこう。
名前もわかんないけど。
お父様に聞けば大丈夫か。
お父様も候補者を探してくれてるはずだし、今度相談してみよう。
ありがとうございました。