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偽装婚約  作者: カナヨ
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「特に殿下との結婚が嫌という感情は無いように見受けられます。」


フィンはさらりと答えた。


「俺はそんなことは聞いていないが。」


俺はフィンをじとりと睨む。


「失礼しました。知りたいと聞こえたような気がしまして。」


ふぅ。


少し安堵した俺にフィンは続けた。


「結婚が嫌なのではなく、数多くいる側室の一人になるのが嫌な様ですね。」


「俺のただ一人の妻になりたいということか!」


俺は一気に気分が向上した。


が、すぐにフィンによって落とされる。


「いえ。その様な感情は一切ありませんでした。」


一切か。

俺の気分は留目無く沈んでいく。


「しかし、あれだけはっきりと俺の意思を伝えたんだ。少しは関係が改善されただろう。」


俺がそう言うとフィンはまた憐れむ様な目を向ける。


「それなのですが、殿下がリリアーナ様を妻にと想いを伝えている際、リリアーナ様は別の事を考えておいでで・・・」


「ん?」


「殿下はセリシアと結婚するのではなかったのか。では誰と結婚するのだろう。と疑問に思われていましたよ。殿下は私の愛するセリシアと結婚なさるのですか?」


今度はフィンが俺を睨み付けてきた。


「冗談はよせ。あれだけ言ったのに何故その様な考えになるんだ・・・」


俺はガックリと項垂れた。


「私に言われましてもどうにも。どうやらリリアーナ様は殿下のお言葉が殆ど耳に入っていない様ですね。」


そうフィンは俺に追い討ちをかける。


これは・・・

少し考えを改めてリリィに接していかなくては。


全く俺の想いが届いていない。


俺は想いを理解してくれるまで、ちゃんと話をしようと心に決めた。




ありがとうございました。

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