第1話 プロローグ
学園ラブコメは初めて書きます。
是非とも温かい目で見守っていてください。
よろしくお願いします。
俺の名前は遠藤大地、この春から県内の私立高校に通い始めた普通の男子高校生だ。
こんな語りをする男子高校生は普通じゃないと言われそうだが、それはアニメや小説での話で俺はいたって普通のどこにでも男子高校生だ。
もしくはどこにでもいるモブとも言うな。
まぁ、他人から見たら俺は普通以下なのかもしれないが・・・。
自慢じゃないが俺は基本的にボッチだ。
彼女はおろか、友達もいない。
・・・まぁ、俺の親友を自称するバカはいるんだが。
でも親友と思ってるのはそいつだけで、俺はそいつを親友どころか友達とも思ってない。
あいつとは腐れ縁なだけだ。
それに俺は学校で誰かと話すことは全くと言っていいほどない。
あのバカは俺とは違い普通の陽キャだから、学校ではたまに話しかけてくるくらいだ。
・・・クラスも違うしな。
ちなみに学校で誰とも話していないのは今の私立高校に入学する前の中学、それどころかその前の小学校のころからの話だ。
・・・まぁ、そこら辺の記憶は曖昧なんだがな。
だが、俺は別にこんな自分を寂しい奴だとは思ってない。
もともと俺はこういう人間だった。
・・・それだけのことだ。
それにも俺はこの生き方を結構気に入っているし、今更誰かと友達になったり、彼女を作ったりするつもりは全くない。
天地がひっくり返ってもない。
そもそも天地がひっくり返ったら俺は普通に死んでいる。
だからこそ俺はこれからも一人で自由気ままに生きていく。
それこそが俺が求めている日常だからだ。
・・・さて、なぜ長々とこんな話をしているかというと、今現在、俺は全力で現実逃避をしているからである。
「ちょっと!!今日は私が大地と一緒に帰るの!!2人は邪魔だから帰ってよ!!」
生憎とお前と帰る約束はない。というか頼まれても俺は普通に断る。
「はぁ?何言ってるの?ダイちゃんとあたしはこれから2人で映画見に行くの。あなたたちのほうが邪魔だからさっさと帰れば?ていうか、邪魔だから帰れ。ていうか死ね」
それも約束していない。それに俺は今公開している映画で特に見に行きたいものはない。というかあっても1人で行く。
「お二人こそ、何言ってるんですかぁ?先輩はぁ、ミアといっしょに帰るんですよぉ?これから2人で一緒にパフェ食べにいくんですからぁ」
ちなみにそれも約束していない。そもそも俺は甘いものは嫌いじゃないが食べたきゃ自分で作る。
放課後の正門前でかれこれ10分ほど言い争っている3人が引っ張り合っている俺が( ゜ ρ ゜ )ボー←こんな顔して空を見上げて黄昏ていることに気づいたのか、今まで言い争っていた3人がこちらを見た。
「もうこうなったら・・・」
「そうね。これしかないわね・・・」
「ですねぇ・・・これしかないですよぉ」
あ・・・嫌な予感が・・・。
「大地」
「ダイちゃん」
「先輩」
3人が息ぴったりに俺の名前を呼び、そして・・・
「「「誰と放課後デートするかここで選んで!!」」」
きれいにはもったなぁ~。
暦は春、この学校に入学してからもうすぐ1ヶ月。
学校の正門からの道にはそろそろ旬が終わりそうな桜の木がきれいなピンク色の花を纏い、暖かな風がそんな桜の木をやさしく揺らしている。
そんな光景を見ながら俺は心の中でこんなことを思った。
・・・とりあえず、今すぐ帰って部屋でゴロゴロしたい。
もちろん一人で・・・。
どこかにこんな状況を一発で解決できるアイテムとか落ちてねぇかな~。
いまだに俺を見つめてくる3人から俺は目をそらす。
「相変わらずね。大地くん」
そんな俺の願いが届いたのか、俺に声をかけてくる人がいた。
・・・だが、その声は俺にとって全く嬉しくなかった。
「お待たせしてゴメンね、大地くん。それじゃあ私の家まで行きましょうか」
そう言って、俺の腕に自分の腕を絡ませ、その無駄にでかい胸を押し付けながら俺を連れて行こうとする女性。
他の3人同様、この人ともそんな約束をしていない。そもそもこの人の家に1人で言ったら、間違いなく俺は貞操の危機だ。
「いきなり現れて何言ってるんですか?いよいよ頭がおかしくなったんですか?」
「ちっ。さっさとどっかのおっさんに押し倒されて傷物になって学校から消えればいいのに」
「センパイにくっつかないでもらえますぅ?」
俺を見つめていた3人はその人に目線を向けるとまるで親の仇のような目で睨みつけた。
俺と腕を組んでいる女性はそんな目を向けてくる3人を見てもそこか余裕そうに微笑んでいた。
「いいじゃない。大地くんはこの私のものなんだから」
「よくない!!それに大地は私のなんだから」
「違う。ダイちゃんはあたしの」
「センパイはぁ、ミアだけのセンパイですよぉ?」
ついには4人の女の子たちによる俺の綱引きが始まった。
周りの下校中の生徒たちはそんな俺たちに奇異の眼を向けながら通り過ぎていく。
俺は4方向から引っ張られながら、空を見上げた。
どこまでもきれいな夕焼けがそこにはあった。
・・・どうしてこんなことになったんだろうなぁ~。
俺はもはや諦めながら、4人にされるがままになっていた。
この主人公は結構クズです。
でもそれ以上にヒロインたちがヤバいです。




