◆70.ヒロインは残念系
「キャー、キャー! 生徒会役員の皆さまが勢ぞろいなんてすごーい!! 萌菜もご一緒して良いですかぁ~!?」
昼食なのか間食なのかは不明だが、美しく飾られたケーキと、生クリームが浮かんでいるココアを乗せたお盆を持ったピンクブロンドのフワフワ髪の少女が興奮したように乱入して来た。
そのラインナップをチラリと見ただけで、妃沙などは眉を顰めて、ベ、と軽く舌を出している。彼女は未だ食事中であったのでその甘い匂いに嫌悪感を抱いてしまったのだ。
そしてまた、制服を着ているし、見る限りではこの学園の生徒ではあるようだけれど中等部までは一度も見掛けたことのない人物であったので、全員が「誰だお前は」という空気を醸し出している。
だが、萌菜、と名乗った生徒は心臓がタワシででも出来ているのか、キャッキャと楽しそうに笑いながら、そのテーブルの中で唯一空いていた──銀平が咲絢の前に移動した為に空いてしまっていた、知玲の隣の席にさっさと座ってしまう。
途端に周囲を包む甘い匂い。
これには妃沙でなくても「降参!」と手を上げたくなってしまった。
何しろ、見ただけでも甘いお菓子とココアに輪を掛けたような甘い匂いが、少女自身からも漂ってくるのである。
「エヘヘ! 知玲先輩、さっきぶりですぅ~! また会えて、萌菜、嬉しい!」
お盆をさっさと置いてしまうと、両手で拳を作って口元に当て、きゅるん、と上目遣いで知玲を見上げる少女。
「あら、知玲様のお知り合いでしたのね。それでは、お邪魔しては申し訳ありませんからわたくしは失礼しますわ」
そう言って、食事途中であるにも関わらずお盆を持って移動しようと立ち上がる妃沙。彼女に釣られるようにして俺もアタシもと、新入生たちが一斉に立ち上がる。
それ程までに彼女の甘い匂いは強烈で、とてもじゃないがまともに食事を出来る空気ではなかったのだ。
しかも、全く知らない他人が乱入して来たのでは、気持ちの良いものである筈がない。
せっかくの食事を楽しもうと、失礼もマナー違反も承知で移動しようとするのは当たり前のことと言えた。
「いや、知り合いという程のこともないよ。さっき一方的に名前を名乗ってくれただけの子だよね? ごめんね、僕もまだ食事中だし、この後、妃沙達の案内を頼まれているからこの場は失礼するね。
君のことは生徒会長の悠夜が案内してくれるそうだから、解らない事があったら彼に聞くと良いよ。じゃ!」
こんなイタい女を押し付けられて堪るかとばかりに捲し立て、知玲も立ち上がって妃沙達に続いた。
そして無言で聖がそれに続き、彼らがいたテーブルには、端の方で向かい合う銀平と咲絢、そして彼女の目の前に呆然とした表情の悠夜が残されていた。
銀平と咲絢は今、何やら話に夢中になっている様子で事態の変化に付いてこられていないようである。
その会話の内容と言えば「部費拡張の要請は実績に基づいて行うべきで、人数や歴史などは関係なくないか?」「そうでしょうか? 有望な部活動なら応援して然るべきだと思いますけど」という、婚約者というよりは生徒会役員としての職務を全うすべく議論を交わしているようなので、萌菜は「つまんなそー」とでも言いたげな表情を浮かべ、彼らをターゲットにするのは止めたようだ。
元々が片方は女性であったし、銀平もまた彼女のターゲットたる存在ではなかったので、その引き際はあっさりとしたものであった。
それよりも、萌菜的に接触を図りたかった知玲以外の人物──充と聖もいなくなってしまったので、つまんなぁーい! と可愛らしく頬を膨らませているが、それは一瞬の事であった。
せっかく残ってくれている、萌菜的に言うなら最高峰の攻略対象者、悠夜もまた萌菜にとっては重要な意味を持つ人物であったので、きゅるん、と表情を変え、コテン、と可愛らしく首を傾げて悠夜を見つめて言った。
「初めましてぇ~、生徒会長の久能 悠夜先輩ですよね? 私、高等部から編入して来た河相 萌菜って言いまぁす。よろしくお願いしまぁーす!」
生徒会長であり、威圧感たっぷりの悠夜に対しても変わることのない萌菜の態度はもはや天晴と言っても良いかもしれない。
だが今、悠夜がこの場に残っているのは彼女に対して思う所があった訳では決してなく、ただ単にあまりにアレな女が突然に乱入して来て、行動するのが遅れてしまっただけであった。
けれどもそこは天下の生徒会長、しかも自らにレディーファーストを強いている外国育ちの悠夜だ、ニコニコと微笑みながら、黙っていれば超が付く程の美少女に対し、ニコ、と人好きのする笑顔を見せる。
「見た目は及第点をくれてやっても良いかもな。顔もスタイルも誇って良いぜ、子猫ちゃん」
そう言いながら、不躾にも胸部に視線をやる悠夜。思春期にある男子生徒であればその圧倒的な質量を誇るお胸様に注目してしまうのは無理はないだろう。
けれども、悠夜が向けたそれは決して下心に満ちた視線なのではなく、そうする事で目の前の女が逃げてくれれば良いな、という打算的な思惑があってのことなのだけれど、そんな視線を受けた萌菜は「キャッ! 悠夜先輩のえっちぃ~!」なんて言いながら腕を身体の前に寄せ、同時にその胸部を際立たせている。
自分にとってこのお胸様がアドバンテージになるのだということは熟知しているようであった。
だから悠夜は、作戦が全く通じなかった事にハァと溜め息を吐いて嘆き、こういう頭の悪い女には直接言わなきゃ駄目か、と、人好きのする笑顔を消して冷酷な表情を浮かべる。
「あのな、河相とやら。なんの香水かは知らねぇけど、香水付けすぎ、臭すぎ。別に香水を禁止にするつもりはねぇが、今度俺の前にそんな臭いをさせて出て来たらどんな手を使ってでも出禁にしてやるからな。
別に学校に来なくたって、この学園は一度入学した生徒を見放すなんて事はしないから安心しな。ちゃんと卒業資格を取れる方法は教えてやるよ。それとな……」
チョイチョイ、と人差し指を動かして自らの方に萌菜を呼び込む仕草を見せる悠夜。
それに釣られた萌菜が、なんですかぁ~? と顔を寄せると、悠夜は再び人好きのする笑顔を浮かべて彼女の耳元で囁いた。
「馬鹿な女は嫌いなんだよ。空気も読めねぇ、礼儀も知らねぇ、厚顔無恥な女なんか視界に入れたくもねェ。この学園で平和に過ごしたかったら二度と俺に近付くな」
悠夜が萌菜を自分に近付けたのは、要は新入生に対して言うには相応しくないと思われそうなその言葉を他の誰にも聞かれてはならないという配慮からだったようだ。
さすがに天下の生徒会長が一女生徒に対して言ってしまうにはあんまりなその言葉を……だが彼はどうしても我慢が出来なかったようである。
言ってしまってスッキリしたのか、無理矢理、と言った態で自分のプレートに残された食事をさっさと片付けてしまうと、悠夜はそのまま黙って席を立った。
気が付けば、白熱した議論を交わしていた銀平と咲絢も食事を終え、後は生徒会室で資料を見ながら検討しようということにしたようで、そのテーブルには萌菜が一人、ポツン、と取り残されていた。
……だが、この少女の思考はまた、人の斜め上どころか遥か上空を行くように設定されているらしい。
彼女は一瞬だけ悠夜に言われた言葉の意味が理解出来ずにキョトン、と虚空を見つめていたのだけれど、次の瞬間にはテヘペロ、と舌を出し、コツン、と軽く自分の頭を叩いて言ったのだ。
「ヤダぁ~、萌菜ったら、今日は知玲先輩と接触しようと思ってたから付けて来る香水、間違えちゃったぁー! 悠夜先輩の好みはスウィートよりエレガント、だもんネ! 気を付けなきゃ!
それにしても……ハァ、初日で悠夜先輩の『俺に近付くな』イベントに遭遇するなんてラッキー☆ ゲーム通りの……ううん、それ以上に格好良かったし、良い声だったなー!」
大きな声でキャッキャと語り、一人でケーキを食べ始める少女。
その姿は何処か狂気を孕んでおり、周囲も極力近付かないようにしようという利口な選択をした結果、萌菜の半径数メートルからは一気に人がいなくなったのだが、当の彼女はそんな事は気にしていないようだ。
「さすが『マジシャンズ・ハーモニー』の世界だなぁ……。知玲先輩も悠夜先輩もすっごく格好良いし♪ 他の対象者とも早くお話してみたいなぁ~!
入学式で挨拶してた理事長もすっごく格好良かったし、萌菜の推しは知玲先輩だけど、ホントもぉ、迷っちゃ~う!!
それにしても、初日で生徒会長のイベント起こしちゃうとか、萌菜ってやっぱ天才なのかも!」
独り言というには大き過ぎる声でそんな事を喋り続ける姿にはもはや恐怖しか感じない。
しかもその内容は全く意味が解らなかったし、周囲はイタい娘どころか変質者として彼女を認識しつつあるのだけれど、彼女はまるでそんな雰囲気を気にすることもなく、
あーでもない、こーでもないとキャッキャと呟きながらケーキを食い散らかし、ココアを飲みきった。
黙っていれば妃沙以上の美少女であるだけに、その姿は残念としか言いようがない。
「……さ。せっかく大好きなゲームの世界にやって来られたんだから頑張らなくちゃね。まずは味方を作らないと……。お助けキャラ、何処にいるのかなぁ?」
グルリと周囲を見渡す彼女の視線に当たってしまったら一環の終り、とでも言わんばかりに、周囲の人々がそそくさと彼女から離れて行く。
だがしかし、ようやく遅すぎる昼食を摂る為にやって来た一団は彼女のそんな凶行を知らずにおり、萌菜は今、その中の一人に視線をピッと定めてニタリと微笑み、呟いた。
「見ぃ~つけた!」
そして、きゅるん、とまた表情を可愛らしいものに変え、ターゲットに近付いて行ったのである。
やたらとガタイの良い男子生徒ばかりが集う、その集団に向かって。
───◇──◆──◆──◇───
一方、突然の襲撃を受けた妃沙達一行は、元いた場所からかなり離れた場所に席を移して食事を再開していた。
未だにあの甘い匂いは鼻の奥に残っているような気がしたけれども、知玲が「気のせいだよ!」と言いながら臭気消滅、と囁いて魔法を使ってくれたので手にした食事の香りを満喫する事が出来るようになっていた。
知玲もまたあの甘い匂いはとても苦手であったので、この魔法は彼らの為というよりは自分の為のついで、といった状況である。
「高等部にもなると色々な方がいらっしゃいますのねぇ。とても愛らしい方でしたけれど、わたくしの感性とは異なる物をお持ちの方のようですわ。
けれど知玲様、案内して下さる約束などなかったと思いますのに、よろしかったのですの?」
「冗談でもやめてね、妃沙。それに僕だってあの子の事は本当に知らないんだよ。突然声を掛けられて何か言ってたような気はするけど、正直、何を言っているのか解らなかったんだよね……」
ハァ、と溜め息を吐く知玲を、よしよし、と撫でる妃沙。彼が自分と二人きりの時以外でこんなに疲れた様子を見せるのは珍しかったので、かの女生徒のことは本当に苦手なのだと妃沙にも理解が出来た。
妃沙としてはあの匂いが苦手だっただけでその言動までは注目することなく離れてしまったのだけれど、事前に関わってしまったらしい知玲にはもっと違う何かがあったのだろうと、撫でるその手で察する妃沙。
他人に対して悪い感情を抱いても、それを表に出す事が極端に少ない知玲なので、それは相当なものなのだろうと、さすがの妃沙にも理解が出来る程であった。
そして、そんな二人の様子を見ながら、新たな危険人物の登場にピリッと難しい雰囲気を漂わせていた充が真剣な表情で知玲に問う。
「……テロですか」
「……ある意味ね」
ハァ、と再び溜め息を吐く知玲。
妃沙の前でこそそんなヘタレな表情を見せる事はあったが、彼女の友人達にとっては完璧超人であった知玲。そんな彼が珍しく見せたその表情に、知玲のストレス度合いが相当なものなのだろう、と察する面々。
そんな中にあり、突然襲来した強烈な少女が苦手過ぎた為に一緒に逃げて来てしまったけれど、妃沙信者としてはその症状は重くない聖がポツリと口を開く。
「黙っていれば可愛い子だったのにね。ある意味、水無瀬より残念だよね、彼女」
「そうですわねー……って玖波先輩!? わたくしが残念だとでも仰りたいのですの!?」
見事なノリツッコミである。そしてまた、妃沙を残念系美少女と言わずして誰を言うのだ、と周囲が意思を統一した所で、あの少女と一応は同じ性別である葵が言った。
「変に警戒することないんじゃねーの? あんなの、面白がって見てれば良いだろ。下手に警戒したら客観的に見られなくなっちまうしさ。まぁ……妃沙に危害を加えるようならさすがに排除するけどな。
ああ言うタイプはさ、「応援ありがと、キミのお陰だよ、これからもよろしくね」って言っときゃ、自分の中で補完してくれると思うぜ。逆に下手に遠ざけようとすると面倒臭いことになっちまうかもしれないぜ」
……もう一度言おう、これは『女子』である葵の台詞である。
だが、運動神経抜群で歌劇団めいた美貌を誇る葵には、特に中等部から熱烈な女性ファンが付いており、その存在がまた大輔が一歩を踏み出せない要因にもなっていた。
そして、不可侵条約にも似た統制の取れた知玲のファンと違い、キャーキャーと黄色い歓声を受ける事が多いのは、実はこの面々の中では葵が一番だったのである。
何しろ充には『大切な人』がいることは有名な事実であったし、知玲もまた婚約を解消してもなお、妃沙しか目に入っていないのが丸解りなのだ。
大輔に至ってはその野球の才能を認めこそすれ、恋愛対象として見られることは少なかった。
中等部でマネージャーが彼に告白をして撃沈した逸話は有名であったし、彼にもまた想い人がいるのだという事実も、常に彼の視線の先に誰がいるのかが丸解りな状態では察するなという方が無理な話だ。天下の鈍チン、妃沙ですら気付いているくらいなのである。
だが、葵に対して躊躇する女子はいない。むしろ、同性の気安さで纏わりついてくる女子が他より多いくらいだ。
そんな葵を、女子にモテたことのない妃沙は少しだけ羨ましく思っていたのだけれど、また、葵を一番好きな女子は自分であるという自負は絶対に譲れないものでもあったのだ。
「葵!? わたくしという者がありながら、そんな風に他の女子と交流を深めていらしたのですわね!? わたくし……わたくし……!」
「バカ、妃沙! アタシには妃沙だけだよっ!」
ヒシ、と抱き合う百合ップルの姿を見て、周囲はハァ、と溜め息を漏らしつつも通常営業に戻ったことに少しだけ安心した表情を見せた。
突然に襲来したあの甘ったるい匂いの少女が齎した衝撃は、今までの環境を壊してしまうのではないかと全員が少しだけ不安を抱いていたから。
「……葵さんあのね? 最近、君が格好良すぎるから僕の計画が進まなんじゃないかと疑っているんだよ。君も女性なんだから、そろそろ周囲に目を向けてさ……」
そう言いながら、大輔に「なんとかしろ!」と厳しい視線を送る知玲。
だが、大輔に睦み合う美少女二人をなんとか出来るくらいの気概があればとっくに葵との勝負に打ち勝って告白の一つや二つ出来ていただろう。
なので、こんな場面で活躍するのは美少女めいた魅力を放つ男子の充が適任であった。
「妃沙ちゃん、コーヒーがサーブされたようだから取りに行かない? 葵ちゃんには食後にオススメしたいものがあるんだよね。愛玉子って言うんだけどさ、サッパリしてて美味しいんだよ!
妃沙ちゃんは締めにコーヒーを好む人だからこのデザートは合わないかもしれないけど、葵ちゃんには絶対オススメ! ボクも大好きだし、カレーを食べた大輔君にもおすすめだからさ、皆の分を取りに行こうよ、ね、ね?」
優しく微笑んで二人を自然に引き剥がし、同時に彼女らの興味を引くワードを与えながら次なる行動を促す様はさすがである。
元々、妃沙は食後にはコーヒーを取りに行こうと考えていたところであったし、情報通な充オススメのデザートなど、ややミーハーな所のある葵が興味を惹かれないはずもない。
そうして充が二人を再びカフェテリアの方向に誘導すると、大輔がポツリ、と呟いた。
「……知玲先輩、すみませんッス」
「……いやいや。大輔君、お互いに想い人には苦労するね」
フゥ、と溜め息を吐いて大輔を労わる知玲に、そうなんッスよぉー、と涙すら浮かべながら想いの丈を語り出す大輔。
アイツ俺よりモテやがるし高等部に入ってもなお、男子顔負けな身体能力を発揮するから付け入る隙がないんですよぉーなんて力説している彼に、うんうん、解るよ、と、同じく男前な行動を見せる想い人を持つ知玲が心から共感しながら相槌を打っている。
そして、そんな二人を何処か呆れたような……けれども優しい瞳で見つめながら、聖がすっかり冷めてしまった紅茶を飲んでいた。
「……青春かぁ……。僕にもまたやって来るのかな……」
何処か遠い瞳でそんな事を呟く聖だけれど、彼だってまだ青春真っ盛りの高校生だ、その心の中に誰かが棲み付いても不思議はない。
けれど、中等部での失恋の痛手を未だ背負っている聖には、新しい恋に目を向ける余裕などまるでなかったのである。
だが、そんな彼の中に長い間棲み付いていた紫之宮 凛の幻影は、最近ではやや影をひそめるようになっていて……代わりに、最近やたらと目に付くようになった後輩の姿があったのだけれど……
「……婚約解消だなんて、何を考えてるんだか、まったく」
フ、と自嘲気味に微笑みを落とした彼の姿は高校生にはあるまじき色気と哀愁を伴ったものであったのだけれど、彼の周囲の残念な女生徒にはその魅力は全く伝わっていなかった。
「何て良い香りのコーヒーでしょう! 翠桜さんに頂いたブレンドには敵いませんけれど、これはこれで……!」
「愛玉子ヤバっ! なぁ充、丼に盛って行って皆で食べたら楽しそうだし、やっても良い!?」
「妃沙ちゃん、コーヒーはカップで飲んで! 量がたくさん欲しい気持ちは解るけど、それってスープボールだからね! エレガント、大事!!
葵ちゃんも丼とかそういう情緒のないことは止めてね!? まったく、君達は少しは女子としての嗜みを美子から見習ったらどうなの!?」
……物理的に距離が遠かっただけのようである。
だがしかし、あくまで『食』に夢中になってしまうような残念な女子達が例え側にいたとしても、その魅力は正しく伝わらなかったに違いないし、聖にとっても良い迷惑だと言えたので結果オーライに落ち着いていたのである。
◆今日の龍之介さん◆
龍「今日のタイトルって誰のこと言ってんだ?」
一同、ジッと視線を向ける
龍「ああ、あのピンクブロンドちゃん? かわいーしヒロインって感じするよなー。俺はちょっと苦手なタイプだけど」
知「……もう一度あらすじから読んでみようか?」
龍「????」




