◆29.チアはミニだろうがッ!
34.5cmは絶対正義。
「ご一同! 自分は六年でこの『空組』を勝ち取り、今回、団長の任を与えられた一市民である!
この場に天使と王子の存在を得られ……競技の結果などよりもまず、応援合戦に全力投球すべしという任務に駆られておるが御一同は如何か!?」
会議が始まりものの一分で、教壇の前に立った身体の大きな角刈りの男子生徒がドン、と机を叩いて力説している。
そのアツすぎる問い掛けに、妃沙と知玲、充を除いた周囲の生徒が全員が席を立ち、「おおぉぉーー!!」と歓声を上げているが、妃沙達には未だ状況が見えていないらしい。
「知玲様、充様。天使と王子ですって。そんな存在がいらっしゃるなら、確かに応援合戦は俄然有利ですわね!」
妃沙ほど鈍くはない二人は、それぞれそうだね、と笑いながら妃沙の言葉に相槌を打っている。
意味合いこそ違えど、重篤な妃沙大好き病を患っている二人だ、楽しそうな妃沙を遮る事など決して出来ないのである。
その鈍さも『可愛い』とか『守ってあげなきゃ』とかいうポジティブな感情に変換されるのだからもはや末期と言って良いかもしれない。
きっと妃沙が『チョコレートは苦い』と言えば『カカオの含有量が多過ぎるね』と言い、『冬は暑い』と言えば『暖房を使い過ぎるのも考え物だね』なんて言うに違いない。
それは決して妃沙を甘やかしているとかその発言が絶対だとか思っている訳ではなく、ひたすらに『彼女の意思を尊重したい』という考えに基づいたものであるのだから始末に負えない。
だが、そんな彼らをよそに、室内のボルテージは徐々に上がって行っているようだ。
「どんな演目が彼らの魅力を最大限に引き出せるのか……即座に答えを出せないふがいない団長を許して欲しい!!」
「団長! 『天使と悪魔』という素材は如何でしょうか!? 髪の色も対照的ですし!」
「ありきたりすぎるわ! 知玲様が悪魔だなんて有り得ないことよ! それを言うなら王子を悪の道に引き摺りこむ堕天使じゃないの!」
「悪に落ちる天使……それも確かに悪くない、悪くないが!! だがしかし、無垢な魅力を最大限に表現出来る、今という時間を無駄にして良いものか!? 純朴な時代というのはすぐ過ぎてしまうのだ!」
「私もその意見に一票を投じるわ! 王子が醸し出す甘さは今までになかった事ですし、来年の保障はないものよ!」
侃々諤々の話し合いが繰り広げられる教室内。その様相はまるで、重要な政策を決める必要があるのに与党と野党の勢力図が拮抗している国会議事堂のそれである。
誰かが何かを言えば違い意見が即座に飛び出し、それに対してまた最初の意見とは違った言葉が放たれるのだ。
意見を纏めるべき団長すら、今やその話し合いの只中にその身を投じており、もはや事態は収拾がつかない。
天使だの悪魔だのウサギちゃんだの王子だのと言われている当の本人達はおやおや、まぁまぁと楽しんでその様子を眺めていた……特に、妃沙は。
「皆様、色々な意見やイメージをお持ちなのですわね。まるで動物園のようですわ! けれど、応援団と言えばやはり学ランですとかチアガールですわよね!」
その妃沙の言葉に、周囲ハッと息を飲み視線を妃沙に固定させた。何故だか今まで妃沙と談笑していた筈の知玲と充まで、脳内で何かを妄想し、仄暗い炎を灯した瞳で妃沙を見つめている。
「……けも耳チアガール……!」
「……良い……!」
知玲、充を含めた教室中の男子生徒が、口々にそんな事を口走りながら妃沙をうっとりと眺めている。
「……長ランに白タスキ……素晴らしい……!」
「知玲様の華奢な体躯なら短ランも捨てがたいわ……。この学園の中等部・高等部はブレザーなのですもの、拝める機会は今しか……!」
女生徒達も、何処かポヤンとした表情で知玲を……正確には知玲の斜め上辺りを見つめている。どうやら何か妄想を滾らせている様子である。
「男子が学ランなら女子はセーラーだな。ネコ耳セーラーチア……ああ、最高だ……」
今や団長までがここではない場所にて何やら妄想の翼を拡げている。
だが、突然、バンッ! と大きな音が聞こえ、机を叩いて立ち上がったらしい知玲が、小学生とは思えない低い声で言い放った。
「……違う、妃沙はネコじゃない。ウサギだ、ヤウッサちゃんだ!」
室内が、一瞬シーンと静まり返る。
だが、次の瞬間には、まさかの知玲からそんな発言が出た事に驚きながらも、『ウサ耳の妃沙』を妄想した生徒達の感動の声に包まれた。
そして室内は、ウサ耳や学ランといった方向でテーマが決められて行き、衣装のイメージが出来上がり、ストーリーすら固まりつつある。
当の知玲も、妃沙に着せるにはこんな服が、とか、それなら物語のテーマはこんなのはどうだろう、などと積極的に話し合いに参加していた。
演目の中心人物にさせられてしまった妃沙はと言えば……もちろん、前世では決して出来なかった経験に大興奮でキャッキャと会議に参加している。
そして、自らも楽しそうに話し合いに参加していた銀平だったが、大方の演出が決まり、夕暮れに染まりつつある教室の中で今日は解散、と告げられると、クク、と意地の悪い笑みを浮かべて知玲を小突いて言った。
「知玲お前、ノリノリで妃沙ちゃんの衣装とか決めちゃってたけど……良いの? このまま行ったら超絶可愛い妃沙ちゃんが全校生徒の注目の的になるんだぜ?」
銀平のその言葉に、ハッと正気を取り戻した知玲だが、もう遅い。事態は実現に向けて驀進してしまっていたのである。
「銀平! 気付いてたなら止めろよ、良い筈がないだろう!?」
「お前が一番ノリノリで話を進めてただろうが。それに、俺だって可愛い妃沙ちゃん見たいもん。止めるかよ」
アッハッハと大笑いしている銀平の胸倉を、物凄い形相で知玲が掴む。
だがそれは完全なる責任転嫁であり、隣では決められた内容に妃沙が「上手く出来るか心配ですけれど、楽しみですわ!」と、楽しそうな笑みを浮かべていた。
妃沙の楽しみは決して奪わないと自らに誓っている知玲だ、妃沙からそんな表情が生まれてしまっては、どんな手を使っても撤回など出来よう筈もない。
「お前が側にいるんだから大丈夫だろ。こうなったらこの可愛い妃沙ちゃんは俺の婚約者だぞーって思いっ切り全校生徒にしらしめてやりゃ良いだろ?
……けど、お前がこんなにノリノリになるなんて、正直、意外だったな。知玲、お前……本気で妃沙ちゃんが好きなんだな」
本気で好きだから、妃沙の可愛い姿を一番見たいのは知玲なのだと銀平は悟っていた。だから、妃沙を着飾る話し合いにはタガが外れて参加してしまったのだと。
普段は超人染みていて取っ付き難い所もある親友だけれど、こんな所は人間らしくて良いな、と思うのだ。
弱みを見せる事のない知玲を突けるのはこんな時くらいだしな、と、少し意地の悪い事も考えながら。
「……不覚だ……」
眉を顰めて項垂れる知玲。
だが、そんな彼に、テンションが上がったままの妃沙がトテテ、と近寄って来て両手を握って言った。
「知玲様! 良い応援をしましょうね、一緒に!!」
キラキラと輝く妃沙の笑顔。
……抵抗なんて出来るはずないじゃないかと、知玲が苦笑を漏らし、握られたその手をギュッ握り返す。
「……ん。 妃沙、こうなったら僕も思いっ切り楽しむよ。せっかく君と、初めて一緒に参加出来る運動会なんだから、さ」
優しく微笑んで妃沙を見つめる知玲の瞳には、深い慈愛の色が灯っており、そんな彼の表情を一身に受け止めた妃沙もまた、心から幸せそうな表情で微笑んでいた。
そんな二人を、次々に生徒が退出していく教室の中で、銀平と充が並び立って眺めている。
「……クッソ。いつもならリア充爆ぜろって言ってやる所なのになぁ……。アイツらの幸せそうな姿は、ずっと見てたいなんて思っちまうよなぁ……」
「真乃先輩、知ってます? あれ、今は知玲先輩の片想いなんですよ。妃沙ちゃんにその気は全然ないんです」
充のその爆弾発言に、銀平は目を見開き、マジ? と充に問い掛ける。
「妃沙ちゃんは、可愛くて素直だし、曲がった事は大嫌いですけど、良い意味でも悪い意味でも博愛主義なんですよね。あんなに可愛いのに、何故だか自分に向けられる好意は心から信じていないって言うか」
大人びた表情で妃沙を見つめる充。
コイツ本当に小学一年生かよ、と、やや胡乱気な瞳で銀平は充を見つめている。
だが、当の充はそんな様子もまるで気にする様子もなく、優しい瞳で妃沙を見つめながら言葉を続けた。
「芸能界、なんて。悪意と嫉妬の巣窟ですからね。自分の仕事は少なくても、そんな世界に没頭している親がいればね……色々と学ばざるを得ないんですよ。
でも、少しずつ妃沙ちゃんも変わって来ているし、知玲先輩もだいぶご自分に素直になって来てますよね。まさか妃沙ちゃんにウサ耳だなんて知玲先輩が提案するなんて思わなかったです」
フフ、と、大人びた笑みを浮かべる充。
「知玲先輩も、可愛らしい所があるんですね。ただの嫉妬マンかと思ってましたけど」
「まーな。でも、知玲ほど自分に素直な奴はそういないんじゃねぇかな。アイツが完璧なのはさ、妃沙ちゃんに格好良いと思われたいから、らしいし」
銀平の言葉に、目を見開いた充が、え、と声を漏らす。
「良いんじゃねーの? 理由はどうあれ、努力する意味や目標があるヤツは強いぜ。たぶん知玲には知玲にしか解らない理由があるんだと思うし。
サボるなら注意の一つもするけど、頑張るヤツを止める理由なんかないだろ。俺はそんな知玲と友達になりたいと思ったんだからさ」
そうですね、と、呟くように言葉を返す充の瞳には、相変わらず楽しそうな妃沙と知玲が映っている。
酷くシリアスな雰囲気の銀平と充だが、当の二人は現在、やや険悪な雰囲気になりつつあった──とてもくだらない理由で。
「知玲様、スカート丈は膝上でお願いしますわ! 貴方が選ぶのはいつも膝下のお上品な丈なのですもの、チアと言えばミニですし、若いうちしか履けませんでしょう!?」
「却下。露出は出来るだけ押さえて行くよ。妃沙、他人に肌を晒したいだなんて、いつからそんな破廉恥な子になっちゃったの?」
「何を言うのです! チアガールが肌を見せなくてどうするのですか! 若い女人の肌というのは他人を発奮させるものではありませんか!」
「……へぇ? 君も発奮したんだ? 僕がやっている剣道は露出なんて言葉とは無縁だと思うんだけど、いつ、何処で? 誰のどんな姿に君は発奮したって言うの?」
「全世界の共通認識ですわ!!」
「なら君はその認識外で行こうね、妃沙。それでなくても目立つんだから」
「横暴ですわ!」
「決定事項だね」
ぷぅ、と膨れる妃沙の頬を、ぷに、と摘む知玲。
その会話の内容はまるで馬鹿ップルのそれだなと、銀平も充も思うのだけれど、何故だか二人のそれはいつまでも聞いていたいような温かさに包まれている。
側にいる事の多い二人だから、妃沙と知玲にただの幼馴染と言うには深すぎる絆を感じる事はあるのだけれど、まぁ二人が幸せならそれで良いかと思う程には、お互いの『友達』に感化されているようだ。
「真乃先輩。応援団、頑張りましょうね。たぶん、多少の騒ぎにはなるでしょうけど」
「ンだな。それとなく包囲網を張っておくよ。俺は妃沙ちゃんのファンで……知玲の友達、だからな」
芸能界と華道という、大人ですら渦巻く陰謀に辟易しそうな世界に身を置いている充と銀平。彼らはまた、妃沙や知玲よりもずっと嫉妬や悪意といった感情に晒されて来たと言って過言ではない。
そんな彼らだからこそ、心から信じ、大切にしたい存在は貴重で、全力で護りたいと思う気持ちはとても似ていたのだ。
前世からの後悔を抱えたまま、今世を後悔のないようにと懸命に生きている妃沙と知玲の姿は、こうして側にする人々に少しずつ影響を与えているのであった。
───◇──◆──◆──◇───
「那奈さん、もう絶対にいらないファーとかない?」
その日の夜、栗花落家。
充が自らの母、この国では知らない者はいないだろう程の有名女優、栗花落 那奈が帰宅するのを待ち構えていたかのように尋ねている。
なお、母を名前で呼ぶのは幼い頃から当人に言い付けられた習慣であり、脱いだ靴を丁寧に揃えながら「突然にどうしたの?」と首を傾げる女性は、とても二人の子持ちには見えない美貌を誇っていた。
充に良く似た金茶色の髪は緩く巻かれ、肩にフワリとかかっている。
大きな藍色の瞳や完璧な形の唇には家に戻ってもなお、完璧なメイクが施され彼女の美貌を彩っているが、決して高圧的な雰囲気はなく、落ち着いた色合いはその優しげな雰囲気にとても似合っていた。
「運動会で応援団をやることになったんだ。ボクと友達の妃沙ちゃんがメインのウサ耳アイドルを演じる事になったから、その耳と衣装に使おうと思って」
「まぁ! 充がそんな目立つ場所に立つなんて珍しいわね! ファーくらいいくらでも提供するけれど……鳳上学園といえば、初等部であっても凝った応援をするのよね?」
出迎えてくれた息子の額にただいま、とキスを落としながらそんな事を尋ねる母に、充はおかえり、と答えながら言った。
「うん。今年はボクと妃沙ちゃんのウサ耳アイドルを中心にした演武にしようって事になったんだ。ボクらの後ろで、男子は学ラン、女子はセーラー服で踊るんだよ。
今年は男子にも美形な先輩が揃ってるから、見どころは先輩達がボクと妃沙ちゃんをリフトする場面でね……」
「あら、素敵。『妃沙ちゃん』って、以前に写真を見せてくれた、あの金髪の美少女ちゃんよね? あの子と充がメインを張るなら、華やかなものになるわねぇ!」
楽しげに会話をする母と息子。
そこに、飲み物を取りに来たらしい充の姉、雫が通りかかり、ピクリ、と身体を硬直させる。
「……充、まさかとは思うけど……今年の応援団に東條 知玲くんはいないわよね?」
ギラリ、と獰猛とすら言える光を称えた瞳で充を見据え問い掛ける姉に、充はビクッとなりながらも健気に答えた。
「うん、知玲先輩も同じチームの応援団だよ」
「まさかまさか、真乃 銀平くんがいたり?」
「……う、うん。真乃先輩も応援団だけど……」
ズイ、と顔を至近距離まで近付けてくる姉に対し、充はどもりながらも素直に答える。
だがその瞬間、姉の雫は持っていた飲み物をドン、と大きな音をさせてその場に置き、グググ、と拳を握り、フルフルと肩を震わせている。
「……ね、姉さん?」
「なんてことなのォォォォーーーー!!!!」
突然絶叫した姉に、充は思わずよろめき倒れ、側にいた母は、目を見開いてあらあらと上品に口元に手を当てている。両者共に驚いているようだ。
だが、雫はその勢いのまま充の肩を掴み、ガクガクと揺さぶり、覆い被さるようにして瞳を血走らせて物凄い形相で泡すら飛ばしながら充への詰問を開始した。
「アンタたち馬鹿なの死ぬの!? 充、妃沙ちゃん、知玲くんと銀平くん! そんな萌え要素が折角揃ったのにウサ耳アイドルと学ランで演武!? なにそれ神への冒涜でしょ!?」
「でも、テーマは決まってしまったし、応援の持ち時間は五分しかないからそんな大層なことは……」
「五分!? それだけあったらどれだけの名シーンを演出できると思っているのよ! 私の妄想力をナメるんじゃないわっ!」
こうしちゃいられないわ、と、雫は物凄い勢いでポケットから携帯を取り出し、母に向かって何やら画像を見せつけている。
「那奈さん、この子が東條 知玲くん。そしてその隣にいる銀髪が真乃 銀平くんよ。この二人は今、初等部のみならず、大学も含めた鳳上学園で有名な美形コンビなの!」
「あらあら、どちらも素敵な男の子ねぇ」
「この二人が充と妃沙ちゃんと絡むというのに萌えずにいられる!? ウサ耳と学ランというテーマが変えられないなら、そこにほの暗い嫉妬や無垢な天使の堕落なんてテーマを入れて……」
「この場合、堕落するのは充ねぇ。それを誑かすのは、私的にはこの黒髪の子の方が相応しいと思うのだけれど、雫ちゃん、どう思う?」
「さすが那奈さん! 最高です!!」
突然始まってしまった、母と姉の妄想劇場に口を挟む事など……充に出来ようはずもない。
それから、時間にして約三十分、二人の間でストーリーとイメージが話し合われ、やがて帰宅した映画監督の父にもそれは共有され……
「充、これでおやりなさい! 違えたら今後、この家に貴方の居場所はなくなるわよ!!」
台本、衣装イメージ、演出効果等の詳細を書き記した分厚い紙の束を渡され、充はハハ、と乾いた笑いを漏らす事しか出来なかった。
家族の才能は尊敬しているし、作られたプランは確かに良いな、とは思うけれど、それは決して充ひとりの、ましてや彼はまだ初等部の一年で発言力などないのだ、決められようはずもない。
だが、そんな彼の葛藤を見抜いたかのように、有無を言わさぬ言葉が告げられた。
「大丈夫。学校には私から連絡をしておくわ。振り付けの先生も頼んでおくから、頑張って良いものを作るのよ?」
ニコリと美しく微笑む母。
こうなってはもう、充に反抗する手段などない。栗花落家は女性を立てよという教訓のもとに成り立っており、充もまた、母や姉の生み出す作品にはある種の憧れすら抱く事があった。
自分がネタになる事になど慣れている。ましてや、今渡された台本は、妃沙も知玲も銀平も、きっと素敵に見える演出が成されているなと、充も納得出来るものだったのだ。
「……解ったよ。有り難う、那奈さん、姉さん。きっと素敵な応援合戦にしてみせるよ」
微笑んで請け負った充。
そしてこの後、権力というものに頼ることなく、充が提案した案は団員全ての支持を得られ、有名女優と実力派映画監督の協力のもと、後に学園の伝説となる演目へと昇華することになったのであった。
◆今日の龍之介さん◆
龍「誰がヤウッサちゃんだ、誰が!?」
知「……萌え……」
雫「……萌え……」




