一章 そう、ここは巫女の地 1
「美しき自然。
空気は美味しい。
雲は白く空は青い。
川の流れる音。森がざわめく音。
自然とは全てを癒してくれるものなので~す。」
最初、彼女と会ったときこいつマジかと思った。
どうやらマジなご様子なこいつは両親に巫女の地へ行くのならば知り合いがいるから協力してもらえと言われて出会った。
ほんとにこいつですか?と思ったが腕利きの狩人らしい。
一応言うが女だ。
見た目のエルフ感が凄まじいんだが……。
金髪だからだろうか。
僕は明日から始まる大会で先ほど20分ほど前に始めてあった自然を愛してる(イカれてる)女と協力して見事優勝しなければならなかった。
その大会はチーム戦なので知り合いを紹介してもらった次第である。
まあさすがイカれた両親の紹介なだけある。
「俊太さん。宿へ行きましょう。英気を養うのも大切ですよ~。ここは空気が美味しい。すぐに英気など養えるでしょう。」
「は、はあ。同じ部屋なんですね。」
「渡された資金が少ないもので~。」
あのケチ両親……許さん。
「露天風呂もあることですし~。楽しみです~。食事も天然素材ですし~いやいいところに泊まらせてくれました~。」
「もしもっと都会の宿だったたらどうします?」
「そしたらその宿を壊して街も破壊するんじゃないですか~?」
え?笑顔でなに言ってるのこの人。
「冗談です。ほら宿に着きましたよ~。」
冗談ですか?
「あの~。すみませ~ん。予約してたものですが?」
優勝できるか真面目に心配だ…。