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五章 姉妹間の大戦争 1
僕は強烈な頭痛と共に目が覚めた。
「ん……昨日は確か……。なんだっけ?」
目が覚めるといつも寝ている布団で寝ていた。
だが明らかにいつもと違うところがひとつあった。
「あーそうか。なんか寒いと思ったら壁がないからか……っておい!」
なぜか家の壁に人が二人はいれそうな穴が開けられていた。
「何がどうなってこうなった?」
これだけの穴を開けられる人物には心当たりがあった。
二名。
というか開けそうなやつら。
「あの二人どこいった?さては逃げたな?」
電話をしてみたが繋がらない。
「着信拒否でも来てるのか?」
そこでひとつ思い出したように気がついてしまった。
僕は全力で外に出ると町中を走り出した。
壁の穴もそうだが明らかにおかしなこと。
穴を開けたとしても逃げずに家にいそうな人。
「美狐がいない。」
そして家の床には美狐の毛が何本も落ちていた。
何がと争ったように部屋のあちこちがへこんでいた。
彼女らを探して町中を走り抜けた。