四章 禁忌の子と禁忌の子 1
「まず何だけどこういう話を知ってるかな?」
美狐が不思議そうにこちらを眺めてくる。
「あいつらの正体は知ってるだろ?」
「はい。鬼と魔術師です。」
「鬼と魔術師のハーフの話は知ってる?」
「はい。世界の禁忌である種の混じりあいで生まれてしまったのでしょう。私も同じ罪で命を狙われているので。」
「その子は同族、つまり親を含めた一部を除いた全ての鬼、魔術師プラス懸賞金目的の人達に命を狙われてたんだ。」
「私は親以外の神から命を狙われてます。妖怪の方は特に何も。」
「その子についてどう思う?」
「そうですね。私より過酷な人生を歩んできただろうですね。」
「はぁ。まあお互い様ですよ。」
美狐の目が点になった。
「そういうこと。」
「……。つまり俊太さんは鬼と魔術師のハーフ、ということですか?」
「理解が早くて助かるよ。」
「いえ確かに鬼の子を妹と紹介されてるので可能性あるのではと思いまして。」
「そうだよね。まあだから美狐と僕はほとんど同じ環境で生まれてると思わない?」
「ではこうしましょう。昔のことをお互いに語り合うというのは。」
「なんでさ?急に。」
「いえ。少し興味があるので。」
「いいよ。そんなことなら。」