18/33
三章 明かされた真実 6
「ただいまー!」
あいつが帰ってくるといつも元気な声が響き渡る。
「二人って……転校生の二人じゃないですか。」
「紹介するよ。まず俺の妹、鬼束理恵。鬼の一族の頭領の娘だ。」
理恵はペコリと頭を下げた。
「次に幼馴染みの神田真帆。」
真帆もお辞儀をした。
「皆さん。はじめからお知り合いだったのですね。」
美狐が震えている。
「騙すつもりは……。」
「やっぱり私をはめるために。」
「ち、違うって。落ち着いて!」
美狐はそういうと走って家の外まで行ってしまった。
「行っちゃいましたね。」
「誤解されてるみたいだね。」
「美狐……。」
説明する前に逃げられるとは想定外だった。
「探しにいきなよ。」
「そ、そうだな。」