三章 明かされた真実 5
「うぅっ……。」
美狐が身を悶え出した。
「んん……。ここは……。私は……。」
「おはよう。」
「あっおはようございます。」
どうやら美狐は寝ぼけているらしい。
「はっ。私はどうして……。どうして俊太さんの部屋にいるんですか?」
「落ち着いて。とりあえずこれでも食べて。」
さっき真帆に用意させていたスープを飲ませた。
「あ、ありがとうございます。これ美味しいです。俊太さん料理上手だったんですね。」
「僕が作った訳じゃないよ。あとちょっとしたら作った本人が帰ってくるから礼ならそいつに。」
「誰なんです?」
「美狐も知ってる人だよ。僕の幼馴染み的な人。」
「前にもおっしゃっていましたね。でも会ったことは無いと思いますよ。」
どうやら美狐はスープを飲み干したらしい。
器を僕に返してきた。
「それで私は……。記憶が曖昧なのですが確か襲われてたと思うんですよ。」
「そうだね。」
「誰が助けてくれたのですか?」
「うーんと僕かな。」
美狐はポカンとした顔をしていた。
「あのゴツいやつらいませんでした?」
「いたね。」
「それどうしたんです?」
「まあまあその辺の話は二人が帰ってきてから。」
「二人?誰のことです?」
「来たら分かるよ。美狐はお腹空いた?」
「そうですね。少し。」
「二人にはお使いさせてるから戻ってきたら何か作らせるよ。」
「は、はあ。」
「そういえばなんだけど美狐さんって妖怪と神のハーフなんだってね。」
美狐は苦い虫を噛み締めたような顔をした。
「そうですけどそれがどうしました?」
「ううん。まあ詳しくは二人が帰ってきてからだな。」
扉の方でガチャガチャっと音がした。
「どうやら帰ってきたようだね。紹介するよ。僕の妹と幼馴染みを。」