三章 明かされた真実2 b
なぜだかわからないが足がそこへ向かっていた。
自分が一番長く過ごした所だからかもしれない。
死ぬのは怖かった。
だが誰かを傷つけてまで生きようとは思っていなかった。
思い返せば楽しい人生だったとは言いがたい。
常日頃から誰かに命を狙われていた。
「俊太さんは少しでも悲しんでくれるのでしょうか。」
久々に楽しいと思えたのは先日ここで出会ったあの少年と過ごした一日であった。
もしかしたらはじめて心のそこから楽しいと思ったかもしれない。
いつも人を信じる事ができなかったが彼だけはなぜか信じられた。
今さら何を思っても仕方ないが。
空を見上げると月が満月だった。
心残りなことはたくさんある。
人間の世界をもう少し知りたい。
誰にも命を狙われずひっそり生きたい。
友達がたくさんほしかった。
妹と仲直りしたい。
親を救出したい。
ふと遠くに敵の存在があることに気がついた。
あれは例の怪物だろうか。
私は死ぬ覚悟で反抗せずに彼らの方へ向かっていった。
あの買い物のあとに襲ってきたヤバイ人型の怪物がそこには20人はいた。
今回は失うものはなにもない。
勇敢な足取りで敵の方へ向かっていった。
先に行動したのは相手だった。
見事な隊列を組み連続攻撃を仕掛けてきた。
それを全て避けると呪印の一つを解放した。
その呪印が全てを飲み込み三体の怪物は死滅した。
だが残ったやつらが問題だった。
残ったやつらはこちらへ向かってきた。
それを見切ることができず攻撃をもろに食らってしまった。
そのダメージがとてもひどかった。
暴走列車のような図体が18発ほど連続で激突してきて耐えられるわけなかった。
そこでふらふらになってしまった。
だが攻撃は終わらない。
連激が何度も何度も来る。
もう終わったなと深く感じた。
覚悟していたのに祈ってしまった。
『助けてください』
と。