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プロローグ

プロローグ

 薬学部。それは将来薬剤師になるべく勉強する学生が集まる学部だ。それは我が摂北大学の薬学部も例外ではなく、この僕深山玲は将来薬剤師になるべく毎日この大学に通っている。

 昼食を食い終えてぐったりしている僕をよそ眼に一人教科書を眺めているのは長田新。成績優秀で真面目な、ほんとになんで僕と一緒にいるのかよくわからない友人だ。

「ねえ、新。」

「なに。」

「今日の実習って何やるんだっけ。」

「確か、下水の汚染度調査やな。」

ふむなるほど。汚染度調査か。

「薬学部の実習とは思えない…」

「しゃーない。やれと言われればやるだけやろ。単位のために。」

 どんだけ優等生だよ。勘弁してくれ。僕の立場がない。いやいつもないけど。

 うちの薬学部は、というかどこの薬学部においても同じだろうが(別に調べたわけじゃないから知らない)、授業の後は大抵実習がある。現在三回生である僕らは「衛星薬学実習」と称して主に公衆衛生に関する実習を受けている。意外に思われるかもしれないが、薬剤師の中には地方公務員として働いている人もいて、いろんな場所の衛生状況を調査し、改善する業務を行っている。薬局や病院などで薬をいじるだけが薬剤師の仕事ではないのだ。わかってはいる。わかってはいるが。

「メンドクサイ」

「片言になるほどか。ほら、さっさと行くぞ。もう時間だ。」

「ハイ…」

こうして僕らの日常は過ぎていく。少し大層な言い方してみたけど、単にこれからまた勉強させられるだけである。大学受験が終わったときは遊べると思っていたのに…。ままならないもんだなぁ。


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