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10 - 幕間(1)

誤字・脱字・文法の誤りがあったらごめんなさい。


今まで感想とか書いてくれた方々、ありがとう御座います。


故あって返信とかは出来ていませんが、全てに目は通しております。


また感想などを書いていただければそれが執筆の励みになります。


では、その瞳の新章をお楽しみ下さい。

 某月某所。


 議席の間に連絡役の男が駆け込んできた。

大老(エルダー)様、降霊課からの結果が出ました!」

「報告を」

「――はっ!」

 男は膝を突き、頭を垂れると説明を始めた。

「予想通り、何者かの手により神威召喚が成されたのは確実、とのことです」

 座っていた元老院やその補佐、または列席していた各課の教授たちがざわめく。

 神降ろし、神々の直接召喚とはそれほどまでに偉大な事なのだ。

 とくに超常を理とし、魔道を探求するものにとって神々との邂逅は到達点の一つとも言える。むしろ次元の狭間をこじ開けたというだけでも、ここでは英雄視されるだけの価値が存在するのだ。

 ざわめくのは当然だろう。

 元老院の一人がどうにかざわめきを制す、そして連絡役に続きを促した。

「教授の推測では恐らく東洋圏のいずれかの国で、との事です。詳細な場所は隠されていて感知は出来なかったとのことです」

 先程よりは小さく、だが別種のざわめきが起こる。

 今回の連絡役の言葉には、別の可能性が秘められていたのだ。

 人の魔力を小さなものをマッチ程度、大きなものを松明程度に例えた場合は、神威召喚に必要とされる魔力は原子炉にも匹敵する。

 それを、観測されはしたものの詳細は隠しきったというのだから、恐らくはかなり力を持つ組織の行動だろう。しかも、ここ、天下の時計台にまでついぞ動きを悟られなかった程の組織。

 連絡役は続ける。

「降臨した神は、その力の波形から恐らくは東洋圏の神話に属するいずれかの神、もしくは東洋圏に近い神話の神と推測されます」

 今度はざわめきは起きない。

 東洋圏での召喚だ。おそらくは東洋圏の神々だろうと予想は出来ていた。

 だが、次の報告で最大のざわめきが起きた。驚愕と言ってもいいだろう。


「降臨した神はいまだ送還された痕跡がありません。恐らくは契約が成立し、この世界に留まっているかと――」




 緊急の会議の後、学長の執務室に訪れ紅茶を馳走になる。

 だが、話題は先ほどの会議のものだった。

「どう思う?」

 私の問いに学長は難しい顔で答える。

「この時計台にまで隠し、儀式を実行するとなると大分絞られますな。中国の劉家か鳳凰連、もしくは日本の八百万機関――今は霊務庁でしたかな、まぁ、そのぐらいなモノでしょうな」

「わしもそう思うよ」

 予想通りの答えに頷く。

「一応は調査員を派遣しておきますかな?」

「当然だ」

 しかし、と続ける。

「維持、というのが分からないな。強力な霊地に括りつけてあるのか、それとも何らかの外法をつかったか」

 霊地であれば地脈から現界維持に必要な魔力を供給できる。外法なら召喚した神々を何らかの手段で封印することによって維持する事が可能だ。個人で神々の維持など出来るわけがない以上、それらの可能性しか思い浮かばない。

 だが、前者の手段なら土地が枯れて荒廃や天災を招く可能性があるし、後者なら神々の怒りを買う可能性がある。

 尤も、ありえ無い可能性としては、神が自らの存在を圧縮し維持に必要な魔力を減らすという事だが、神というのは総じてプライドが高く、傲慢なものである。

 自らの存在を縮小化するなど、ありえることではない、絶対に。


「どちらにせよ、調査は必要だ。手だれを送って調べさせよ」

「分かりました」

 現界した正真正銘の神である。

 いち魔道の徒としても、歴史ある時計台元老院の長としても、そして個人的にもなんとしてでも確保したくある。まさに咽から手が出てしまうほどだ。

 それに召喚した際の術や触媒も確保できるのなら、なおよしだ。

 故に、時計台の頂点にたつ者として命令を下す。



「草の根を分けてでも召喚者とその組織を探し出せ。恐らくは神威召喚に気付いたのは此処だけではない。かなり熾烈な競争になるぞ」




「何よりも早く、神を確保しろ」

ご感想・ご意見・各種批評・間違いの御指摘などをお待ちしております。


今晩から第二章終了まで連続投稿にトライします!



例大祭に参加しました。


名前は出しませんが、憧れだったレイヤーさんからサインをいただき、握手までしてもらいました。感無量です。


という事で、それを励みに連続投稿と三章執筆、ついでに雪華の改稿、頑張っていきたいです!!!

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