夕日坂

プロローグ

夕日によって朱《アカ》に染まる坂の上に建つ街、夕日坂町。

この街で少女と少年は出会う。

少女は思う。

「私は儚いありふれた幸せに恋したんだ…。」

少年は思う。

「幸せってのは人に与えるものだと俺は考える。」

世界でありふれた優しさに恋する少女と、その優しさを掴もうとする少年。

少女の名前は鏡月玲奈《きょうづきれな》。

少年の名前は戸枝和人《とぐさかずと》。

地元では有名な公立校、夕日坂第一学園に通う２人は太陽の見守る町と言われるこの町で

青春をどう過ごしていくのだろう。