ファンタジーの幕開け
『俺はいつもどうりに仕事をしていた』
『何でもない当たり障りのない日常』
『朝起きて、仕事に行って、返ってきて布団で寝る』
『何でもない日常が退屈で、退屈で、何か刺激を求めている反面、戦争などの刺激は求めていない』
『誰もがそう思っているだろう』
でも、なぜ、いざ、この非現実的な光景をみて自分の心の中がこんなにも高揚しているのだろうか!
それは突然起きた、いつも通りに仕事をこなしていた時間はもう少しで午後12時になる頃自分は一旦区切りをつけようと道具を片付けいた頃、
工場の扉が バンッ!と勢い良く開いた音した扉に目をやると1人の作業員が体制をくずしながら、『うわぁぁぁぁ!』悲鳴を上げならかと飛び出していった。
その声はまるで何かに追われているような叫び声、『何事!?』と思うのもつかの間扉の向こうから、『グギャァァァァ』と聞いたことの無いような叫び声のような、うめき声のような声が聞こえた。
その叫び声のようなうめき声のようなこえの方に目を向けると扉の開く音と共に小柄の人影が数人、工場内に入ってくるのが見えた
やがて扉が閉まると同時に入ってきたのが人間ではないことに誰でもが気づいた。
その容姿は人型ではあるものの肌は緑色で半裸、不潔そうな見た目で手には手入れされていないであろう短剣や棍棒、槍などを持っていて小学校中学年くらいの身長で近くに居るの作業者が鼻を摘まんでいることから悪臭がするのだろうと、見て取れた。
その特徴はアニメやゲームで良く見る敵。
《ゴブリン》
ゴブリンはアニメやゲームでは雑魚キャラとして扱われるが、雑魚キャラと油断して大勢のゴブリンに殺される、なんてものがよく漫画などで描かれる、敵キャラ
そんなゴブリンが目の前に現れたらどうなる?
答えは単純……パニック、二次創作のモンスターは二次創作だから怖くない、作り物は怖くないなんてのは常識で、
そんな二次創作のキャラが目の前に現れ手に持っている武器で襲われたらそりゃ驚くしパニックにもなるだろう、そんな起きるはずの無い、あり得ない状況が今起きているのだ。
パニックになった状況で、たった一人
俺、【御剣 刀夜】は、不思議と頭は冷静ではあるもの心は高揚していた。
心が高揚していて俺は馬鹿なっていただろう手に持っている先端が尖っている鉄の棒と同じものを数本持っていた。
工場内はまさに阿鼻叫喚の地獄と化していた
あるものは逃げ惑い、あるものは絶望の表情を浮かべ膝から崩れ落ちたり、あるものは家族に当てた手紙を書いているものもいた。
そんな混沌とした工場内に1人立ち尽くしてゴブリンをどう対処しようかと考えている1人の作業員がいた、普通は一目散に逃げるのが正解なんだろうがその作業員は目の前の光景に目を奪われていた
その、立ち尽くしている作業員に1匹のゴブリンが襲い掛かってきた、ゴブリンは手に持っているマチェットナイフのような短剣で作業員に振りかぶり攻撃をしようとした、振りかぶられた短剣に気づいた作業員はからだを横に反らしてして難なく回避し、手に持っていた先端が尖っている棒をゴブリンのコメカミめがけて突き刺した、
突き刺した後、追い討ちをかけるのように突き刺した棒めがけて、回し蹴りを行い蹴飛ばした、
回し蹴りによって蹴飛ばされたゴブリンの身体は宙をまい「ガッシャン」と鉄の道具がある棚に覆い被さるように倒れた、すかさず、落ちている鉄のハンマーでゴブリンの頭部を目掛けハンマーを振り下しゴブリンの頭蓋骨を叩いた
次の瞬間、頭の中から声が聞こえた。
個体名 御剣 刀夜の、【レベルアップ】を確認しました。
続いて、スキル 【体捌き】レベル1
【回避の心得】レベル1
【急所突き】レベル1
【行動予測】レベル1
【予見眼】レベル1
【短剣の心得】レベル1
【弱点看破】レベル1
【身体能力強化】レベル1
【付与魔術】レベル1
を、獲得しました。
称号 【始原の覚醒者 No、001】を獲得しました
レベルアップによりスキルポイントを獲得しました
と、頭に声が聞こえたが、その声をに耳を傾けず次の行動に移った。
ガッシャンという音に気づいた2匹のゴブリンがこっちを向き襲い掛かってきた、1匹はサバイバルナイフのような武器、もう1匹はショートソードに丸い木の盾を持ったゴブリンが襲い掛かってきた。
先に仕掛けて来たのはサバイバルナイフを持ったゴブリン、手に持っているサバイバルナイフを上から振り下ろす体制をとって突っ込んでくる。
俺は先ほど倒したゴブリンが持っていたマチェットナイフを手に取り逆手持ちに構える
『距離は10メートルくらいか?』
と、考えて、腰を低く落とし足に重心をかけ力を足に溜める、ゴブリンが5、6メートルくらいの距離に来たと同時に足に溜めていた力を解放するように勢い良く地面を蹴る。
一瞬でゴブリンの目の前に入ったと同時に、逆手持ちのマチェットナイフをゴブリンの首元めがけて横に降る、狙いどおりマチェットナイフがゴブリンの首元を掻き切り、血飛沫が飛ぶ、
そのまま横に降った腕の力を利用し横に一回転、ゴブリンの手から落ちたサバイバルナイフを逆手持ちで掴み回転を利用しゴブリンの胸元に向かって勢い良く突き刺した。
突き刺したサバイバルナイフはゴブリンの心臓部に刺さり、引き抜く為に突き刺したサバイバルナイフを掴みゴブリンの身体を蹴り飛ばした。
【レベルアップ】を確認しました
スキル、【気配察知】レベル1
【危機察知】レベル1
【強奪】レベル1
を獲得しました
続いて
スキル 【回避の心得】
【体捌き】
【急所突き】
がスキルレベル2に上昇しました
スキル【強奪】を獲得したため
称号 【盗賊】【義賊】を獲得しました
スキルポイントを獲得しました
蹴り飛ばしたゴブリンの身体は2匹目のショートソードと盾を持ったゴブリンに激突し、『グギャャャャ』と叫びながら数メートル吹き飛んだ、吹き飛んだゴブリンの下敷きになっていたショートソードを持ったゴブリンの首元にサバイバルナイフを突き刺しそのまま、強引に首を搔き切る搔き切っるその後、血飛沫が飛び顔にくっ付く、
顔にくっ付いた血を服の袖で拭った瞬間、後ろから殺気のような気配を感じ振り返ると弓を持ったゴブリンがこっちを狙っていた、
ゴブリンは弓の弦を引き絞りながら薄ら笑いを浮かべていた
『この距離なら俺を射殺せるてか?』
『舐めるな!』
手に持っているサバイバルナイフの持ち方を変えて、弓持ちゴブリンに向かって投げた。
『グギャャャャ』
と、声を上げながら、投げたナイフがゴブリンの眉間にグッサリと刺さって倒れた、手に持っているマチェットナイフを一緒に拾っておいた鞘に収め腰ポーチのベルト部分に括りつけるようにしまい、先ほど首元をサバイバルナイフで搔き切ったゴブリンが持っていたショートソードと盾を拾う
【レベルアップ】を確認しました
スキル 【投擲】レベル1
【剣の心得】レベル1
【盾の心得】レベル1
【防御の心得】レベル1
を獲得しました
続いて
スキル 【短剣の心得】【身体能力強化】【付与魔術】 がレベル2に上昇しました
【体捌き】【急所突き】がレベル3に上昇しました
称号 【狂戦士】を獲得しました
スキルポイントを獲得しました
脳内にアナウンスのような声が聞こえた。
「さっきからスキルやら称号やら言われてもな~」
「と言うか、最初に獲得した称号以外、なんか、悪者みたいな称号ばかり取ってんな俺」
と、頭をボリボリ搔きながらため息を着く
「と、そんな事より目の前の事を優先しないとな!」
前方10メートルくらいから、槍持ちのゴブリンが2匹、突進する勢いで走って来る。
拾った剣と盾を構え、ゴブリン2匹が突進してくるのを待ち構える2匹の内1匹が先に突進してきた
構えている盾の面に槍の先端が触れるタイミングで、盾を反らして槍の軌道を変え、そのまま槍の柄を掴む、
掴んだ槍と一緒にゴブリンを巻き込む形で腰を捻る、
腰を捻ると同時に右手に持っているショートソードを自分の首元に持っていく、ろくに手入れされていないショートソードのためゴブリンの首を跳ねる事は難しいと考え
そのため切るのではなく首を叩き折るようにショートソードを持つ手に力を込める、
剣の間合いにゴブリンが入ったと同時に剣をゴブリンの首元を目掛けて振り下ろした。
振り下ろした剣がゴブリンの首元に当たると同時に左手に握っていた槍を柄を離し、ゴブリンの首元に剣が触れ、同時にゴブリンの首と胴体が綺麗に離れる
振り下ろした剣の重さを利用し一回転するその回転を利用し地面に転がっていた槍を掴みもう1匹の槍ゴブリンに向かって投げた。
投げた槍は身体を回転させ投げた、そのため遠心力と投げる直前に力を込めたため投げた槍は勢い良くゴブリンの胸元を貫通し、近くあった壁に刺さった
『俺にこんな力があったのか!?』と胸の内で思ったのもつかの間、自分の右側面から顔面目掛けて火の玉が飛んで来た。
とっさに顔を反らして火の玉をよけ、火の玉が飛んで来た方向に目をやる、その方向には薄汚れた黒のローブを纏い、手にはルビーのような水晶玉が付いている杖を持ったゴブリンがいた。
その後、火の玉が飛んでいった方向を見ると火の玉がゴブリンの死体を一瞬にして丸焦げにしていた
「さしずめ、【ゴブリンメイジ】と言ったところかな?」
「なかなか良い攻撃しやがってぇ~」
「あの、火の玉が魔法て言うわけか」
「危うく火ダルマになっちまう所だったわ」
「しかし、まいったな、思ったより火の玉の威力が強い」
『とりあえず遮蔽物の裏に隠れとするか』
近くに遮蔽物を見つけ身を潜め、ゴブリンメイジを観察する、その間も火の玉を何発を放ってくる、遮蔽物に隠れているため攻撃は当たらないが、火の玉の衝撃は防げないため身体に振動が伝わってくる。
『こっちから相手の距離は約30メートルくらい』
『相手の周りに遮蔽物は無し』
『火の玉を発射してこっちの遮蔽物に当たる秒数は約3秒くらい』
『俺が全力の縮地を使って近づくとして』
『1回の縮地でMAX10メートルくらい進むことが出来るから』
『それを3回行って30メートル』
『だが、縮地を3回で行った後、必ず5秒間の硬直状態が発生するが硬直状態になるまで約1秒のラグがあるため、使ってすぐに硬直状態になるわけではない』
『そして硬直状態はゴブリンメイジにも言えること』
『いや、硬直状態と言うよりは装填時間と言う方が正解かな』
『まず、大前提として火の玉は連続して射つことができない、火の玉を1発射つごとに約7、8秒位のラグが発生する』
『つまり、火の玉を射った後の約7、8秒のクールタイムを利用する』
『対するあっちは火の玉の装填時間は約7、8秒で30メートルを約3秒で飛んで来る火の玉を、遮蔽物に隠れ、ぶつかった後に縮地を繰り出しして距離を詰めれば残り1秒のお釣がくる』
『その1秒ですかさずゴブリンメイジの首をかっ切る』
『だが、お互い目と鼻の先にいるため油断はできない1秒でもズレれば5秒間の硬直時間に捕まってゲームオーバ』
『火の玉のクールタイムが終了と同時に発射されても、ゲームオーバー』
『全く、一か八かの大勝負!』
『やってやるよ!』
ボロボロになっていた剣を投げ捨て
覚悟を決めゴブリンメイジが火の玉を発射し火の玉が遮蔽物にぶつかってから勢い良く飛び出す
飛び出した後、一足、二足と地面を蹴る、勢い良く飛び出したため、ゴブリンメイジは驚いて一瞬、慌てたがすぐに火の玉を射つ準備を始める
その前に、三足目に入り勢い良く地面を蹴るそしてゴブリンメイジを目の前に捉えたと同時にマチェットナイフ取り出し、逆手持ちでゴブリンメイジの首目掛けて横に振った
しかし、タイミングよくゴブリンメイジは後ろに下がり攻撃を避けた
「なっ、クソッ」
この作戦は相手を一撃で相手を倒すことが大前提の作戦、そのため避けられてしまった場合は作戦が破綻する
攻撃を避けたゴブリンメイジは後ろに下がりながら杖を構え火の玉の放つ構えを取っていた
「クッ、しゃらくせぇぇぇ」
俺は、動かないはずの身体を無理矢理うごかして手に持っている盾をぶん投げた、
ぶん投げた盾は飛んで来る火の玉にぶつかり火の玉と共に燃え尽きた。
燃え尽きた後、硬直状態が解除されたと同時に、【縮地】を再度くりだしゴブリンメイジの心臓目掛けてマチェットナイフを突き刺した、
突き刺したまま、2回目の【縮地】をくりだしそのまま突進し、壁に激突した
ドゴォォォン!と大きな音をたて、壁の一部が、崩れゴブリンメイジが瓦礫の下敷きになる自分は激突の瞬間にマチェットナイフと一緒に離れたため瓦礫の下敷きなるのを回避した
辺りを見回すとどうやらゴブリンメイジが最後の1匹だったらしく周りにはゴブリンの死体だけでまわりは、血の匂いが充満していた。
レベルアップを確認しました
スキル 【剣の心得】【投擲】がレベル2へ
続いてスキル 【急所突き】【縮地】【短剣の心得】がレベル5にアップしました
これにより、スキル、【縮地】はスキル【電光石火】への進化が可能になりました
続いてスキル 【短剣の心得】【急所突き】がレベル5に上がりスキル 【潜伏】を獲得したため
スキル 【暗殺術】新たに獲得しました
これにより固体名【御剣 刀夜】は、称号【暗殺者】を獲得しました
ゴブリンメイジを討伐したため 称号、【魔術師殺し】を獲得しました
ゴブリンを5匹以上討伐したため、称号 【ゴブリンキラー】を獲得しました
とまた、脳内にアナウンスが流れた
「こいつで、一段落かな」
「ふぅ~」と一息ついた瞬間、身体が『ガクッ』と崩れ、力無く膝をついた、「!!」と驚いて身体を再び立ち上がろうしたが足は鉛のように重く落ち着かせるように深呼吸をすると、肺の辺りを手で握られたような痛みが走った
次第に呼吸が過呼吸に変わり、まともに息が吸えなくなってきた、手で肺の辺りを抑え呼吸を正していく
呼吸が安定してきて頭も回ってきた事を確認し、今の自分の状態を確認する
『よし、呼吸は、安定してきた』
『今の現状は』
『まず、足が動かない、鉛のように重くこれ以上うごかすと足が壊れて、しまいそうなぐらい激痛がはしる』
『次に腕だ』
『腕が棒のように張ってやがる指一歩動かしたら激痛が襲ってくる』
『幸い肩の力で腕は動くがやっぱり動かす度に激痛が走る』
『このままでは動くこともままならない』
『誰かいないのか?』
と辺りを見渡すと机の下でガタガタと震えている女性の作業員が目に入り大きな声で助けを求めた
「おーい」
「おーい、そこの人」
「少し手を貸してくれないか?」
「身体が思うように動かないんだ」
そのように少し遠くにいる女性作業員に向かって声をかける、その声に気づいた女性作業員は自分に指を向け「私?」と言う感じのジェスチャーをする
「そう、君に言ってる」
「少し力を貸すだけでいいから」
そして、女性の作業員は恐る恐る机の下から出てきて周囲を確認した後、安堵しながらこちらに向かって歩いてくる
この時、俺は『やっとこの工場から出られると安心していた』、しかしその安心は一瞬にして絶望に変わってしまった
女性作業員がこちらに近づくにつれ、『なにか悪い予感がする』と頭をよぎった
その予感はどうやら当たっていたようでこちら歩みよって来る女性作業員の後ろに黒い影が見えた
その、黒い影は女性作業員よりふた回り程大きく体長は190メートル程の体つきががっちりしている男性型の影が何かを構えて振りかぶろうとしていた
俺は瞬時に理解し、歩みよって来る作業員に向かって叫んだ
「危ねぇ、後ろだ!!」
「そこから離れろ!!!」
必死に叫んで作業員にその場から離れるようにと訴える、その訴えに歩みよって来る作業員は「?」と、首を傾げる
俺は『後ろからなはれろ』とジェスチャーを送り作業員がそれに気付き後ろを向いた瞬間、黒い影が女性作業員の頭を目掛けて振りかぶっていた、その振りかぶった何かが女性作業員の頭に命中して身体ごと吹き飛ばされた
『俺の前に現れたゴブリンだけが全てとは限らない』と言うことを失念していた
よく、師範代に『どんな時も一瞬の油断が命取りなる』と口癖のように言われていたのを思い出していた
「クソッ、俺はいつも肝心な時に限ってやらかしてしまうな」
そんな事をぽつりと呟いた、そして、今の現状に目を向ける、
女性作業員を殴り飛ばした大きな影の正体が露になる、特徴は他のゴブリンと似ているが身体の大きさや体格が今までの倒したゴブリンとは全く違う
ゴブリンを鍛え上げ、成長させた感じ
おそらくゴブリンの上位に当たる存在なのだろう
「ゲーム的に言うと【ホブゴブリン】てっやつか」
女性作業員を殴り飛ばし後、辺りを見渡して次の獲物を探しているようだ、そして、動けない俺を見つけた、俺の方を見るやいなやホブゴブリンは薄ら笑いを浮かべこっちにゆっくりと歩いてくる
どうやら、動けないことを察知したのだろう
さらに薄ら笑いを浮かべている
どうやら、ホブゴブリンは通常のゴブリンより高い知能を有しているようだ、言葉は話せないようだ、
ニヤニヤしながら手に持った棍棒を手で叩きながらゆっくり歩いてくる、
俺はこの現状を何とか出来ないかと必死に頭を回す
『今の現状は最悪だ』
『一歩も動く事が出来ない』
『かろうじて腕は動く、サバイバルナイフを持って痛みに耐えながら投げることがかろうじて出来るくらいか』
『これで殺せるとは思ってない』
『身体が動かない以上、やれることはなんだってやってやる』
『この失態は自信が招いた結果』
『だから自分で起こした失態は自信でケリを付けなければいけない』
『覚悟を決めろ御剣刀夜』
必死の力で手にサバイバルナイフを握るそして持つこともやっとなくらいの痛みを我慢しながらナイフを投げる準備を整える
ホブゴブリンはニヤニヤしている、まるで悪巧みを思い付いた子供のような印象をうけた
「人間を舐めすぎだ、緑ゴリラ!」
「俺は、大人しく命を差し出す気なんてね~ぞ」
「最後まで足掻いて、せいぜい嫌がらせの1つでも残してやるよ!」
言葉は話せないがどうやら、言葉をりかいできる知能はあるようだホブゴブリンは怒りだし棍棒を振り上げながら走り出した、
ドシドシッと音をたて迫って来る、俺はホブゴブリンにナイフを確実に当てるため、タイミングを測る、ホブゴブリンがナイフの射程圏内に入った時、力を振り絞りナイフを投げる
しかし腕の痛みに負けてナイフを明後日の方向に飛ばしてしまった、
そんな様子を見たホブゴブリンはニヤリと笑い
ケラケラと嘲笑った
もう、絶対絶望の状況、俺は半ば諦めて、死を待つことしか出来なかった
ホブゴブリンと俺の距離が近づくのを実感するおそらくヤツは俺を簡単には殺さないであろう人間を玩具としか見てない怪物に殺されるならいっそのこと舌を噛み切って自害を選んだ方がましだ
そんなことを想いながらホブゴブリンに睨みながら舌を噛み切る準備をする
目の前にホブゴブリンが来たと同時に持っている棍棒を俺の頭目掛けて振り下ろす
その時の俺の頭の中には今までの後悔や思い出が蘇る
『これが走馬灯てっやつか』
走馬灯のなかには小学生のころにとあるきっかけでボコボコにしてしまった学校のカースト最上位の男子の思い出
中学の頃に習っていた剣術の大会の思い出
同じく中学で習っていた柔道の大会の思い出
などの思い出が頭をよぎった、
走馬灯が終わり、目の前の光景が目に入るホブゴブリンが目の前までに来て今から自分に攻撃する光景
足も手も動かない状況、もう諦めかけていたその時遠くから少女のような声が聞こえた
【【その人は絶対に殺させない】】
そんな声が聞こえた直後、いきなり風が自分を中心に渦を巻いた
【【ウィンドウォール】】
そんな、声が聞こえた直後、渦巻いた風は竜巻に変わり、攻撃する直後のホブゴブリンを数メートル程吹き飛ばした
渦の中、俺の目の前に約30センチくらいの小さな少女がいた、いきなり現れた少女を見て自分は口をポカンと開けていた
直ぐ様、我に帰ったのち俺は少女に訪ねる
「君はいったい誰なんだ?」
そう言った後、少女はこちらに振り返り自己紹介を始めた
「私は風の中位精霊シルフ!」
「あ、シルフは名前じゃなくて種族名なのです」
「よろしくなのです、御剣しゃん」
と、自己紹介した、自分が「よろしく」と一言言った後、風の精霊はぽつりと言葉を発した
「でも、おかしいのです、御剣さんのステータスならあんな大きいだけのゴブリンに遅れを取らない筈なのですが」
「ねぇ、どうしてあんなに追い詰められていたのです?」
少し棘のある言葉を俺に投げ掛ける、そして俺はどうして追い詰められていたのかこれまでの経緯を話す
「力の使いすぎて、動かない所を狙われたのと言うことなのです」
「だから、追い詰められていたのですね」
「わかったなのです!少し待っててなのです~」
そう言った後、精霊は魔法を唱えた
【ウィンドヒール】
そう唱えた後、大気中の風が俺の周りにりに集まる、その後心地よい風が身体に纏わりつく次の瞬間さっきまでの激痛が嘘のように消えた
「助かった、ありがとう」
と、精霊に感謝を、伝えた、次に精霊はこう言った
「これで、心置きなくあのでっかいゴブリンを倒せるなのです!」
「あぁ、もちろんだ」
「でも、さすがに俺でもまとめて3体相手はきついかな~」
準備が整いシルフが風の壁を解いて視界がクリアになる目の前には風の壁を作ったと同時に吹き飛ばされたホブゴブリンとおそらく吹き飛ばされたホブゴブリンのガッシャンと言う音に釣られて来たのだろうホブゴブリンが2体合計3体に増えていた
「大丈夫なのです!」
「御剣さんなら勝てるのです!」
シルフは俺の方を向いて両手でガッツポーズを取る
「何処にそんな自信があるんだ!」
「それに痛みが引いただけ、この状態で3体1は不利すぎる」
「相手は俺よりも身長が高い、そんなのが3体だ倒すならそれを補えるような力が必要なんだよ」
「なるほどなのです」
と言ってシルフはしばらく考えるその後ハッと思い付いたような素振りを見せる
「それなら良い方法があるのです!」
「その方法は?」と訪ねる
「簡単なのです、御剣しゃんが私と精霊契約を結べばいいのです!」
と、自信満々に言った
「精霊契約?結ぶってどうやるんだ?」
「簡単なのです、御剣しゃんが私に名前を付けるのです!」
「正確には名前の他に精霊と契約者の適性が必要なのですが、御剣しゃんは全属性に適性があるので精霊に名前をつけるだけで契約が結べるのです!」
「契約が成立したら御剣しゃんは風の精霊魔法を扱えるようになるのです」
「なので早速名前をつけて下さい!」
と、シルフは目を輝かせウキウキしながらこっこっちを視てくる
しかし、ウィンドウォールを解いているため3体になったホブゴブリンは一斉に襲い掛かってくる
ホブゴブリンの攻撃を紙一重で避けながら必死に避けなが精霊の名前を考える、すると妖精が補足と言いながらしゃべる
「ちなみに、この契約は私が名前に、納得しなければ、契約成立できないのです!」
「例えばとある赤目の魔法使いの一族の名前や骸骨の支配者が苦しく紛れに、暴走した部下の吸血鬼に付けた、変な名前みたいな名前は無効なのです!」
と、話したその言葉に御剣が反応する
「君はどうやら、アニメやマンガにもやたら詳しいようだな!!」
と、ホブゴブリンの攻撃を避けながらツッコミを入れるそのツッコミに対して精霊は「えへへ」と照れながら言う
「まぁね、御剣しゃんが見ていたアニメやマンガは全部御剣しゃんと一緒に視ていましたよ」
「へぇ~、そうなんだ………え!?」
「お前、まさか!!」
言い終える前に精霊が言葉を遮る
「そんなことより早く名前を付けるのです!」
「まだなのですか?」
「早くしないとホブゴブリンにやられてしまうのですよ~?」
一瞬、疑問符が浮かんで足が止まったが再びホブゴブリンの攻撃を回避し考えをもとに戻す
「早く決めるのですよ」
「は~や~く~」
「わかった、わかったから」
精霊に再度、急かされ名前を思い付く
「じゃぁ~さ、君の特徴であるその翡翠色の目にちなんで『翠』なんてどうだろうか?」
「少し安直だけど名前は呼びやすい方がいいとおもんだか」
「それに、覚えやすい、覚えやすいと親しみが湧くし」
「どうだろうか?」
その答えに精霊は少し考えた後、子供のように喜んだ
「OKなのです!」
「気に入ったのです!」
「これから私の名前は『翠』なのです!」
「では早速、精霊契約を結ぶのです!」
何も無い所から一枚の紙を取り出しそこに書かれている言葉を発する
【精霊王の導きに従い彼の物との契約を実施する】
すると、工場の窓から淡い黄緑色の光が自分目掛けて射してくる、その瞬間自分の頭の中に言葉が浮かんでくる、その瞬間周りの景色が全てスローモーションのように見えた、どうやら精霊契約の口上のようだ、その言葉を復唱する
【我古の盟約に従い、彼の物の力を持って悪を討ち滅ぼさん】
【この盟約は永遠に続くものなり】
【我が誓いを持って契約を成す】
【我が契約する精霊は風の精霊】
【名を『翠』と呼ぶ】
頭の中に流れた言葉に従いながら契約の口上を述べ終わると辺りの風が自身の右手の甲に集まり文字を書いている
書いている文字は見たことの無い一文字だが無意識的に『風』と書かれている気がした『風』と書かれている文字が書き終わるとその文字がスッと身体の中入るように消える
周囲の風が自分の周りに集まり爆発するように風が弾けた、弾けた衝撃で攻撃しているホブゴブリン3体がまた1体目同様に数メートル飛ばされた
その後、頭の中にアナウンスのような言葉が聞こえた
個体名【御剣】のレベルアップを確認しました
個体名【御剣】が風の精霊、個体名【翠】との精霊契約を確認……成功しました
これにより個体名【御剣】は【風精霊魔法】の獲得に成功しました
これにより個体名【御剣】は称号【精霊使い】を獲得に成功しました
これによりスキル【魔力操作】【戦術演算】を獲得しました
続いて個体名【翠】を中位精霊【シルフ】から上位精霊【シルフィード】へ進化を開始します
頭にアナウンスが流れた後に近くにいた翠の方に目を向けると、翠が突然ひかり出した、その光はかなり眩しくとっさに目を瞑った
その光が徐々に消えていくとそこには50センチくらいのヒラヒラとした翡翠色の薄いマントのような羽根をなびかせる少女が浮かんでいた
「す、翠なのか?」
と、訪ねると少女はコクンと首を縦に頷く
「どうやら上位精霊に進化したようだわ!」
口調は穏やかながらも無邪気で某運命の金欠赤魔術師を思い出す声をしている
「さぁ~て、さっさとこのデカイだけのゴブリンを倒してしまいましょう契約者」
「私たちが最強って所あの身の程知らずのデカゴブリンに思い知らせてやるんだから!」
最初は驚いたものの鼻で笑った後、気を取り直しホブゴブリンたちの方を向き攻撃の体制を取り直す
「あぁ!やってやろぜ、翠!!」
「さぁ~て、さっき獲得したスキルを使ってみるとするか」
「スキル【戦術演算】を使用する」
使用後、頭の中に風精霊魔法と付与魔術を用いた戦術が頭の中に流れる、その戦術どおりに魔力を使って風を操作する、どうやらスキル【戦術演算】は自身の持っているスキルを掛け合わせ現れたなスキルやスキルを使いやすくする能力のようだ
腰に付けていたマチェットナイフに手をかけ鞘から抜き取ったナイフを逆手持ちに構える、そのナイフに風を集めナイフの刃に風を纏わせ、同様に足にも風を纏わせる
その後、空を切るように横にナイフを振るとナイフの刃に纏っている風が刃のように飛んでいきホブゴブリン1匹は風の刃が当たったと同時に
ホブゴブリンは綺麗に真っ二つになった
風の斬撃は魔力を目に通さないと視えないため他2匹のホブゴブリンはいきなり真っ二つになった仲間の姿に明らか動揺を隠せない様子だった
他2匹のホブゴブリンが動揺している隙に足に纏っていた風を足の裏に集めジェット噴射の要領で走り出し一瞬で2匹目のホブゴブリンの目の前に来て逆手持ちに持っているナイフでホブゴブリンの首もとを狙い掻っ切る
「これで2匹目!」
その後、最後のホブゴブリンに攻撃を仕掛けるため再びナイフに風を纏わせるそのまま至近距離で風の刃を繰り出そうとした時
「うぉっと!」
突然地面が盛り上がり俺はバランスを崩し風の刃は明後日の方向へ飛んでいった、その直後、横から鉈のような武器がホブゴブリンと俺を遮った後、自身の腹に衝撃が走り数メートル飛ばされた、
「くぅぅぅぅぅ」
壁に激突しそうだったが周囲の風を利用して速度を殺し背中に風を集めクッションにして壁に激突を回避した
どうやら俺は何者かによって腹を蹴られたらしい
「つっ!いいもん貰っちまった」
「一体、何処の何方なんだろうな」
腹を押さえながら蹴り飛ばされた場所に目をやる、するとそこには体長2メートルを超えるゴブリンが自身の身長の半分くらいの大きな鉈を持って仁王立ちしていた
「ホウ、奇襲トハイエ、アノ攻撃ヲ、耐エルカ」
「ドウヤラ、オマエハ、他ノ、奴ラヨリ、強イヨウ、ダ」
「あれはどうやらゴブリン種の最上位種にあたるオーガのようなのだわ」
「だけど、言葉を話すことは出来ない筈なのだわ」
「だが、あのオーガは喋れるのですが?」
「もしかしたらあのオーガは特殊のオーガなのかもしれないのだわ」
「ユニークとは?」
そんな疑問を翠に投げ掛け、翠が答える
「ユニークとは、簡単には言えば特殊能力持ちの個体なのだわ」
「そういうことね、でも、俺はユニーク個体を見たことはないから分からんが、ただのユニーク個体てっ訳でもなさそうな気がする」
「なんか、こう、異質過ぎるっていうか、何て言うか、ね、あるじゃん」
「ホウ、ドウヤラ、貴様ニハ、分カル、ヨウダナ」
「確カニ、俺ハ、ユニーク、デ、アルガ、タダノ、ユニーク、デハ、ナイ、俺ハ、『カガチ』名前持ち《ネームド》、ダ」
「名前持ちのオーガですって!」
「マスターここは退いた方がいいのだわ!」
「今のマスターでは勝てないのだわ」
「どうやらそのようだが」
「この状況で逃げる選択肢は無いようだ」
「与えてくれそうも無いしな」
「貴様ラ、ハ、我二、会ッタコトガ、運ノツキ、ダ」
「ソレニ、オマエ、ガ、強者デ、アル以上、逃ゲル、選択肢ハ、ハナカラ、無イダロウガ」
「……どういう意味だ?」
俺は少し言葉に詰まった、カガチの言い分に少し心当たりがあったため「何故?」と質問する、その後カガチがまた口を開く
「何故ナラ、オマエ、ハ、俺ト、同ジ、強者ナノダカラナ」
そう、自信満々にカガチは返答し、業を煮やした翠が怒りながら言葉を話す
「いい加減にしなさいよね!」
「何わけ分からないこと言っているのだわ」
「マスターが強者なのは当然だけど」
「あなたとマスターが同じな訳無いのだわ!」
「そうでしょう?マスター」
翠の答えに「あぁ」と微妙な答えを出す、その後カガチは翠の返答を鼻で笑いながら言葉を発す
「所詮、妖精、ゴトキニハ、理解デキン、ダロウナ」
その言葉に翠は顔を真っ赤にして怒る
「なんですって!!」
「落ち着け翠相手の挑発に一々反応してたら日が暮れる」
「でも、マスターを馬鹿にするアイツが悪いのだわ!」
「言い合っていても現状は変わらない」
「何とかして、ここから離脱出来ないか考えなくては」
「まともに、戦ってもこちらが不利だ」
「それに、ここから離脱出来ればあいつを倒すことが可能だ」
「此処を離脱出来れば何が出来るのだわ?」
「此処を離脱すれば外にいる自衛隊と合流出来て一発で形成が逆転する」
「わかったのだわ!」
ここから離脱しようと翠と考える、すると、何かを察したようにカガチは口を開く
「マダ、逃ゲル、方法ヲ、考エテ、イルノカ?」
「無駄ダ、オマエ、ハ、決シテ、此処カラ、逃ゲナイ」
「もう、一体あんたはマスターの何が解るっていうのだわ!」
「サッキモ、言ッダロウ、ソイツハ、俺ト、同ジ、強者ダト」
「だ~か~ら~アンタとマスター何処がっ!」
直後、御剣には翠の話を遮るように翠のくちをを押さえ、話し始めた
「翠も言ったが俺とアンタが同じとはどういう意味だ?」
「簡単ナ話ダ、俺ト、オマエ、ハ、戦イ二オイテ、同ジ、考エ方ヲ、持ッテイル」
「同じ考え方?」
「ソウダ、オマエ、ハ、俺ト、同ジ、」
「戦イヲ、楽シム、トクニ、命ノ。ヤリ取リヲ、楽シム、人間、ダロウ!?」
「っ!そんなことはない!!」
「戦い……争いは誰しも嫌いなものだ!」
「それを、楽しむ人間は居るが俺は違う!」
御剣は怒号を上げながら否定した
「ソレハ、貴様達、人間、ノ、考エ方、ダロウ、俺ハ、貴様、個人ノ、意見、ヲ、聞イテイル」
「俺個人としても戦いを楽しむ人間じゃない!」
「イクラ、話シテモ、無駄ナ、ヨウダ、ナラ、貴様ノ、本能二、聞イテ、ミヨウ」
そう言ってカガチは大きな鉈を構え突っ込んでくる
すかさず、【ウィンド】を唱えホブゴブリンの時に投げたサバイバルナイフを見つけサバイバルを囲むように小さな渦を作り、サバイバルナイフをこちらに飛ばされるように風を調整し、サバイバルナイフを飛ばす
飛ばされたサバイバルナイフは御剣の足下まで飛ばされて、すぐさまサバイバルナイフを手に取り防御姿勢を取る
カガチが目の前まで近寄って大きな鉈を横に薙ぐようにふる、カガチの大きな鉈と、両手のマチェットナイフとサバイバルナイフに当たる力を利用して後ろに下がった、ズザザザザァと靴と地面がすり減る音の後カガチが動きを止め何かを確信したかのように笑みをうかべ口を開く
「ヤッパリ、ダ、ヤッパリ、オマエ、ハ、俺ト、同ジダ、俺ト、同ジク、戦イヲ、楽シム、異常者ダ」
「違う!、俺はお前のような異常者じゃない!!」
「何を根拠に言っているんだ!!」
カガチの言葉に怒りを押さえられず御剣から怒号がを漏れる
「ホウ、頑ナ二、認メ、ナイ気、カ」
「当たり前だ!!」
「何度でも言う、俺は異常者じゃない!!」
そう言うとカガチは笑いながらこう言い放つ
「デハ、何故、コノ状況デ、オマエハ、笑ッテイル?」
「異常者、デハ、無イノダロウ?」
「俺ノ、攻撃ヲ、防イダ後、何故?笑ッテイル?」
カガチから放たれた言葉に御剣は衝撃を受けそっと手で口元を確認する、すると御剣の口角がつり上がっていることに気づく、そして足元の血溜まりに目を向けると、
そこには楽しそうに微笑んでる自身の顔が写し出されていた、そして御剣は天を仰ぎ、数秒たった後、自身が異常者だった事を思い知らされた
「あぁ、そうか、そうだった」
【俺は、異常者だったか】
天を仰ぎながらこれまでの事を思い出しながら自分で思い当たる節があったことを再確認しながら目の前が暗くなった