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第98話 蒼銀の双子姉妹 前編

新章開幕までの間、不定期で番外編を投稿します。

今回はジュリウスとティアの娘達が主役です。

 

「………………ん。んんん〜」


 瞼を刺激する朝の日差しを受けて、わたしは軽く伸びをしてから起き上がる。

 未だにボーっとする頭でベッドから起き上がり、クローゼットへと向かう。


 今日は休日だから、学校の制服じゃなくて普段着に着替える。

 部屋を出て階段を降り、洗面所へと向かうと、そこにはすでに先客がいた。


「おはよう、シーちゃん」

「おはよう、ノエちゃん」


 双子の妹であるノエル――ノエちゃんとそう朝の挨拶を交わし、わたしも洗面台の前で身だしなみを整える。


 蛇口から流れる水を掬って顔を洗い、その後ブラシで髪の毛を整えていく。

 洗面台の鏡には、ほとんど瓜二つの顔が並んでいる。


 ほとんど、というのは、わたしの前髪の右側とノエちゃんの前髪の左側には、エクステみたいに青い髪があるからだった。


 閑話休題。

 今日は休日だから……いつもと気分を変える意味合いも兼ねて、セミロングの髪を襟足の辺りで一つ結びにする。

 ノエちゃんはというと、ハーフアップに髪を纏めていた。


 わたしもノエちゃんも、もうすぐ十五才になる年頃の女の子だから、多少はオシャレに気を遣うようになっていた。


 身だしなみを整えた後、わたしとノエちゃんはリビングへと向かう。

 リビングのソファーにはパパの姿があり、新聞に目を通していた。


「「おはよう、パパ」」

「ああ。おはよう、シエル、ノエル」

「あら。おはよう、シエル、ノエル」

「「おはよう、ママ」」


 わたし達に気付いたらしいママが、キッチンから声を掛けてくる。


 パパとママの夫婦仲が良い事は百も承知だけど……年頃の娘達の前でまでイチャイチャするのは少し控えて欲しい。

 見てるこっちが恥ずかしくなる。


「もうすぐ朝ご飯が出来上がるから、少し待っててね」

「「は〜い」」

「ティア、何か手伝う事ってある?」

「それじゃあお皿出してくれる?」

「分かったよ」


 パパはそう返事をすると、新聞を畳んでキッチンの方へと向かう。


 パパは女王陛下の側近としてお仕事が忙しいハズなのに、小さな事でも家事を手伝ったり、お仕事が休みの日は家族サービスをしてくれてたりするから、きっと良い父親なのだろう。


「わたしも何か手伝うよ、ママ」

「私も」

「そう? それじゃあテーブルの上を片付けてくれる?」

「「は〜い」」


 ノエちゃんと揃ってそう返事をして、テーブルの上を片付け始めた―――。




 ◇◇◇◇◇




 出勤するパパを見送った後、ママがリビングに戻ってきた。

 それからわたしとノエちゃんも手伝って掃除をしてたんだけど、それが終わった後にママが困ったような声を上げた。


「あちゃ〜……やっちゃった」

「……? どうかしたの、ママ?」

「ジュリウス……パパにお弁当渡し忘れちゃった」

「「えっ?」」


 ノエちゃんと揃ってキッチンを見てみると、確かにパパのお弁当が置きっぱなしだった。

 ママでもこんなミスってするんだ……。


 ママは脱いだエプロンをダイニングテーブルの上に置き、眼鏡を掛ける。

 この眼鏡、ママの男性恐怖症を緩和するためにパパが創造魔法で創ったモノらしい。

 外に出掛ける時はいつもこの眼鏡を掛けていて、家にいる時は外していた。


 ちなみにわたしはパパの創砕魔法の内の創造魔法を、ノエちゃんは破壊魔法を受け継いでいた。

 ママの魔術の腕もそれぞれ受け継いでいた。


「今から届けてくるから、二人はお留守番してて?」

「わたしもついてくよ、ママ」

「私も」

「……二人共、パパの仕事場が気になるだけなんじゃないの?」

「「ううん、全然」」


 普段入れる機会の少ない王城に入れるかもとか、あわよくばパパの仕事振りを見てみたいとか、そんなことは全然考えてない。ないったらない。


「……まあ良いか。それじゃあ二人共、準備してきて」

「「は〜い」」


 部屋に戻り、上着を羽織ってリビングに戻ってくる。

 ママはお弁当が入ったカバンを掛けていた。


「準備出来たみたいね。それじゃあ行きましょうか」


 そう言うママについていく形で、パパのお弁当を届けに王城へと向かった―――。




 ◇◇◇◇◇




 ママは王城の正門ではなく、関係者入口の方へと回っていた。

 そこにもやっぱり門番のヒトはいて、ママに用件を尋ねてきた。


「失礼。ここには何用で?」

「主人にお弁当を届けに」

「貴女方のお名前を伺っても?」

「ティアです。ティア・ディオスクロイ。こっちの二人は娘のシエルとノエルです」

「ディオスクロイ……ジュリウス殿の身内の方ですね。少々お待ちを」


 門番さんは門の近くにある詰所に入り、少ししてから戻ってきた。


「こちらを首から提げておいて下さい。不審者として捕らわれることが無くなるので」

「はい、ありがとうございます」


 わたし達は門番さんから受け取った名札を、首から提げる。

 それから門番さんが門を開けてくれて、ママを先頭にして門をくぐった―――。






次回はノエル視点で話を進めていきます。




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