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第97話 幸せな家族

ジュリウスが主人公としては最終回です!


前回のあらすじ

愛し合った

 

 アーニャがある書類にサインをし、それをチェックする。


「これで終わりですか?」

「……はい、そうですね。お疲れ様です、()()


 アーニャは三年前に即位し、国王としてニブルヘイム皇国を治める立場となった。

 アーニャが女王になってからも、僕は変わらずにアーニャの側近を務めていた。


 それだけではなく……。


「ふぅ……」

「……少しは仕事の量を減らしても良いんだよ? イヴァンさんも言ってたでしょ?」

「ですけど、今の内に出来る事はしておかないとですし……」


 執務室には今僕とアーニャの二人しかいないから、普段通りの口調で話す。


 アーニャは今妊娠しており、はっきりとお腹も大きくなっていた。

 身重の身体なんだから、精力的に公務を行わなくても誰も文句は言わないのに……とは思う。


 でも、当の本人がそうしたいと言っているわけだし、それがかえってストレスになると元も子もない。


 だから身体に負担が掛からない程度の仕事量を与え、その他は宰相であるイヴァンさんが請け負っていた。


「今日の仕事はここまでだから……僕はもう上がるね」

「……ああ、そうでしたね。今日は……はい、お疲れ様でした。存分に家族サービスをなさってください」

「うん。それじゃあお疲れ様」


 そう返し、いつもよりも早い時間に仕事を終えた―――。




 ◇◇◇◇◇




 帰り道の途中でオルレアン商会に立ち寄り、ある物を買う。

 そして自宅に辿り着き、玄関のドアを開ける。


「ただいま〜」

「「おかえりなさい!」」


 するとパタパタと、廊下の奥から二つの小さな足音が近付いてくる。

 身を屈めて待ち受けると、二つのとても愛しい存在が僕の胸の中に飛び込んでくる。


「「おかえりなさい、パパ!」」

「ただいま。良い子にしてた?」

「「うん!」」


 僕の問い掛けに、二人は笑顔で頷く。

 二人の笑顔を見るだけで、何の比喩でもなく仕事の疲れが吹き飛ぶ。


 この二人は僕とティアとの間に産まれた双子の姉妹で、姉の方がシエル、妹の方がノエルという名前だった。

 今日が誕生日で、もう五才になる。


 シエルもノエルも僕譲りの銀髪で、瞳の色はティア譲りの紫色だった。

 顔付きもセミロングの髪型もそっくりだけど、唯一違う点はシエルが前髪の右側に、ノエルが左側にエクステみたいに一筋だけ青い髪がある事くらいだった。


「お帰りなさい、ジュリウス」

「ただいま、ティア」


 娘達との抱擁を解くと、娘達に遅れてティアもやって来る。

 ティアは妊娠を機に仕事を辞めていて、今は立派に主婦をやっていた。


「……? パパ、これな〜に〜?」

「な〜に〜?」


 すると娘達は、僕の足元にある二つの袋に気付いたようだ。

 その二つを手に取り、娘達に差し出す。


「誕生日おめでとう、シエル、ノエル。これは僕からのプレゼントだよ」

「「わ〜い!」」


 二人は大いに喜び、袋を受け取る。

 中から出てきたのは、同じ白色のネコのぬいぐるみだった。


「ねこちゃん!」

「かわいい!」

「ほら、シエル、ノエル。パパに何か言う事があるんじゃないの?」

「「ありがとう、パパ!」」

「どういたしまして」


 そう言って二人の頭を撫でると、気持ち良さそうに目を細める。

 ……なんだかティアも物欲しそうな眼差しを向けてきてるけど、後でね。


 その後四人でリビングに向かい、夜ご飯の時間にシエルとノエルの誕生を祝う料理が並べられ、僕とティアは二人が産まれてきてくれた事を慎ましやかだけど盛大に祝った―――。




 ◇◇◇◇◇




 子供部屋でシエルとノエルを寝かし付け、リビングへと戻ってくる。


 二人は僕のプレゼントをとても喜んでくれたようで、寝る時もぬいぐるみを抱いていた。

 レティシアの意見も参考にしつつ、プレゼントを選んだ甲斐があった。


 キッチンで洗い物を終えたティアはエプロンを脱ぎ、ソファーでくつろいでいた。


「子供達寝た?」

「うん」

「ごめんね、任せちゃって」

「良いよ、これくらい」


 そう言い、ティアの隣に座るとティアがもたれ掛かってくる。

 その肩に腕を回し、ティアも僕の肩に頭を乗せる。


「もう五才か……月日が立つのは早いね」

「そうだね」

「きっとわたし達の親も、こんな気持ちだったんだろうね」

「たぶんね。……あ、そうだ。まだ言ってなかったね」

「……? 何?」


 そう聞き返してくるティアの顔を真っ直ぐに見つめ、告げる。


「ティア。シエルとノエルを産んでくれてありがとう」

「ふふっ……二人の誕生日が来る度に言ってない、それ? 何なら、二人が産まれた時も言ってたよ?」

「でも本当の事なんだもん。ティアが頑張ってくれたから、僕はシエルとノエルって言う、他の何よりも大切な子供達に出逢えたんだから」

「それを言ったらジュリウスもだよ。ジュリウスのお陰で、わたしも可愛い娘達に出逢えたんだから」

「ティア……」

「ジュリウス……」


 お互いの名前を呼び、この幸せを噛み締めるようにそっと唇を重ねた―――。






二人は幸せなキスをして終了。


次回から主人公を新たにした物語が始まります!

これまでの登場人物は直接的には出ない予定です。


なんですけど……スミマセン。

ストーリーが本当に大雑把にしか出来てないので、次回更新は三ヶ月の予定になります。


一応新章のコンセプトとしては、ある意味ではコレも王道だよなっていうくらいですね。




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