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第92話 妹達の推察

前回のあらすじ

一つになった

 

「………………ふぁ」


 朝の柔らかい陽射しが瞼を刺激し、私はぐ〜っと伸びをしてから起き上がる。

 そこでふと、眠る瞬間まで感じていたティアお姉ちゃんの温もりが無い事に気付く。


 昨日の夜はティアお姉ちゃんをジェニカと私で挟み込むような形で寝たから、ベッドの真ん中がぽっかりと空いていた。


 何処に行ったんだろう? って思っていると、私とほぼ同時に目を覚ましたジェニカも、欠伸をしながらだけど異変に気付いたみたいだった。


「ふぁ〜……あれ? ティアお姉ちゃんは?」

「さあ?」


 早目に起きたのか、それとも夜中にこっそりとベッドから抜け出したのか……たぶんだけど、後者な気がする。

 それと十中八九、お兄ちゃんの所にいるに違いない。


 と言うのも、昨日の夜寝るまでの間のお喋りで、ティアお姉ちゃんが男女関係とかそっち方面の知識に疎い事が発覚した。


 だから私とジェニカで面白おかしく教えちゃったけど……終始真っ赤な顔で私達の話に耳を傾けてくれたティアお姉ちゃんは控え目に言って、とっても可愛かった。


 こんな人が私達の義理の姉だなんて、未だに信じられない。

 まあ、昔から実のお姉ちゃんみたいに慕ってたから今更っていう気持ちもあるけど……。


 閑話休題。

 まあお兄ちゃんの所にいるならいるで大丈夫そうだから、私達はパジャマから普段着に着替える。


 それからドレッサーの前に座り、ジェニカが私の髪を三つ編みに結ってくれて、私もジェニカの髪をポニーテールに纏める。


 髪を結ぶくらい自分で出来るけど、昔からお互いの髪を結び合っていたから今更変える気は無かった。


 洗面所へと向かい、顔を洗う。

 お水がちょっと冷たいけど、逆に目が覚めるから丁度良かった。


 それからリビングへと向かうと、そこにはお兄ちゃんとティアお姉ちゃんの姿があった。

 二人は並んでソファーに座り、朝っぱらからイチャイチャしていた。

 それ自体は良いんだけど……なんだろう? 昨日よりも距離感が近いよう、な……。


 キュピーンと、何かが閃く音がした……気がする。

 それはジェニカも同じだったようで、私達は無言で頷き合う。


「あ。おはよう、ジェシカ、ジェニカ」

「おはよう、ジェシカちゃん、ジェニカちゃん」

「「おはよう、お兄ちゃん、ティアお姉ちゃん」」


 朝の挨拶もそこそこに、二人はまたイチャつき始めた。

 パパとママもこんな感じだから別になんとも思わないけど……これはやっぱり?


 部屋の隅にジェニカと向かい、ひそひそとお兄ちゃん達に聞こえないような声量で話し合う。


「……ねえ、ジェニカ。お兄ちゃん達ってやっぱり……」

「……昨日まではそうでも無かったんだから、やっぱり……」

「……私達のせいかな?」

「……さあ? でも、夫婦なんだから別に問題は無いんじゃない?」

「二人共、そこで何してるの?」


 ひそひそと話し合ってると、お兄ちゃんが声を掛けてきた。


「「ううん、なんでもないよ」」

「そう? なら良いけど……」

「そんな所にいないで座ったら? 朝ご飯までまだ時間があるし」


 ティアお姉ちゃんに促され、二人の向かい側のソファーに座る。


「ティアお姉ちゃん。起きたらベッドにいなかったけど……」

「ごめんね? 夜中にちょっと、ジュリウスの部屋に行ってたから……」

「えっ?」

「それって夜這……むぐっ」


 直線的な言葉を言いかけたジェニカの口を塞ぐけど、ティアお姉ちゃんは気にした様子が無かった。


「……それで? そのままお兄ちゃんと寝たの?」

「うん」

「寝たってそっちの……」

「ジェニカ!」


 ま〜た何か余計な事を言いかけるジェニカの口を塞ぐけど、お兄ちゃんはともかくティアお姉ちゃんも恥ずかしがる様子は見せなかった。これは本当に……?


「夫婦なんだから一緒に寝るなんて当たり前でしょ?」

「そうだよ、二人共」

「「……」」


 そう言われればその通りなんだけど……なんだろう? なんだか釈然としない。

 なんて思っていると、ママがリビングに現れた。


「あれ、みんないたんだ。朝ご飯出来たから、食堂に来てね?」

「「はぁい」」

「分かった」

「分かりました」


 そう返事をして立ち上がり、食堂へと向かう。


 その時、お兄ちゃんがティアお姉ちゃんに手を貸していたし、何ならティアお姉ちゃんの歩調に少しだけ違和感を覚えた。


 やっぱり、二人共……いや、よそう。

 もう考えないようにしようと頭を振っていると、兄夫婦の不思議そうな視線を背中越しに感じた―――。






バカップル耐性があるジェシカとジェニカ。




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