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第91話 もう一つの話

前回のあらすじ

家督問題を解決した

 

「家督問題は解決したとして……ジュリウス、ティアちゃん。二人ってもう結婚式挙げたりした?」

「えっ? いや、まだだけど……」

「ならこっちにいる間に挙げちゃいなよ」

「出来る事ならそうしたいけど、急じゃない?」

「それがそうでもないのよ」

「……? 何で?」


 そう聞き返すと、母さんが答える。


「ソロモンさん、ティアちゃんがこっちにいる間にどうしても結婚式を挙げさせたいみたいで、今すごく頑張って準備してる所なの」

「えっ? 聞いてないんですけど……」

「サプライズにしたいからってソロモンさんから口止めされてたからね」

「……今言っちゃったらサプライズも何も無くない?」

「そうだよ? だから今聞いた事は忘れてね?」


 そう言われても、中々忘れられるような内容じゃないと思うのは気のせいだろうか?

 そう思っていたのは僕だけじゃなかったようだ。


「あの……たぶん忘れられないと思うんですけど……」

「じゃあカストールの破壊魔法でそこの記憶だけ破壊――」

「出来ないよ?」

「それじゃあジュリウスの……」

「僕も出来ないよ」

「……じゃあ仕方無いね。聞かなかった事にしてくれる?」

「あ、はい」


 あはは……と、ティアが困惑してる事だけは雰囲気で伝わる。


「……まあ話はそれくらいかな。僕は仕事に戻るよ。……三人共、ティアちゃんをあまり困らせないようにね?」

「困らせるだなんてそんな。ティアをこれでもかってくらいに甘やかすつもりだよ」

「……ジュリウス。僕が言う事じゃないけど、限度っていうモノを考えてね?」

「善処するよ」

「それ、しないし出来ないヤツ……」


 そう言い残し、父さんはリビングから出て行く。

 母さんも父さんの後を追うようにして出て行き、残ったのは僕とティア、それと妹達の四人だけとなった。


「……まあ、急な話もあったけど、今は……」

「ティアお姉ちゃんと触れ合う事の方が大事だね」

「ティアお姉ちゃん、何食べる? あたしが食べさせてあげるね」


 それから僕達三人は、思う存分ティアの事を甘やかし尽くした―――。




 ◇◇◇◇◇




 夜。

 今日はジェシカとジェニカがティアと一緒に寝たいと言うから、ティアは二人の部屋に行っていて今ここにはいない。

 ちなみに僕の部屋の片付けは終わり、客室から僕の部屋へと移動していた。


 久しぶりに一人だけで寝る事になるけど、ティアがいないとなるとベッドが広く感じてしまって少し寂しくもある。


「……まあ良いか」


 たまには良いかと自分で自分を納得させて、ベッドの中に入り眠りに就いた―――。




 ◇◇◇◇◇




 ふと気配を感じて、目を覚ます。

 窓の外を見るとまだ暗いから、たぶんまだ夜中だろう。


 視線を正面に戻すと、僕の身体に跨がる影があった。

 薄暗いけど、その姿を見間違える僕じゃない。


「どうしたの、ティア? まさか夜這いとか?」

「夜這っ……! いや、違くて……違わないかもだけど……」

「『休憩』は知らないのに、夜這いは知ってるんだ?」


 そう聞き返すと、ティアは暗い中でもはっきりと見えるくらいに顔を真っ赤にする。


「えっと、その……ジェシカちゃんとジェニカちゃんに、『休憩』ってどういう意味? って聞いたら、その……男女が……ゴニョゴニョ……する事だって教えてくれたから。ついでに色々と教えてくれて……」

「……そっか」


 妹達余計な事をっていう気持ちと、妹達グッジョブ、褒めてつかわすっていう気持ちが半々だった。


 それとようやく目が暗闇に慣れてきて、ティアの姿をはっきりと見れるようになった。

 だけど……僕の見間違いじゃなければ、ティアは下着姿だった。

 まだ夜は寒いんだから、そんな格好だと風邪を引いてしまう。


「ティア。何でそんな格好してるの?」

「えっと、その………………ジュリウスの寝込みを襲おうとしてました」

「素直でよろしい。それとその格好、寒くない?」

「ちょっとね」

「じゃあこっちに来て入りなよ」

「うん」


 ティアは素直に頷き、ベッドの中に潜り込んでくる。

 そしていつものようにティアの身体を抱き締める――けど、今日は背中側から抱き締める。


「……? ジュリウス……?」

「……ティア。寝込みを襲おうとしてたって事は、そういう事をする覚悟があるって事で良いんだよね?」


 ティアの耳元でそう囁くと、ティアはコクリと頷く。


「……うん。ジュリウスになら……ううん。ジュリウスとしか、そういう事はしたくない」

「……僕も。ティアとしかしたくないよ」


 そう言い、ティアの顔を僕の方へと向ける。

 そして情熱的に唇を重ね、舌も搦める。

 しばらくして唇を離すと、ティアの目がトロンとしていた。


「はぁ……ジュリウス。わたし……」

「ティア……」


 熱に浮かされたようにお互いの名前を呼び合い、貪るようにして唇を重ねる。

 そしてこの夜、僕とティアは心と身体で深く深く繋がり合った―――。






エンダァァァァァァ!




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