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第87話 闇に潜む者達③

前回のあらすじ

アルセーヌの仲間登場&二日酔いになった

 

 ジュリウスとティアちゃんがいる客室からわたし達夫婦の部屋に戻ってくると、カストールがソファーに横になってぐったりとしていた。

 カストールも年甲斐もなくお酒を飲み過ぎたようで、二日酔いになっていた。


「……あ、ポルクス。ジュリウスの様子はどうだった?」

「ぐったりはしてたけど、ティアちゃんが介抱してくれてたから大丈夫じゃないかな?」

「そっか……」

「全く……いくら子供と一緒にお酒が飲めるようになったのが嬉しかったからって、飲み過ぎるのはよくないよ? カストールももう若くはないんだしさ」

「……そう言われると反論出来ないね」

「少しは反省してね?」

「うん……」


 ここまで弱々しくなってるカストールなんて珍しいから、ちょっとした悪戯心が湧いてきた。


「カストール、お水飲む?」

「……うん、貰おうかな」


 そう答えると、カストールはゆっくりと身体を起こす。

 テーブルに置かれたボトルとコップを手に取り、コップにレモン水を注ぐ。

 そしてそのお水を自分で飲んで、カストールに口移しする。


 わたしの行動にカストールは驚いたような顔をするけど、すぐに受け入れたみたいだ。

 たぶんジュリウス達がやってたみたいだから自分でもやってみたけど……うん。ちょっとだけ恥ずかしいね。


 唇を離し、顔が赤くなっているのを自覚しながらカストールに尋ねる。


「ど、どう……?」

「……急にこんな事してどうしたの?」

「えっ? えっと、その……ジュリウス達がたぶんやってたから、わたしもやってみようかなぁって思って……」

「……水を口移しで飲ませるのを?」

「うん……」

「……そっか」


 カストールはそう言うと、グイッと抱き寄せてきた。


「……それじゃあ、おかわりでも貰おうかな?」

「おかわりって……むぐっ」


 わたしが何かするよりも早く、カストールは普通にキスしてきた。

 短いキスを何回か繰り返した所で、わたしは止めに入る。


「ちょっと待って、カストール。急にどうしたの?」

「……別に、息子夫婦に触発されてイチャつきたくなったわけじゃないよ?」

「触発されたんだね。全く……」


 そう言い、今度はわたしの方からキスをした―――。




 ◇◇◇◇◇




 ニブルヘイム皇国内を順調に進み、一週間ほどで皇都の近くにある街までやって来ていた。

 ここから皇都までは、歩いて三時間も掛からない距離にある。

 皇都にはジュリウスがいるハズだから、久しぶりに顔を合わせられるかもしれない。


 そんな事を思いつつ、この街の食堂に入る。

 四人でテーブルに着くと、俺達に近付く気配を感じ取った。

 そちらを振り向く事無く、俺は口を開く。


「随分と遅かったな、クリス」

「これでも飛ばしてきたのよ?」


 俺が感じ取った気配―クリス、トール、トモエは俺達の座るテーブルの隣に座る。


「それで……そっちはどうだ?」

「コレと言ってめぼしい情報は何も。その代わり、ムスペルヘイム王国内の『アラジン』の秘密基地は全て壊滅させたわ」

「そうか。こっちは、スプリガンがニブルヘイム皇国内に潜んでるっていう情報を手に入れた。何処にいるのか、までは分からなかったが」

「それでも、範囲を絞れただけ良いわ」

「それもそうだ。……ようやく尻尾を掴んだんだ。絶対に逃がすかよ」

「その為にも、装備は万全な状態にしておかないといけないわね」

「そうだな。……そろそろ行くか」


 そう言い、席を立つ。

 他の皆も席を立ち、俺の後についてきた―――。




 ◇◇◇◇◇




 皇都に入り、裏路地に入る。

 陽はすでに落ちているから、余計に薄暗さが際立つ。

 そしてあるドアの前まで辿り着き、あるリズムでドアをノックする。

 それにこの時間帯でないと、相手方に迷惑を掛ける。


 と言うのも、ここに店を構える店主とその配偶者は、俺達の活動を支援してくれているパトロンだったからだ。

 だから極力、第三者に俺達の存在を知られるわけにはいかない。

 自分達が褒められた活動をしていない事は重々承知しているからだ。


「やはりキミ達か。早く中に入ると良い」

「では」


 その指示に従い、中に入る。

 最後尾のトモエは辺りを確認し、大丈夫そうだったみたいでそのまま中に入る。

 気配察知の技術に関しては、トモエはこの中で一番上手かった。


 中を進み、事務所みたいな所まで通される。

 やはりと言うか、中は暖かかった。


「ようこそ。ここに来たって事は……装備の新調かしら?」


 そう言うのは、パトロンであるレティシア・オルレアンその人だった―――。






商人は陰の者達を支援するモノ(偏見)。




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