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第81話 襲撃と遭遇

前回のあらすじ

新婚旅行に行こう

 

 アルヴヘイム連邦は四つの国から形成されていて、まず一つが連邦南部のシルファニア王国。

 アースガルド帝国とミッドガル帝国に接する国で、オーロラの街を作る時に土地を提供している。


 だからか、オーロラの街の所属はシルファニア王国、街の予算はミッドガル帝国が捻出、法律はアースガルド帝国の物を準拠している。

 結構ややこしい街だった。


 次が、ニブルヘイム皇国に接する北部のノームリア王国。

 国土の半分以上が森林地帯に覆われ、そこで加工された木材は皇国も輸入している。


 三つ目が、スヴァルト合衆国と接する東部のウンディネル王国。

 大小長短様々な湖や河川を有していて水資源が豊富だからか、内陸国であるにも関わらず『水の国』だなんて呼ばれている。


 最後の四つ目が、山脈を一つ挟んでムスペルヘイム王国と接する西部のサラマンドラ王国。

 国内に火山が幾つもあり、その周辺には温泉街をメインにした観光地がある。

 この観光地は国内外問わずとても人気が高く、ティアも一度は行ってみたいと言っていた。


 そんな四つの国々だけど、国土としては何処も小国に気が生えた程度の規模しかない。

 周辺の諸外国から侵攻される可能性も考えた初代国王達は同盟を結び、アルヴヘイム連邦と言う一つの大きな国を形成した。


 だから、と言って良いのか分からないけど、この四国はアースガルド帝国とミッドガル帝国の関係性に似ていて、国同士の関係は良好だった―――。




 ◇◇◇◇◇




 空の旅は順調で、移動時間を考えればそろそろノームリア王国の領内に入る。

 っていう所で、外からバサバサとこの馬車を抱えて飛んでいるスノードラゴンのモノとは別の羽音が複数聞こえてくる。


「そこの馬車! 大人しく降りて貰おうか!」


 なんて思っていると、外から御者のモノではない声が響いてきた。


 ……コレはあれか。噂に聞く空の盗賊、『空賊』ってヤツか。

 空賊は皇国でも議題に上がるくらいに問題視されている存在だった。


 奴等は飛行能力のある魔物を使役するから、国境という概念も活動範囲という概念も無いに等しい。

 だからか、今までに空賊を捕らえたっていう話を少なくとも僕は聞いた事が無かった。


 ……なんでそんな奴等が、よりにもよって新婚旅行の途中で出て来るんだ……。


 そんな僕の心の中での不満など露知らず、馬車は徐々に高度を下げていく。

 そして地面に着地すると、空賊が僕達に馬車から降りるように指示を出してくる。


 その指示に大人しく従って降りると、空賊達は僕達乗客を一人一人縄で縛っていく。

 おそらく、何処かの国の闇市場に売り飛ばすのだろう。端的に言えば人身売買だ。


 すると空賊の一人が、ティアににじり寄る。


「うん? よく見たら中々の上玉じゃねえか。……予定変更だ。この女だけは俺らの慰み者にして――」

「……っ!」

「《ブレイク》」


 ティアが身を強張らせるのを空気だけで感じ取り、僕は破壊魔法でティアに言い寄った空賊の頭を破壊する。

 首から上を喪った身体は、切断面から血飛沫を上げながらゆっくりと仰向けに倒れ込む。


 流石に異変に気付き、他の空賊達が僕の方へと向かって来る。

 こっちもわざわざ近付く手間が省けた。

 僕の最愛の妻に手を出そうとしたんだ。ただじゃ済まさない。


 冷静に、だけど憤怒の炎を心に灯しながら僕の身体を縛っていた縄を破壊魔法で破壊する。

 そして空賊全員の頭を視認し、破壊魔法で頭を破壊してとっとと片付けよう――とした所に、第三者が現れる。


「《ストライクショット》!」


 僕の一番近くにいた空賊の身体を、脳天から一条の光が貫く。

 まるで神罰のような一撃だったけど、それだけでは終わらなかった。


「《マルチショット》!」


 さっきの光と似たような光が上空から何本も放たれ、空賊の身体を次々と貫いていく。

 空賊が一人残らず光の筋の餌食になった後、空から一人の少女が降りて来て、スタッと軽い身のこなしで着地する。

 少女だと分かったのは、彼女が立ち上がった後に僕の方を向いてきたからだった。


 銀色の長い髪だけど、頭の左右からケモミミのような癖毛が生えて(?)いて、勝ち気そうなつり目はエメラルドグリーンに輝いている。


 そして顔付きが、僕の妹であるジェニカやジェシカ……と言うより、母さんに何処と無く似ていた。

 何なら、髪色なんか僕や母さんとそっくりだった。


 弦の無い弓を携えた銀髪の少女は、僕の顔をマジマジと見つめてくる。

 その事にティアがムッとしている気配を感じるけど、今は無視だ。


「あの……僕の顔に何か?」

「……一応尋ねますけど、貴方のお名前は?」

「えっ、名前? ジュリウスですけど……」

「名字は?」

「ディオスクロイ」

「……じゃあやっぱり!」


 少女は満面の笑みを浮かべたかと思うと――突然僕に抱き着いてきた。

 ティアの顔が今まで見た事がないくらいに険しいモノになる。


 何が何だか分からないままでいると、少女は抱擁を解く。


「ようやく会えたね! ジュリウスおにいちゃん!」

「「………………はい?」」


 身に覚えの無い妹が出来ました―――。






少女の正体は次回にでも。




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