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第77話 光と闇

新章開幕です!




前回のあらすじ

ジュリウスがティアに正式にプロポーズした

 

 僕とティアの気持ちが通じ合ってから一週間後。

 流石に仕事中はそこまでじゃないけど、家では思う存分イチャイチャしていた。

 好きな人と一緒に居られるのって凄く幸せな事だし、少しでも長く一緒に居ようとしてしまう。


 ……そう言えば、父さんと母さんは子供の前でもイチャイチャしてたから、一度だけ「子供の目の前では控えて」って言った事があったけど……ごめん。コレは止められないや。


 そんな二人の血を引いてるんだから、もし子供が出来たとしても、子供の目の前でもティアと思う存分イチャイチャするに違いない。

 そんな確信に近い予感を抱いている。


「どうしたの、ジュリウス?」

「ううん、何でも無いよ」


 そう返すと、ティアは僕に身体を預けてくる。

 そんなティアの身体に腕を回し、後ろから抱き締める形になる。

 抱き締め心地の抜群な、女の子らしい柔らかさのある身体だった。

 何の比喩でも無く、何時までも抱き締められる。


 そんな僕とティアだけど、今は一緒にお風呂に入っていた。

 小さい頃は何回かあったけど、お互いに成長してからはめっきり無くなった。


 だけど先週から、また一緒に入るようになった。

 ティアは出る所は出て、引き締まる所は引き締まってる均整の取れた身体付きで……うん、はっきり言おう。

 とてもムラムラしました。


 でも鋼の意志で煩悩を理性で抑え付け、何とか(?)普通に入浴していた。

 まあ、湯船には身体を密着させて入ってはいるけど……煩悩退散。


「んふふ……」

「どうしたの、ティア? 随分上機嫌じゃん」

「だって、ジュリウスとこんな事するような関係性になるとは思わなかったから。自分でも自覚するほど浮かれてるよ」

「そっか……それは僕もだよ」

「ふふっ」


 ティアは笑い、自然な流れで軽いキスをする。

 いや本当、ティアへの好意が溢れ過ぎて自分でも引くほどに浮かれている自覚はある。


 それから湯船でティアと思う存分にイチャイチャしていると、身体が温まってきた。

 見ると、ティアの髪の毛もしっとりと濡れている。


「……そろそろ上がろっか」

「うん」


 まずティアが上がり、続けて僕も湯船から上がる。

 浴室から脱衣室に移動し、バスタオルで身体の水分を拭っていく。


 それから寝間着に着替え、一緒にリビングへと向かう。

 ティアはソファーに座り、バスタオルで髪の毛の水分を拭っている。

 僕は台所でコップ一杯分の水を飲み、入浴で失った水分を補給する。


 飲み干したコップに再び水を入れ、ティアの傍まで向かう。


「はい、ティア」

「ありがとう」


 ティアは僕からコップを受け取り、コクコクと水を飲んでいく。

 ティアの寝間着はもこもことした素材の物で、僕の記憶が確かならジェシカ達と一緒にオルレアン商会の店で買った物だったハズだ。


 とても気に入っているのか、それなりに長く大切に使っているようだけど、首元とか袖とかが弛んでいる気がしないでもない。


「ティア。寝間着買い替えないの? それなりに長く使ってない、ソレ?」

「うん。買い替えたいのは山々だけど、凄く気に入ってるデザインだし……それに、こっちには商会が……あ」

「あるね、今は。明日は二人共休みだし、買いに行かない?」

「行く!」


 僕の言葉に、ティアは子供のように無邪気な笑みを浮かべた―――。




 ◇◇◇◇◇




 夜闇に紛れて相手に接近し、相手がこちらに気付く前に剣を振るい命を刈り取る。

 それらを何回か繰り返すと、辺りには人型の死体が転がるだけとなった。


 辺りに他には敵の気配を感じない事で一安心し、俺は張り詰めていた緊張の糸を吐息と共に弛める。


「ふぅ〜……埒が明かないな」

「そうッスね」


 大剣を背負い直したアルマは頷き、俺の言葉を肯定する。


 学園を卒業後、俺はある目的のためにスヴァルト合衆国に潜入していた。

 その際、恋人であるアルマに断られる事前提でついてきて欲しい旨と、俺の出自を明かした。


 するとアルマは、「生まれが何であろうと、アルくんはアルくんッスよ」と言って俺についてきてくれた。

 自らが仕えるべき主ではなく、恋人の俺を選んでくれたこの時のアルマの決断には感謝してもし切れないし、彼女への好意がより一層大きくなった。


 閑話休題。

 俺は足下に転がる死体を漁り、目当ての物がないか確認する。

 するとやはり、ある紋章を象ったチャームの付いたネックレスを首から下げていた。


「やっぱりか……この国にいる間に仕留められるか……?」


 俺のある目的。

 それは俺の出自にも大きく関わっている。

 俺の名前はアルセーヌ・ルピニオンだが、これは生きていく上で名乗っているだけの名前だった。


 俺の本当の名前は――アルセーヌ・エル・サラマンドラ。

 アルヴヘイム連邦を成す国の一つ、サラマンドラ王国の王家の血を引く俺は、連邦一の大罪人であるスプリガンが同国王家の姫に無理矢理孕ませた子供だった。

 スプリガンのイヤらしい所は、俺が産まれるまでどんな手段であっても母体が死なないように呪いを掛けた所だ。


 それが原因でもあるのか、望まれて産まれなかったせいか、幼い頃に実の母親から殺されかけた事があった。

 その名残は今もあり、エルフなら本来長く尖っているハズの耳は母親によって切り落とされ、ジュリウスやアルマみたいに人間のように丸みを帯びた形になっている。


 その後、サラマンドラ王国と親交のあるシルファニア王国の王家に引き取られ、ティターニアと言う人が俺の母親代わりになってくれた。


 その人の薦めもあり学園に通えるようになり、ジュリウスやアルマ達に出会えた事は俺の中では一番の幸運だった。

 それでも、俺の中からドス黒い感情――復讐心が消える事はなかった。


 俺の目的。

 それは――俺や俺の実の母親、もしかしたら他にもいるかもしれない俺達みたいな境遇の人々を生み出した、復活した『アラジン』の真の頭領であるスプリガンを殺す事だった―――。






アルセーヌの感情は復讐心と言うよりも、義憤に近いと思います。

まあ、ルパン(リュパン)をベースにしたキャラだから多少はね?


ちなみに、アルセーヌがスプリガンの血を引いているというのは初登場時から決めていました。

問題は、どうやって産まれたかの設定周りでしたが……。




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