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第74話 仕事

前回のあらすじ

レティシアの店を手伝った

 

「本日の予定は十三時から宰相と外務大臣を交えて、オリュンポス王国使節団の歓迎会等の打ち合わせがありますね」

「後、騎士団の視察の日程も決めて欲しいと騎士団長から打診がありました」

「分かりました。視察の方は、そうですね……来週当たりなら何とかなりそうなので調整しておいて下さい」

「はい」


 翌日。

 アーニャの執務室で、僕とティアはアーニャの側近らしく(?)今日の予定とかをアーニャに伝える。

 一応仕事だから、畏まった口調にしていた。


 それも終わり、僕達も仕事用の机に座り作業を始めた―――。




 ◇◇◇◇◇




 二時間ほど作業した後、少し休憩を挟む事になり隣の部屋にある小さめのキッチンでお湯を沸かす。


 そう言えば……ふと思ったけど、この国って魔道具の普及率が低い気がする。

 この城はそうでも無いけど、魔石ストーブにしろ、この魔石コンロにしろ、一般家庭に普及してるとは言い難い。


 僕達の家だって、二人共料理はそれなりに出来るから魔石コンロだけは無理して買ったけど、魔石ストーブだけは未だに買えずにいた。


 たぶんだけど、販路が確立していないが故に魔道具の輸入が思うように行えていないのかもしれない。

 まあその問題点も、オルレアン商会がニブルヘイム皇国内に店舗を構えたから、普及率の上昇は時間の問題かもしれないけど……。

 それを考えるのはアーニャとかの偉い立場にいる人達だろう。


 なんて考えていると、丁度お湯が沸いた所だった。

 コンロの火を止めて、紅茶を淹れる準備やら紅茶に合わせるお菓子の選定やらをする。

 お菓子は……昨日の帰り際、レティシアに半ば無理矢理持たされた焼き菓子の詰め合わせで良いか。


 トレイにカップやティーポット、焼き菓子を載せた皿を載せ、隣の執務室へと戻る。

 ティアとアーニャの二人は雑談に華を咲かせているみたいだった。


「そうなんですか。レティシアさんが……」

「ええ。それに結婚してた事にも驚いたわよ」

「わたくし達と同い年でしたよね? 商家出身とは言え、庶民の結婚ってそんなに早いのですか?」

「わたしも貴族家出身だからあまり参考にならないけど、平均より少し早いくらいじゃないかしら?」

「そうなんですね。後で結婚祝いを贈った方がよろしいのでしょうか?」

「……皇女直々に? 止めといた方が良いんじゃないの? 変に勘繰られるわよ?」

「ですが……」

「もしどうしてもって言うなら、僕達のと合わせて贈っておくよ?」


 そう割り込みながら、ティアとアーニャにそれぞれ紅茶を淹れたカップを渡す。

 昨日の夜、ティアと何か贈ろうか? って話し合っていたばかりだった。


「よろしいのですか?」

「うん。ついでだし、僕達を介してれば怪しまれないでしょ?」

「……それもそうですね。その時はお願い出来ますか?」

「うん、任せておいて」


 と言っても、僕達も何を贈るかまだ決めてないけど―――。




 ◇◇◇◇◇




 午後の会議は二時間くらいで終わり、第一会議室からアーニャの執務室へと戻る。

 廊下の窓から見える外の景色は、この時期では珍しくもない雪景色だった。天気も当たり前のように雪模様だ。

 だからか、廊下も少し肌寒い。


「今日も寒いですね」

「そうですね、姫殿下」

「お二人はもうこの寒さに慣れましたか?」

「ええ、僕はまあ」

「ティアさんは?」

「早く執務室に戻りましょう。それとジュリウス。戻ったら熱い紅茶淹れて」

「……分かった」


 僕はそうでもないけど、ティアは意外と寒がりのようで、今だって室内にも関わらずマフラーと手袋をしていた。

 まあ、ティア以外にも防寒具を着けている城勤めの人達は少なからずいるから、特に目立つような奇抜な服装では無いのが救いか。


「それにしても……少々大変な事になりましたね」

「そうですか? おかしな事は無かったと思いますが……」


 皇族のアーニャからしたら普通の事なんだろうけど、貴族出身の僕からしたらそれなり……いや、結構大変な事だとは思う。

 何故なら、使節団を代表する大使のもてなしをアーニャが担当する事になったのだから。

 当然アーニャの側近である僕とティアも、その補佐をする事が決定している。


「確か……大使の名はアルヘナ・ジェミニアス様でしたか?」

「ええ。情報によれば、オリュンポス王国内でも指折りの有力貴族なのだとか。後はまあ……」

「……? どうかしたのですか?」


 言い淀んだ僕を不思議に思ったのか、アーニャが聞き返してくる。

 僕の記憶が確かなら、ジェミニアス家はディオスクロイ家の親戚筋だったハズだ。

 だけど今アーニャ達に伝える必要は無いだろう。


「……いえ、何でも。大使の補佐役には、大使のご子息が任命されているのだとか」

「使節団と言う事ですから、身内贔屓で採用した訳では無いのでしょうし、それだけ能力が高いのですかね?」

「おそらくは」


 そう思い、別の言葉で答えると、アーニャは特に違和感を抱かなかったようだ。

 ティアの方は寒さであまり集中していないらしい。


 そうしている間に、僕達は執務室へと辿り着いた―――。






次回、とうとう邂逅します。




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