第66話 処罰
前回のあらすじ
謹慎してる
朝ご飯を食べ終わってからしばらくリビングでゆっくりしていると、コンコンとドアをノックする音が響く。
アルマが立ち上がり、ドアの方へと向かう。
するとすぐに戻って来た。
「ジュリウスくん、それとティアちゃん。学園長が呼んでるらしいッスよ」
「……分かった」
とうとう沙汰が言い渡されるらしい。
ソファーから立ち上がり、制服に着替えた方が良いのかな? と一瞬だけ思う。
だけどまあ大丈夫だろうと考え直し、ティアと共に学園長室へと向かった―――。
◇◇◇◇◇
冬休み期間中だったからか、校舎内に人影は無かった。
僕はともかく、ティアにとってはありがたい状況だろう。
保健室の先生によれば、ティアは男性恐怖症になっている可能性が極めて高いっていう診断だったし。
学園長室に辿り着き、ドアをノックする。
「入りたまえ」
「失礼します」
中から返事が返ってきて、ドアを開けて中に入る。
正面の机には居ないとおかしい学園長の姿と担任であるマリー先生の姿があり、室内には他に何故か僕の両親と、ティアの両親であるアルスさんとソロモンさんの姿があった。
まあ、親達が何でいるのかは、薄々分かるけど……。
ティアはやっぱりと言うか、学園長の顔すらまともに見れない感じで、僕の服の裾をぎゅっと掴みながら背中に隠れるようにしている。
学園長は事情を把握しているらしく、ティアの行動に対して何ら咎め立てるような事はしなかった。
「ジュリウス・ディオスクロイ。貴殿に処分を言い渡す。結論から言うと――退学処分だ」
「ああ、はい」
「驚かないのだな?」
「ええ、まあ。結果がどうであれ、校則で禁止されている私闘をしたのは事実ですから。ある程度覚悟はしてましたよ」
「自覚があるのならば良い。反省は……」
「するわけ無いじゃないですか」
「ちょっと、ジュリウス!」
僕がそう言った途端、母さんが叱るような声音で僕の名前を言う。
そんな母さんに対して、僕は反省していない、する必要が無い理由を言う。
「だって悪いのは九分九厘ティアに手を出そうとしたアイツらだ。僕は手を出されそうになったティアを助けただけに過ぎないんだよ? むしろ反省するのはあっちだと思うけど?」
「確かにジュリウスの言う事は正しいよ。でも、何も相手方を負傷させる必要は……」
「父さんは母さんが他の男に手を出されたらどうするの?」
「もちろんぶっ殺すけど?」
父さんはノータイムでそう返し、母さんは顔を真っ赤にする。
未だにラブラブなようで何よりだ。
「それと同じ事をしたまでだよ。むしろ、命まで奪わなかったのを褒めて欲しいんだけど?」
「……まあ、うん。僕達からは何も言う事は無いかな。ソロモンさん達は?」
父さんがそう話を振ると、ソロモンさん達が前に出て来る。
そして僕に向かって、深々と頭を下げてくる。
「ジュリウス君。今回の件、キミには感謝してもし切れないよ」
「この恩は一生忘れない」
「いえ。幼馴染として、見過ごす事が出来なかっただけですよ」
「それでも、だよ。ジュリウス君には感謝しかないよ。ティアを……僕達の愛娘を助けてくれて、本当に本当にありがとう」
ここまで感謝されると、なんだかこそばゆい。
後、ティアは父さんに対しては若干の緊張が見られたけど、実の父親であるアルスさんに対しては真っ直ぐ対面出来ていた。
もしかしたら、身内の男性は例外なのかもしれない。
「さて……ティア・レメゲトン。貴殿への処罰は無いが、今後どうするかね?」
「……どうする、とは?」
ティアは再び僕の背後に隠れつつ、肩越しに学園長にそう聞き返す。
「今まで通り……とはいかないまでも、学園生活を送るか。それとも……学園を辞めるか、だ。私はどちらでも貴殿の意見を尊重しよう」
「……もう、普通の学園生活は送れないと思ってます。だから……辞めたい、です」
「……だ、そうだが……ソロモン殿は如何か?」
「娘の判断を尊重しようかと。それに、私個人の意見としましても、今まで通り娘を学園に通わせるのは難しいと思っていますので」
……ソロモンさん。「僕」以外の一人称使えたんだ……。
なんて謎の感想を抱いていると、学園長は神妙な面持ちで立ち上がる。
「……今回の件、我々の監督不行き届きに他ならない。謝って済む問題では無いと理解しているが……誠心誠意謝罪させて頂く。本当に済まなかった」
学園長はそう言うと、深々と頭を下げる。マリー先生もそれに倣う。
その後僕とティアは両親達と一緒に学園長室を後にした―――。
ジュリウスとティアの二人でタイトル回収、出来るかなぁ? (←おい、作者)
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