第65話 謹慎処分
前回のあらすじ
ティアはジュリウスに依存してる
執務室でカストールと一緒にお茶をしていると、ブリュンヒルデが入ってきた。
「旦那様、お手紙が届いております」
「ああ、ありがとう」
カストールがブリュンヒルデから手紙の入った封筒を受け取ると、彼女は一礼してから執務室を出て行く。
その後、わたしはカストールに尋ねる。
「何処から?」
「えっと……うん? 学園からだ」
「えっ?」
学園からだから……ジュリウス関係かな?
だとしたら、何かやらかしたのだろうか、あの子は?
何て思っていると、カストールは封筒を開けて中から手紙を取り出す。
そこに書かれている文言に目を通し、カストールは口をあんぐりと開ける。
「………………」
「……? どうかしたの、カストール?」
カストールの反応が分からずにそう尋ねると、カストールは無言で手紙をわたしの方に突き出してくる。
わたしにも読めという事だろう。
そう解釈し、カストールから手紙を受け取り目を通す。
すると手紙には、「ジュリウスが上級生への暴行を働いたので、事件の詳細説明のために三日後学園に来て欲しい」と言った旨の内容が書かれていた。
読み終わり、手紙をカストールに返す。
「ふぅ……」
「……」
「「……何やってんの、あの子は……」」
わたしはカストールと揃ってそう呟き、大きな溜め息を吐いた―――。
◇◇◇◇◇
事が事だから、僕には自室での謹慎が言い渡されていた。
だけど、ティアの状態が状態だからか、特例として彼女の部屋―つまり女子寮―での謹慎だった。
その後すぐにレティシアに今回の件とデートをすっぽかした謝罪をしたけど、事情を知った彼女は僕の事を許してくれた。
それと、学級委員としてティアのメンタルケアでもしようと思ったのか、部屋に遊びにも来ていた。
「………………ん」
朝日が瞼を刺激し、僕はゆっくりと目を開ける。
隣には、未だにすやすやと寝息を立てているティアの姿があった。
ティアは三日前のあの事件以来僕にベッタリで、何をするにしても一緒じゃなきゃ嫌って駄々をこねていた。
流石に最後の一線(?)である入浴とトイレは別々にしてもらったけど、それ以外―食事や就寝とかは常に一緒だった。
下手すると、僕への依存心の他に若干の幼児退行もあるのかもしれない。
閑話休題。
起き上がろうとするけど、今日も僕の右腕はティアに抱き締められていた。
無理矢理抜こうとするとティアが起きちゃうから、仕方無くそのままにしておいた。
そうしてしばらく天井を眺めていると、隣から身動ぎする気配を感じた。
そっちに目を向けると、ティアがゆっくりと目を覚ます。
「………………ぅん」
「おはよう、ティア」
「……おはよう、ジュリウス……」
ティアはまだ意識が覚醒し切っていないみたいだけど、起きたのなら問題無い。
僕はティアの腕を振りほど――こうとすると、ティアがとても悲しそうな顔をする。
「ティア。着替えるから少しの間離してくれないかな?」
若干の罪悪感を抱きつつもそう言うと、ティアは素直に腕を離してくれた。
それからベッドを抜け出し、寝間着から私服に着替える。
それが済んで振り向くと、ティアももたもたとだけど寝間着から私服に着替えていた。
小さい頃からそれなりに一緒に過ごしてきたから、今更ティアのあられもない姿を見た所で何にも思わなかった。
「ティア。僕は先に行くけど……」
「ちょっと待って……うん、終わったよ」
着替え終わったティアと共に、リビングへと向かう。
すると丁度、アルマも自室から出て来た所だった。
アーニャは……まだ眠っているみたいだ。
「おはよう、アルマ」
「おはようッス、ティアちゃん、ジュリウスくん」
「アルマ。今日も悪いけど、弁当貰ってきてくれるかな?」
「了解ッス」
アルマはそう返事をすると、パタパタパタンと部屋を出て行く。
各寮の食堂では、自室で食事する学生のために弁当の提供もしている。
謹慎中の身としては、ありがたい限りだ。
アルマが帰ってくるまでの間に、洗面所でティアと交互に顔を洗う。
再びリビングに戻ると、アーニャも起きてきたみたいだ。
「おはよう、アーニャ」
「ふぁ……おはようございます、ジュリウスさん、ティアさん」
「眠そうだね?」
「ええ、まあ……読者をしていたら、少し夜更かしをしてしまいまして」
「そっか」
それからしばらく雑談していると、弁当を四つ抱えたアルマが戻ってきた。
それを受け取り、僕達はリビングで朝ご飯を食べ始めた―――。
しばらくシリアスな空気が続きます。
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