第63話 運命の転換点【※閲覧注意※】
自作品史上一と言っても良いくらいに胸糞展開です。
復讐を題材にした作品があるにも関わらず、です。
本当に、苦手な方はすぐにブラウザバックしてください。
……警告はしましたよ。
前回のあらすじ
コイバナした
十二月二五日、聖光祭当日。
レティシアとの約束通り、今日は彼女とのデートの日だった。
姿見の前で一度、自分の姿を確認する。
黒のスラックスに、ダークグレーのワイシャツ。
その上から黒のカーディガンを重ね、何なら外套も黒いロングコートだった。
……全身真っ黒コーデだけど、好きな色なんだから仕方ないじゃないか。……誰に弁明しているんだ、僕は?
ちなみに、同室のオリバーは朝早くからクラスメイトの男子達と街に遊びに出掛けていて、それなりに楽しく過ごすらしい。
それとアルの方もこの間アルマへの告白が成功し、今日デートに行くと興奮気味に報告してくれていた。
……告白の場面を、何故かその場にいたティアとアーニャの二人と一緒に隠れて見守っていたのはナイショ。
閑話休題。
窓の外を見ると、真っ白な雪がしんしんと降り積もっていた。
外は寒いだろうなぁ……と思いながら、母さんお手製の毛糸のマフラーと手袋、それとニット帽を装備して待ち合わせ場所へと向かった―――。
◇◇◇◇◇
「うん?」
寮を出てすぐの所で、ティアの姿を見掛ける。それは良い。
問題なのは、見るからに上級生の男子三人くらいに囲まれて、人気の少ない方へと連れられて行っている事だった。
幼馴染とは言え、男女関係については一切口出ししないと決めていたし、ティアが何処の誰とも知らない相手と絡んでようが僕には関係が無い。
関係が無いけど……何だか嫌な予感がする。
そして嫌な予感の方が良く当たる事も知っている。
「……ごめん、レティシア」
待ち合わせの時間に遅れる事に心の中と小声で謝罪しながら、ティア達に気付かれないように後をつけた―――。
◇◇◇◇◇
今日の夜、クラスメイトの女子ほぼ全員でパーティーをするために、昼間の今の時間帯からお菓子やら何やらを買い込むために外出する。
外は雪が降っていて、吐く息も白い。
「おい、そこの」
すると突然、上級生っぽい男子から声を掛けられた。
周りにわたし以外の人影はないから、わたしに声を掛けてきたのだろう。
「わたしに何か?」
「我々に少し付き合え。拒否権は無い」
「いったい何の権限があって……」
「口答えするな! このお方はゆくゆくは侯爵家を継ぐお方だぞ!」
渋っていると、上級生の取り巻きっぽい二人の上級生の内の片方がそう言ってくる。
って事は、目の前のエラソーな上級生は侯爵令息なのね。
貴族社会は面倒事が多いってのはお母さんの普段の様子で分かってるつもりだから、ここで変な波風は立たせない方が良いのだろう。
「……分かりました」
「ふん、分かれば良いのだ。ついてこい」
そう言われ、大人しく上級生の後をついていく。
すると何故か、さっきの取り巻きの二人がわたしの左右を固めてくる。
これは……ヤバいかな?
◇◇◇◇◇
上級生達に連れて来られたのは、寮の裏手にある用具倉庫、その裏手だった。
とっとと用件を済ませたくて、わたしから口を開く。
「それで? わたしに何の――」
――用ですか? って言おうとした瞬間、突然侯爵令息に顔を殴られた。
数歩後退り殴られた部分を押さえながら侯爵令息達の方を見ると、三人はニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべていた。
「急に何するんですか!?」
「何って矯正だよ。二度と我々に逆らえないようにするためにな」
「何の権利があってそんな事!」
「私は侯爵家の人間だ。つまり貴族だ。であれば、平民をどう扱おうが文句は無いだろう?」
反吐が出るほどに自己中心的な考えで吐き気がする。
何か反撃したかったけど、学園内での私闘は禁じられているから理性が行動に移す事を躊躇わせている。
何て考えていると、いつの間にか取り巻きの二人がわたしの真横にいて、両腕を腕で抑え、両足も上から踏みつけられていた。
そしてゆっくりと、侯爵令息が近付いてくる。
「さて……貴族に逆らった者にはそれ相応の『教育』を施さないとな。……ふむ。私の見立て通り、見た目だけは私好みだ」
侯爵令息はそう言うと、わたしの胸元に手を掛ける。
……まさか。
そう思った次の瞬間、グイッとコートとブラウスを引っ張り、ビリビリと破いていった。
突然見ず知らずの男に下着に包まれた胸元を晒す事になり、わたしは反射的に悲鳴を上げる。
「イ……イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!」
「心地好い悲鳴だ。もっと私を楽しませろよ?」
そう言うと侯爵令息はわたしのスカートにも手を掛け、乱暴に引っ張って下半身を晒される。
侯爵令息がわたしに何をするつもりなのか想像出来てしまい、恐怖から身体がすくんで身動きすら取れなくなってしまった。
そしてわたしの頭の中を、ある思いが支配する。
……嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い嫌だ怖い嫌だ嫌だ怖い怖い怖い嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ怖い怖い怖い怖い怖い嫌だ怖い嫌だ嫌だ怖い嫌だ―――。
―――誰か、助けて――!!
そう思っていた時には、侯爵令息によって上下の下着が乱暴に剥ぎ取られていた。
犯される、と思った次の瞬間、真横に吹っ飛ぶ侯爵令息と、飛んできた黒い何かがわたしの前に現れる。
その黒い何かはそのまま、取り巻き達を殴り飛ばす。
「大丈夫、ティア!!」
黒い何かは、今まで見た事が無いくらいに憔悴し切った顔のジュリウスの姿があった―――。
◇◇◇◇◇
ティア達に気付かれないように後をつけていくと、四人は何故か人影の無い、用具倉庫の裏手へと消えていく。
足音を忍ばせつつ、用具倉庫の壁に背中を預けてゆっくりと近付いて行くと……ティアの叫び声が聞こえてきた。
思わず飛び出しそうになったけど、冷静な部分が「相手は上級生、騒ぎを起こさない方が良い」って警告してきた。
それは分かる。分かるけど……ここでティアを見捨てたら、僕は絶対に後悔すると本能が告げていた。
その本能に導かれるまま影から飛び出し――両腕を抑えられて身動きの取れない上に身体の前面を晒しているティアと、それをしたとおぼしき上級生達を見た瞬間、プツンと僕の中で何かがキレた。
短い助走でティアの目の前にいる上級生を飛び蹴りで蹴り飛ばした後、その勢いのままティアの腕を押さえている上級生達に続けざまに右ストレートをお見舞いする。
「大丈夫、ティア!!」
そう言ったけど、すぐに大丈夫で無い事を理解した。
ティアの服装もそうだけど、ティアの顔が恐怖に支配されていた。こんな顔のティア、今まで見た事が無い。
僕は怒りのままに、ティアの目の前にいた上級生へと近付く。
僕の大事で大切な幼馴染に手を出した報い、受けさせなくちゃ僕の気が済まない。
だから僕は、未だに地面に無様に転がっている上級生へとゆっくりと近付いて行く。
そして乱暴に、上級生の身体を上から踏みつける。
「ぐあっ!? 貴様、何を――」
「――《メンタルブレイク》」
上級生が何か言おうとした瞬間、自分でも底冷えするほどの低い声音で破壊魔法を発動し、彼の精神を破壊する。
上級生は糸の切れた操り人形みたいにカクンと首を傾け脱力する。
ティアの腕を抑えていた二人の方に視線を向けると、二人は怯えたような表情を浮かべていた。そんな資格など無いと言うのに。
「おい」
僕がそう言っただけで、二人はビクッ! と大きく肩を揺らす。
「お前ら、コレの連れか? だったらとっととコレを連れて行ってくれ。僕がコレを本格的に殺さない内に」
そう告げると、二人はもたもたしつつもソレを回収する。
肩を貸すようにして持ち上げた所で、二人の腕を片方ずつ掴む。
「……おい」
「まさか……」
「《ブレイク》」
コレの仲間っぽいんだ。
痛みを伴う罰を与えておかなくちゃいけない。
そう思い、二人の前腕部の骨を粉々に砕く。
「とっとと僕の前から消えろ」
絶叫する二人にそう告げると、二人はソレを抱えたまま、文字通り涙目で僕の前からもたもたと去っていく。
改めてティアの方に向き直ると、ティアはぺたんと女の子座りで座っていたけど、相変わらず目が虚ろだった。
僕は着ていたコートを脱いでから、ティアに近付く。
そして彼女の前で膝を着き、コートを羽織らせる。
「ティア。怖い思いをしたんでしょ? でももう大丈夫。僕が傍にいるから」
「……ジュ、リウス………………ジュリ、ウス……っ! わたし……わたしっ! ううう……うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんっっっ!!」
僕の胸に顔を埋めて泣き崩れるティアの身体を、僕はそっと優しく抱き締めた―――。
展開上必要だったとは言え、ティアには酷いことをしたっていう自覚はあります。
初期案はティアがレ……される展開だったんですけど、多少(?)マイルドにしました。
今後、今回のような展開は無い……ハズです。
未来のことなので確約は出来ませんが、作者も書いててすごく辛かったのでもう書かないとは思います。
運営様に注意されたら今回のエピソードを削除するかもしれません。
そしたら読者の皆様に本当に申し訳なく思います。
……と言うか、注意されそうだったから書き直したんですけどね(小声)。
評価、ブックマークをしていただけると嬉しいです。




